閉まる扉の音で目が覚めた。
もう昼だ。こんなに寝てしまった。
そのままベットに寝転んだまま、また寝ようと目を瞑る。
寝れない。窓から差し込む光のせいで寝れないのだ。 カーテンは閉めていたはずなのに、またお母さんが開けたみたいだ。
憂鬱、杞憂。 僕を満たすのはこの二つだった。
先生
僕は答えられなかった。
先生
先生
僕は答えられなかった。
先生
先生
先生
僕は答えられなかった。
僕は、僕自身が何をしたいのか分からなかった。
何をすればいいか分からなかった。
将来の夢は何か?何になりたいのか?
そもそも僕は無事に中学で過ごせるのか?過ごせたとして、高校は?受験は?大学は?
ましてや、働けるのだろうか。
全て、分からなかった。
洗濯機が仕事を終えて鳴いた。
僕は布団の中で泣きそうだった。
せめて何かで気を紛らわしたかった。
よく分からない。皆が理解できない。
何の恐怖もないの?どうして?
テーブルの上にはいつもの皿と置き手紙があった。
「チンして食べてね」 いつもそう書かれて皿の下に敷かれていた。
お母さんは、なんでこんな僕を大事にしてくれるんだろうか。
あのとき魔が差して家出してごめんなさい。
お母さんがあんなに泣いたのを見たのはあのときが初めてだった。
ご飯はたまにしか温めなかった。
なによりめんどくさかったし、冷たい方が僕には丁度よかった。
無力感に駆られるだけだった。
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いつぞやのお知らせ部屋で言った新しい子、柳谷君です 1回この連載に出たことがあります