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ギギギギィ……

少し重たい木製の扉を開けると、中には男女数人が集まっていた

おそらくこのホテルの客なのだろう、椅子に座って飲み物を飲んだり、談話している

「現代遠征」として未来からやってきた青年(正しくは青年ではないが)─────日向正宗は、早速チェックインをしようとフロントへ向かった

日向正宗

15時から予約している日向です

STAFF

はい、日向様ですね

スタッフがメモ帳にチェックを入れ、無線に向かって「揃いました」と呟く

そして、疑問に感じている日向のほうを向き、笑顔で話した

STAFF

お飲み物はどうされますか?

メニュー表を見ると普通のホテルと変わりはない

日向正宗

では、緑茶でお願いします

STAFF

かしこまりました、少々お待ちください

スタッフは奥の部屋へ行き、緑茶を注いでいる

不審な点がないか、日向は目を凝らして作業している姿を見た

日向正宗

(異常無し…か)

日向正宗

(時間遡行軍や歴史修正主義者、検非違使の気配も無いとなると、このホテルは普通に宿泊用に予約してくれたのかな?)

STAFF

お待たせいたしました、ロビーで予定時刻までしばらくお待ちください
予定時刻になりましたら、スタッフのほうからお部屋にご案内いたします

淹れたての香りの際立つ緑茶を片手に、空いている席を探す

しかし、1人になれる席は無かった

仕方なく窓際の席で景色を見ながら何か飲んでいる紫髪の高校生のような大学生のような女性のいる席へ行った

日向正宗

すみません、席が空いていないのでお隣宜しいですか?

鈴仙

あ、はい
大丈夫ですよ

異性の隣は気まずいが、他にロビーにいる客は談話していたりなにかしらの作業をしているため、邪魔にならないようここに座るしかなかった

そう自分に言い聞かせ、緑茶を少しずつ飲みながら景色を眺めていると、隣に座っていた女性から話しかけられた

鈴仙

あの、あなたも今日ここに泊まるのですか?

ホテルだから当たり前だろう、と思ったが何か事情があるかもしれないと思い、静かに頷いた

鈴仙

そうでしたか、当たり前の事で申し訳ありませんでした

鈴仙

実は私、このホテルに目が覚めたらいたんです

日向正宗

えっ

その言葉を聞いた瞬間、悪寒がした

残念ながらその嫌な予感は的中してしまったようで、ロビー備え付けのモニターが突如砂嵐になった

何だ?異変か?

奇襲か!?

なんだなんだ?

ざわつく中しばらくモニターを見ていると、前身が真っ黒な衣装で包まれた人物が映った

GM

皆様、お集まりいただきありがとうございます

GM

これより進行を務めさせていただきます、ゲームマスターです
マスター、とお呼びください

日向正宗

ま、マスター…?お集まりいただきありがとうございます…?え、どういうこと…?

日向がそう呟くと、マスターはこちらを向き話した

GM

疑問に思うのも無理はないでしょう
大丈夫ですよ、これから説明しましょう

GM

まず、物騒ですが…あなた達7人の中に殺人鬼が紛れています

さ、殺人鬼!?

GM

はい、その殺人鬼を皆さんには見つけ出してもらいます

GM

見事殺人鬼を処刑できたら殺人鬼以外に1000億円を差し上げましょう

鈴仙

1000億…!?

GM

しかし、処刑できなかった場合は殺人鬼以外の全員の命を貰います
そして、殺人鬼には1兆円を差し上げます

ロビーが一気にどよめいた

混乱している客をたしなめるように、マスターは続けた

GM

人狼ゲーム方式でゲームは進行していきます

GM

いわゆる…リアル人狼ゲーム、というところでしょうか

GM

皆さんには各々役職が振り分けられていますので、お部屋でご確認ください

GM

特別な力を持たない市民3人、指定した人物が市民側か殺人鬼側か分かる占い師が1人、前日に処刑した人が市民側か殺人鬼側か分かる霊媒師が1人、指定した人物を殺人鬼の襲撃から守れる騎士が1人

GM

そして、殺人鬼が1人

GM

どなたがどの役職になるかはこちら側で様々なことを考慮して決めさせていただきました

GM

ちなみに本日は処刑も襲撃もございません

GM

それでは、ゲームをお楽しみください

そう言うとモニターの電源は切れた

日向正宗

7人って…今ロビーにいる客…

STAFF

そうですよ、さあ中央にでも集まって最期の平和を味わってください

指示に従いロビー中央のテーブルへと行くと、他の客も集まっていた

UK

これで全員揃ったようですし…自己紹介でもしますか

なぜ命の危機が迫っている状態でここまで冷静になれるか日向には不思議でしかなかったが、身の安全を優先し大人しく従うことにした

UK

ではまずは私から

UK

イギリスと申します、どうぞ宜しくお願いします

Ita.

イタリアなんね
生きて帰れたらパスタとピッツァが食いたいんね

こんにちは、鳩です!
ちょっと…怖いな、この中に殺人鬼がいるの

ルカ

巡音ルカです
短い間かもしれないけど、よろしくね

鈴仙

鈴仙・優曇華院・イナバです
鈴仙とかうどんげとか、呼び方はお任せします

イヴァン

僕はイヴァン・ブラギンスキ
大きくて怖いかもしれないけど、殺人鬼じゃないから安心してね

日向正宗

流れ流れてやってきた、僕が日向正宗さ
刀を持っているけどこれは仕事用だから、皆を斬ったりしないよ
よろしく

一通り自己紹介を終えると、スタッフから部屋の鍵を渡された

STAFF

では皆さん、予定時刻になりましたので館内図に従ってお部屋へどうぞ

STAFF

明日10時になりましたらまたここにお集まりいただき、処刑する人を1人決めていただきますので、よろしくお願いします

渡された鍵で解錠しドアを開けると、さっぱりとした洋室が出迎えた

日向正宗

真っ白…

午前中の疲れが一気に出たのか、ベッドを見つけると布団の上から一気にダイブした

日向正宗

ふかふかぁ…

瞼がゆっくりと落ちてきたが、まだ夕方ということを思い出し立ち上がる

目覚ましに部屋の中を軽く散策していると、机に紙切れが置いてあった

何か伝言かもしれないと思い見てみると、「【あなたの役職】」と書かれていた

日向正宗

あ、部屋で役職確認しろって言われていたの、これか

折りたたまれているのを開くと、そこには「騎士」と書かれていた

日向正宗

騎士か〜

日向正宗

守るのが僕の役目なんだね

日向正宗

「毎晩指定した人を守ることができる。何日か連続で同じ人を守っても良い。自分は守れない。」

日向正宗

自分は守れないのか…

紙切れの横には前身を覆えるような白いマントが置かれており、「守る際には騎士が自分だとバレないよう、これを身に着けること」とメモが残されている

日向は早速今日起こったことを報告書に記入し、そして自分の「騎士」という任務を全うするために刀や防具の準備を始めた

この作品はいかがでしたか?

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コメント

4

ユーザー

あなたは神?

ユーザー

文章書くやつ(?)がめちゃめちゃ多くて読み応えある…大変すこです

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