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短編

第45話 - 【桃香＆未門シリーズ】物語に、終幕を

201

2023年11月14日

#短編

#一次創作

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桃香

っ…

ぎゅっと、刀を握りしめる

他の仲間達は全員倒れた

…サラナの、謎の術によって

サラナ

あら、こんなに立っていられたの？

サラナ

この人達は別格で強いわね

サラナ

術云々では無く、魂が

桃香

私の…仲間に…何してんだよ！！

未門

ちょっ！？桃香！？

桃香

許さない！！絶対許さない！！

サラナ

……そう

サラナ

なら、己の弱さを恥じなさい

サラナ

そのせいで、全てを失うところだったのに？

桃香

うるさい！うるさい！！

桃香

私はただ！！皆が笑っていられる世界が欲しかっただけなのに！！

桃香

なんで！なんでそれを邪魔するんだよ！！

サラナ

だから…対抗しなさいと言っているでしょう！！

サラナの術と思わしき物が容赦なく襲ってくる

それを刀で切り刻む

切り刻めなかった分は身体にもちろん当たって怪我が増えていく

だけど、そんなこともはやどうでもよかった

この刀があれば、全部解決出来る気すら湧いてくる

不思議と、使い方が分かる

まだ、見つけて間もないと言うのに

この刀、｢白刀･白雪｣は先代巫女である母の墓標の中から見つかったものである

もうずっと見つからず諦めかけていた時、偶然術が暴発して墓標をぶっ壊した時に見つけたのである

この、戦いの直前に

何故こんなに使い方が分かるのか

まるで、母が導いてくれているように

サラナ

…？

サラナ

もしかして、その刀

サラナ

｢白刀･白雪｣…！？

桃香

……？

風魔

……巫女様

風魔

無理はなさらないで下さい

風魔

俺達はここで見守ることしか許可されてませんが

風魔

許可さえ頂けるのなら…

桃香

ダメだよ風魔

桃香

これは、私とサラナの戦い

風魔

……承知しました

クルト

なら、ボクからも1つ愚痴

クルト

危なっかしい戦い方は辞めてくれ

クルト

見ていてヒヤヒヤする

桃香

……心に留めておくよ

サラナ

本物だわ…贋作なんかじゃない…

サラナ

正真正銘、｢世界からの贈り物｣

サラナ

何故…それをお前が！！

桃香

……母様

サラナ

えっ？

桃香

……母様、何故そこに？

サラナ

…な…何言ってるのこの子…

桃香

……はい、分かりました

サラナ

い…いい加減にしなさい！！

サラナ

貴女が幸せになるなんて…ありえないのよ！！

サラナ

私の方が幸せになるはずだったのに…！！

サラナ

あの……あの女のせいで！！

桃香

うるさいな

桃香

黙ってよ

サラナ

…！？

桃香の目付きが、少し変わる

まるで、この一瞬で世界を知ったような目を得た

桃香

……この、｢白刀･白雪｣

桃香

確かに世界からの贈り物という名に相応しいね

桃香

対になる｢黒刀･蓬莱｣が剥奪する力なら

桃香

この｢白刀･白雪｣は譲れらる力がある

サラナ

な…何を言って…

サラナ

まさかお前…さっきあの女から…！！

桃香

えぇ、確かにそう

桃香

私はさっき、この刀に宿る母様から

桃香

｢世界に愛された人間｣しか使えない術を譲ってもらった

桃香

これで終わりにしよう

桃香

何もかも、全部

サラナ

いや…いやよ…

サラナ

こんなところで…死にたくない

桃香

それじゃあ、楽に死ねるなんて思わないでね

桃香

私の仲間は、そんな安い傷で済んだと思うなよ

桃香

｢擬似暗夜･彩華｣

母様から教えられた術の名前を、唱えた

どんな意味が込められていたのかまでは分からないけど

ただ、優しい世界に行きたいと願いを込めて

術と思わしきものが発動した瞬間

サラナは、なにかに飲み込まれて、消えた

桃香

……終わった

桃香

何もかも、終わったんだ…

未門

桃香！！

桃香

……未門

未門

ほんと…心配した

風魔

ガッタガタに震えてましたよ未門様

未門

風魔、そんなこと報告しなくていい

クルト

……

桃香

……さて、皆を起こそうか

桃香

皆で、帰ろう

雨嶺

……よし！OK〜

桃香

はぁ……緊張した…

未門

でも1発でOKで良かったじゃん

未門

途中でダメ出しもされなかったし

風魔

うん、上出来

桃香

あ、ありがとうございます…

クルト

ありゃ、戻っちゃった

桃香

戻るも何も…本当、緊張しました

桃香

臓物吐き出すかと思った…

未門

えぇ……？

そう、実はこれ

ドラマの撮影である

｢巫女様の世界｣という和風ファンタジー作品

その作品の主役級のキャストに

アイドル達が駆り出された

私、桃香が所属している事務所が主なメインキャラを演じている

この作品の面白い所はキャストとキャラの名前が完全に一致している所である

もう、笑うしか無かった

主役、｢沙羅桃香｣役に私が

｢未門｣役に風魔さんの相方である未門さんが

｢風魔｣役に未門さんの相方の風魔さんが

｢クルト｣役には｢青色の砂糖｣からクルトさんが

……ちなみに余談なのだが

｢青色の砂糖｣と書き、ブルーシュガーと読む

初見じゃ絶対解読不可能で有名である

そしてラスボス｢サラナ｣役には

我らの事務所の生きる伝説

かつて世代の大ブームを起こしたアイドル、サラナさんが抜擢された

もう……見ているだけで目の保養である

サラナ

あ！君達〜

未門

サラナさん

未門

お疲れ様です

サラナ

お疲れ様〜

サラナ

桃香ちゃん、演技お上手ね

サラナ

感動しちゃった

桃香

いえ…まだまだです

桃香

アイドルとしても駆け出しの身でして…

サラナ

あ、その話も聞いたわよ？

サラナ

ごめんなさいね、うちの若いのが

風魔

( ◜ཫ◝)ｳﾞｯ

サラナ

まさかファンの子を事務所所属のアイドルにしてしまうなんて考えもしなかったわ

雨嶺

あの…サラナさん？

サラナ

雨嶺さんもなぜ許可を？

雨嶺

圧に負けまして…

サラナ

もう！マネージャーならしっかりして下さい！

サラナ

貴方にはこの子達を任せているんですからね

雨嶺

は…はい…

サラナ

……でも、そうね

サラナ

元々美形ではあるし

サラナ

飲み込みも早くて歌も上手

サラナ

むしろよく今までアイドル事務所のオファー来なかったわね

桃香

その手のは避けまくっていたので…

サラナ

貴女も大変ね…

サラナ

……さて

サラナ

いつもの、やりましょうか？

桃香

はい！

サラナ

あ、他の人は片付ける手伝ってきて

クルト

はーい

未門

ほら風魔行くぞ

風魔

…はい

雨嶺

あっちょ…

雨嶺

未門…そっちは逆だ…

サラナ

……はぁ、大変で困るわ本当に

サラナ

さて、貴女はこの話をどう感じたかしら？

桃香

……1番初め、台本を頂きた時は｢桃香｣が、かっこいい主人公だと思っていたんです

桃香

それこそ正にこんな残酷な世界に抗えるほどに

桃香

だから、最終回は…なんか…こう…

桃香

違和感…でした

サラナ

違和感？

サラナ

貴女の思い描いている｢桃香｣と、ほぼ同じじゃないの？

桃香

それは…そうなのですが

桃香

この話は

桃香

｢白刀･白雪｣という刀の有無で全て変わってしまっていて

桃香

｢桃香｣自身の成長では無い気がして…

桃香

凄く……違和感でした

桃香

｢白刀･白雪｣が無ければ、バットエンドだったのです

桃香

むしろ今回のように｢白刀･白雪｣があれば桃香にも対抗出来る策があったでしょう

桃香

それが…なんか違くて

サラナ

……そうね

サラナ

貴女は感受性がとても豊かね

サラナ

それは確かにいい事よ

サラナ

でも、その感情に振り回されないで

サラナ

少なくても、今回は

サラナ

さ、行きましょう？

サラナ

片付けたら打ち上げよ

桃香

…はい！

桃香

(…なんだろ、この違和感)

桃香

(この話だけは、他人事で)

桃香

(第三者視点で)

桃香

(見てはいけない気がする……)

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201

4件

……あれ、「白刀・白雪」出てるけど『巫女様の世界』の本編で出てきて桃香さんと戦ってたっけ……？あ、もしかしてサラナ討伐If？って思ったらまさかの撮影……！！！もしもあの時…あの戦いで「白刀・白雪」があったらドラマと同じ結末を迎えていた、のかな？って思うと胸がキュッと締め付けられるけど、本編の展開もドラマ撮影の展開もどっちも好き🫶🫶 最後の桃香さんの感じだと本編と何か関係があるのかな🤔💭

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