詩葉 コトハ
その言葉で 周りの人達が一気に騒ぎ出す
皆さん静かにしてください
冷静な声が辺りを再び静寂という無の地へと戻す
この試験は行われる前に皆様の同意を得て行われております
つまり 逃げれば即射殺
もしくは即 刺殺になります
紀 コト
ハナ
紀 コト
ハナ
紀 コト
試験内容は至ってシンプルです
120分間 呪い〖マジナイ〗達から逃走し 殺してください
ただし "フィクサー"に遭遇した場合は殺害しないで下さい
フィクサーは貴方達と同じ人間です
ハナ
紀 コト
紀 コト
我々は生き残った者が フィクサーとして"相応しい人間"だと判断します
つまり"才能"や"実力"などでこの試験は乗り切れるのです
幼児らしさが溢れているのは声だけで
雰囲気や言葉使いはとても子供とは思えない
では試験を開始致します
冷淡な声が試験開始の合図となった
今から 呪い達が貴方達を喰らい 殺そうと群がってくるでしょう
呪い達は 立派な人類の敵です
殺すのに躊躇う必要はありません
躊躇する必要はありません
何故なら 奴らは_
その部分が爆音によって根こそぎ消し取られた
音と共に姿を現したのは
人間の皮を被った化け物だった
「びしゃっびちゃっ」
時雨 シグレ
室内が紅い鉄の匂いがする絵の具まみれになる
時雨 シグレ
時雨 シグレ
祐磨 ユウマ
雪のように真っ白な髪をもつ青年が静かに答える
時雨 シグレ
森林のような奥深さを纏う もう一人の青年が納得したかのように微かに首を縦に振り
紅絵の具塗れの自らの手を筆のように使用し 壁に数字を描き始めた
祐磨 ユウマ
祐磨 ユウマ
祐磨と呼ばれる青年が 時雨の行動を不思議そうに見詰めながら 首を傾げ彼に問いかける
時雨 シグレ
時雨が、動きを止めずに彼からの質問への返答を考える
そして 約数秒後に時雨が 祐磨への返答を決めたかのように口を開いた
時雨 シグレ
祐磨 ユウマ
その言葉を聞き 祐磨は 自分でも驚く程の早さで壁の数字を見つめた
時雨 シグレ
のんびりと平穏な声で彼は言葉を紡いでいくが 壁に記された数字はおぞましい程 正確で とある事件で亡くなったフィクサーと"同じ"だった
祐磨 ユウマ
祐磨が目を見開きながら 言葉を続ける
祐磨 ユウマ
時雨 シグレ
時雨 シグレ
祐磨 ユウマ
時雨 シグレ
"鈴姫暴走事件"
それはフィクサー達の間で噂されている昔に起こった事件
祐磨 ユウマ
祐磨 ユウマ
祐磨 ユウマ
祐磨 ユウマ
時雨 シグレ
時雨がぱちりとウインクをしてから 祐磨の唇に自分の指を置いた
祐磨 ユウマ
祐磨 ユウマ
時雨 シグレ
朱利 シュリ
音も立てずに一人の少年が 時雨の隣に立ち 首筋に小型銃を当てた
祐磨 ユウマ
時雨 シグレ
時雨は 動揺の色を一つも見せず 朱利という青年に言葉を紡いでいく
朱利 シュリ
朱利は 少しだけ嫌そうに言葉を返した
祐磨 ユウマ
祐磨が緊張を感じさせる声色で時雨に質問をすると
時雨は 「嗚呼_」と言ってから 朱利の小型銃を握り言葉を選び始めた
時雨 シグレ
祐磨 ユウマ
祐磨は少し驚いたように目を見開いてから 朱利を見つめた
朱利 シュリ
朱利がそう言った途端 小型銃だけが凍り付いた
朱利 シュリ
その様子を見た朱利は、表情を歪め再度舌打ちをした
朱利 シュリ
時雨 シグレ
時雨 シグレ
涼し気な顔をしながら言葉を続ける時雨を見た朱利は 【やっぱり掴みどころねぇ奴】と思う事しか出来なかった
すると何処かからか、可憐なハイヒールの音が聞こえた
そしてその音はやがて彼らの元へと 足を進めるかのように近くなっていき
気が付けば隣から聞こえていた
樹 イツキ
樹 イツキ
心を棘で掻き回されるような罵倒と共に姿を現したのは_
祐磨 ユウマ
時雨 シグレ
するとその言葉を聞いた樹は 腕を組み直しながら彼らにこう告げた
樹 イツキ
朱利 シュリ
朱利 シュリ
樹 イツキ
樹 イツキ
時雨 シグレ
時雨 シグレ
樹 イツキ
樹 イツキ
樹 イツキ
樹 イツキ
時雨 シグレ
樹 イツキ
祐磨 ユウマ
樹 イツキ
祐磨がおどおどと彼女に質問をする
祐磨 ユウマ
樹 イツキ
樹 イツキ
祐磨 ユウマ
樹 イツキ
時雨 シグレ
樹 イツキ
樹 イツキ
樹 イツキ
祐磨 ユウマ
朱利 シュリ
楓 カエデ
''幼い''子供の鼻歌が、時計が動く音と連動する
楓 カエデ
楓 カエデ
その幼い見た目には、合わない言葉を発言するが
本人は、何故かとても愉しそうだった
奈那 ナナム
少女の背後から、少し離れた場所で男性の声がした
楓 カエデ
楓の声が、急激に低くなった
恐らく怒っているのだろう
奈那 ナナム
楓 カエデ
楓 カエデ
奈那 ナナム
奈那と呼ばれる青年が、僅かに笑った
楓 カエデ
少女か、溜息を着いてから首を傾げ 彼に問い掛ける
奈那 ナナム
楓 カエデ
楓 カエデ
奈那 ナナム
楓 カエデ
奈那 ナナム
奈那 ナナム
楓 カエデ
楓 カエデ
奈那 ナナム
楓 カエデ
奈那 ナナム
奈那 ナナム
奈那の表情が曇った
楓 カエデ
奈那 ナナム
奈那 ナナム
楓 カエデ
楓 カエデ
楓 カエデ
楓 カエデ
奈那 ナナム
楓 カエデ
楓 カエデ
楓 カエデ
楓 カエデ
楓 カエデ
楓 カエデ
楓 カエデ
楓 カエデ
奈那 ナナム
楓 カエデ
奈那 ナナム
楓 カエデ
楓 カエデ
奈那 ナナム
奈那が後ろを向き 入口へと歩き出した
すると、少女が独り言の様に呟いたのだ
楓 カエデ
楓 カエデ
奈那 ナナム
奈那は、その独り言を聞き 目を見開いた
そして ばっと後ろを振り向くと
奈那 ナナム
そこに少女の姿は なかった
コメント
7件
続きめっちゃ待ってた…ありがとう…!続きめっちゃ楽しみにしてるね!
うちの子だぁぁぁ!!!!!٩(ˊᗜˋ*)وヤッフーイ 事件の死者数…どのくらいなんだろ…十数人程度じゃないだろうけど……