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早く続きが見たいです🎵
あの、題名が 「あなたは彼氏候補にもなりません!」から 「あたしは彼氏候補にもなりません!」になってますよ
沙友里
沙友里
あれから一週間
時間はあたしのおもいとは逆に飛ぶような速さで進んでいる
花奏
花奏
にこって笑って沙友里にこたえる
クリスマスを二週間後に控えた沙友里はますますきれいになっていた
あの日からあたしは澤本君と話していない
次の日、せめてもの罪滅ぼしで澤本君の大好きであろうあかずをたくさん詰めたお弁当を作った
たこさんウインナーが好きだとか言っていたからわざわざ足まで切ったのに
そんなある意味愛がこもったお弁当をもって空き教室前の廊下で待っていた。 昨日はごめんねなんて、あやまってまたいつもみたいになれると思っていたのに
昼休みになっても彼が現れることはなかった
澤本君が平然を装っていることを知っていたのはあたしともしかしたら紫蘭の彼らだけ
泣いちゃうくらい大好きだった先輩の姿を見ても何ともないように、先輩と彼氏さんの邪魔をしないのは澤本君なりのやさしさで
別れた相手を困らせないように。 あたしを逆に脅したのもあたしがばらしてせんぱいに 迷惑が掛からないように
そんな優しいけど本当は弱弱しい彼をあたしは傷つけた
あたしの前ではその姿を見せてくれたのに
全く関係ないあたしに慰めてほしかったほど、心が泣いていたのに
あたしって……
花奏
沙友里
沙友里
突然泣き出したあたしに沙友里が慌てふためく
沙友里
沙友里
花奏
ごめんね、沙友里。 沙友里でもやっぱり理由は言えない
沙友里の腕の中で泣きまっくたあたしはある程度収まったとき自分の顔があまりにもひどくて、沙友里と二人で笑いまくった。
急に泣いたり笑ったりするあたしたちをクラスのみんなは不思議そうに見ていたけどそんなの全く気にならなかった
そしてその様子を遠くから澤本君が見ているなんて思いもせずに
沙友里
花奏
花奏
沙友里
花奏
沙友里
花奏
沙友里を迎えに来た彼氏さんのもとに送り出すけど、なにかを話した二人は不安そうにこちらを見る
そんな二人手を振って、あたしは屋上へと向かった。 なんで空き教室じゃないのかって?
だってあそこは澤本君や紫蘭のみんなの集まり場だから
あたしがあそこにいると澤本君があそこに行けないし、みんなからしたらあたしは部外者だもんね
それにさっき島袋君が澤本君を呼んでいたし
それで何の考えずに屋上まできた結果
花奏
鍵が締まっているなんて思ってもなかった
もういいや!今更教室に戻るなんてめんどくさいことしたくないしこの階段のとこで食べよう
一人で食べたっておいしいものはおいしいしと思えていたのに今はなぜかそんな気になれない
それでも食欲がわくこともなく何となく、寝転がってみる
花奏
花奏
花奏
はっ! 寝っ転がるだけのはずが普通に寝ちゃってた!?
花奏
沙友理とひよりちゃんからものすごいチャットの数
沙友里
沙友里
ひより
沙友里
ひより
うわあ… なんかものすごく心配かけちゃったみたい
これは明日なんかお菓子までもっていかなきゃな
とりあえず教室に戻らないと、荷物おきっぱにしてるし
でも、寝たおかげで目の腫れは大分収まったみたいだし
相変わらずくまはすごいけど
どうせ誰も教室になんていないだろうし
ガラガラ
なのに、いた。 一人だけ、机に突っ伏して
花奏
本当ならもうとっくに倉庫にいるはずの時間なのに
澤本君はあたしが来てもスヤスヤと眠ってるみたい
教室にいるのはあたしと澤本君の二人だけ
今なら話すことはできる。 できるのに…
もし声をかけて拒絶でもされたら? あの冷たい表情で見られたらあたしは耐えられるだろうか
せっかく友達だと思えるところまで来たのに…
そんなことを考えながら机に目を移す
花奏
花奏! あんたとあたしの二人分黒板移すの、大変だったんだからね? それにチャットも全然かえって来ないしひよりも心配してたし、明日はなし聞くし何かおごってもらうからね?
そんな手紙とともにルーズリーフが数枚、どちらも沙友里も特徴的な字で書かれていた
花奏
沙友里が写してくれたルーズリーフを大切にクリアファイルに大切にしまった
花奏
再びカバンを持ち上げて帰ろうとしたとき
ふと窓の外に目が行った
ちょうど橋本先輩が校門から出るところだった
最近澤本君と先輩のことを考えると胸が苦しい。 でもどうしてかわからない
…だったら考えなきゃいいんだ。 そう思いあたしは澤本君を起こさないように静かに教室を出た
そんなこと無意味だとも知らずに
朝陽
蓮
朝陽
朝陽
蓮
朝陽
蓮
朝陽
朝陽
こんな会話が起きてるなんてもちろんあたしが知るわけがない
結局進展のないままそれから、10日が経っていた。
クリスマスまであと3日。 誕生日まであと3日。
沙友里
沙友里とひよりちゃんに迷惑をかけたあの日からまた時間がたった
花奏
あの日からあたしは誰にも見つからない屋上の階段でご飯を食べて気づいたら昼寝をするなんて生活が日常になっていた
沙友里
そう。もう三週間もたっていた
あれからご飯もまともに食べなくなって、夜も眠れなくて寒い屋上階段で寝てるなんて生活のせいで風邪をひいていた。
沙友里
花奏
花奏
花奏
沙友里
花奏
沙友里の元気な声に励まされあたしは少しだけ元気をもらって電話を切ろうとした
ひより
ひより
沙友里
花奏
電話越しにひよりちゃんが来たことがわかる
沙友里
ひより
花奏
なんていいあたしは電話を切った
せめてクリスマス。せめての誕生日
風邪は治したい
あれっ切りスマホは一度もなっていない
友達になれたと思っていたのはやっぱりあたしだけだったみたいで
澤本君とあたしの関係はこんなにも細くて頼りない
花奏
なんて嘘。 こんなに時間がたっても謝れないあたしにも許してくれない澤本君にも腹が立った
夜は最近悪夢ばかり。 いつも夜中に汗をかいて泣きながら目を覚ます
それなのになかなかかぜは治らない
クリスマスと誕生日まであと3日だ。 二回寝て目を覚ませば……