テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
902
ぴよたろう
377
一週間の激務を終えた金曜日の午後9時00分。 俺――吉田仁人は、会社の最寄り駅ではなく、同期であり今や恋人でもある佐野勇斗の家の最寄り駅、その改札前に立っていた。 大手総合商社で「エース」と呼ばれる勇斗は、社内の女子社員の視線を集める華のある男だ。だが、俺の前ではただのうるさい野生児に戻る。
佐野勇斗
改札を出るなり、勇斗は俺の手からビジネスバッグをひょいと奪い取った。
吉田仁人
佐野勇斗
夜の少し薄暗い道。勇斗は俺の空いた左手をギュッと恋人繋ぎで握りしめてくる。 会社では「優秀な同期コンビ」として働いてる俺たちだが、スーツ姿のまま夜道で手を繋いでいるという背徳感に、胸がトクンと跳ね上がった。 駅前のスーパーで「2人でお泊まりだし、ちょっといいお肉買っちゃう?」なんて大はしゃぎする勇斗と買い出しをして、彼の部屋に着いた頃には夜の10時を回っていた。
佐野勇斗
スーツのジャケットを脱ぎ捨ててベッドにダイブする勇斗。 俺が苦笑しながら買ってきた食材を冷蔵庫にしまっていると、後ろから足音が近づいてきて、気がつけば勇斗の大きな腕が俺の腰をすっぽりと包み込んでいた。
吉田仁人
佐野勇斗
振り向くと、すぐそこに勇斗の愛おしそうな瞳。ネクタイを緩めただけの彼に真っ直ぐ見つめられ、俺は小さく息を呑む。 ゆっくりと重なる唇は、1週間分の「会いたかった」を埋めるように、何度も、深く熱く、金曜日の夜を溶かしていった。
コメント
1件
うわ、第16話めっちゃ良かった…!金曜夜の背徳感と、スーツ姿で恋人繋ぎする2人の甘さがたまらん。勇斗の「爆裂にテンション上がる」って口調、キャラにピッタリでニヤけるし、最後の「会いたかったを埋めるキス」描写がもう、仕事終わりの疲れ全部吹き飛ぶような温かさだった。連載中だと思うけど、この2人の日常をもっと読みたいです🔥