The psycho game

1日目 午前10時

議論開始

この中のうちの1人はほぼ確実にここでﾀﾋぬことになる

それが他人ならまだ良いが自分の可能性もある

皆が恐怖で焦っているのがよく分かるが、1人だけ動揺の「ど」の字も感じられない者がいた

自分が「騎士」だと明かせば真っ先に殺人鬼に襲撃される

なぜなら「騎士」は殺人鬼にとって非常に厄介であり、また今回は騎士は自分を守れないからだ

イタリアが注文したピッツァを片手にそう話すと、イヴァンはイギリスの方をむいた

喧嘩はヒートアップしていき、拳を振り上げそうになった

圧に負け、イタリアは白旗を振った

今のところの会話では情報量が少なすぎる

できれば殺人鬼を吊りたいが、特にこれといって怪しい人はいない

否、全員が怪しく見えるため、誰も安易に信用できない

考えれば考えるほど皆が怪しく見えてきてしまう

現在怪しいのはルカとイギリスだが、互いに占わせると互いを黒と言いあって無駄な占いになる

そうなるなら他の怪しい人を占わせたいところだが、まだ1日目ということもあり、際立って怪しい人もいない

皆が悩んでいたその時、鈴仙が呟いた

確かに鈴仙の言う通り、処刑まで時間がない

それなら一旦鈴仙を占うのもありか、と日向は思った

イタリアはそう言いかけたところで何か考えがあったのか、留まった

鈴仙もこくこくと頷いている

鈴仙は嬉しそうに皆を見た

そんな中、ただ……と、ルカが言う

ルカは鈴仙を真剣な目で見つめるが、すぐに鈴仙は柔らかく笑った

眩しい笑顔に尊き信頼関係

最近の出陣で荒みかけた日向の心は少し平穏を取り戻した

気付けば投票開始時刻5分前、午後5時55分

そろそろ処刑する人をしっかり決めておかなければ、無駄な犠牲者が出てきてしまう

明日は我が身、という状況下でそれは何としてでも避けたいところだ

各々が考え込んでいたその時、イギリスは「そういえば」と話し始めた

そうして、1日目は投票スキップに全員が投票し、誰も処刑されずに終わった

1日目 午後6時 議論終了

残り生存者　7人 残り殺人鬼　1人