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日菜

二人とも遅いなあ

日菜は約束どおり、 人間界への入り口で待っていた。

ララ

日菜ちゃーん!

遠くに見えたのは、 手を振るララの姿だった。

日菜

あれ、トトは?

合流したララに日菜が質問する。

ララ

兄ちゃんはちょっと、まだ用事が終わらないみたいでさ。先にフェアリーランドで買い物しとけっておつかい頼まれたんだよ

日菜

そうなんだ

日菜の悲しそうな顔に、 ララは少し申し訳なくなった。

日菜とララは手を繋ぎ、 買い物のため、 フェアリーランドへと向かうのだった。

トト

なあ、お母様

意識が戻ったトトは、 城で女王と話していた。

まだ熱は下がっておらず、 苦しそうに話しかける。

女王

無理しなくていいんですよ

トト

どうしてあの時、俺を止めなかったんだ?

女王

あなたが、本気だったから

ベッドの横の小さな丸テーブルに、 温かいスープを置き、 女王はその横の椅子に腰掛けた。

トト

そうか、ララは、いつから待ってたんだろうな

女王

あなたが出ていってすぐ、ララは追いかけて行きましたよ

ララはずっと、 トトの帰りを一番近くで待っていたのだ。

トト

あいつも言うこと聞かねえなあ。俺にそっくりだ

トトは小さく笑いながら、 ララのことを思い浮かべる。

女王

さあ、温かいスープを飲んでゆっくり寝てください。起きた時にはきっと、良くなっていますから

トト

そうだな。ありがとう、お母様

トトはゆっくりと目を閉じ、 そのまま眠りについた。

フェアリーランド中央広場。

ララ

日菜ちゃん、待ってよー

日菜

まだお買い物始まったばかりだよー?

紙袋を二、三個持ち、 日菜の後を追いかけるララ。

日菜は手ぶらで、 のんびりと歩いていた。

ララ

も、もう無理。ちょっとだけ休憩!

日菜

えー、体力ないなあ、ララは

ララ

日菜ちゃんが荷物全部持たせるのが悪いの!

日菜

まあ、私もお腹すいたからそれ食べようかな

その時だった。

大きな地響きが起こり、 あちこちで建物が崩れ、 煙が舞う。

日菜

何が起きたの?

ララ

またあいつらがやってきたのかも。今度は、本気で

ララの予想通り、 見覚えのあるカメの怪物が、 街を荒らし始めた。

日菜

どうしよう!

ララ

ここは一旦逃げるよ! 街の人もみんなが戦いに慣れてるわけじゃないし、僕一人じゃ限界がある

日菜

でも、トトは?

日菜の手を引くララの動きが、 一瞬止まった。

ララは深呼吸をして、 悪い考えを払拭する。

ララ

大丈夫。兄ちゃんは強いから

ララ

もうすぐだよ! 日菜ちゃん

国を出て、 草原の向こうに、 人間界への入り口を認識する。

必死に走っていた二人の目の前に、 怪物の軍団が立ちはだかる。

ララ

もうなんなんだよ!

日菜

うう、これじゃ通れないよ

軍団は二人を囲み、 徐々に近づいていく。

やられる、 そう二人が覚悟した時、 救世主が現れた。

「火飛円陣!」

空中から火の粉が円状に降り注ぎ、 怪物の体に触れた瞬間、 激しく燃え上がる。

日菜

え、燃えてる……?

ララ

まさか……!

空から一人の妖精が舞い降りる。

トト

やっぱり俺がいないとだめだな

ララ

に、兄ちゃん!

トト

他が来る前に行くぞ!

三人は手を繋ぎ、 人間界への入り口へと飛び込んだ。

トト

ふう、また危機一髪だったな

ララ

数も増えてたし、やばいよあれ

日菜

妖精界、どうなっちゃうのかな

日菜が不安そうに、 妖精界への入り口を見つめていた。

トト

とりあえず今日は帰るぞ。今妖精界に行ってもやられるだけだ

トトの体力も完全に戻ったわけではない。

ララもそれはわかっていた。

日菜に悟られないよう、 家に帰って休むことを優先した。

翌日様子を見に、 三人は再び妖精界へと向かった。

トト

な、なんだこれ

草原は焼け野原となり、 かつて見た美しい自然は消えていた。

ララ

数日でここまでなんて、国もきっと大変なことに……

三人はフェアリーランドへと向かった。

日菜

誰もいない……

日菜は辺りを見回したが、 壊れた家や剥がれたタイルが目立つだけで、 国には誰一人としていなかった。

トト

だめだ、女王様もいない

城の様子を見に行っていたトトが戻ってきた。

ララ

これからどうしよう。あいつらは何が目的なんだろう

ララはかろうじて残っていた噴水の縁に座り、 考え込んでいた。

日菜

私、探してくる

トト

だめだ、危険すぎる

ララ

そうだよ、何があるかわからないし

日菜

ずっとこのままなんて嫌だもん、私だって役に立ちたいもん!

そう言って、 日菜は森の方へ走リだした。

トト

おい!

トトが声をかけても止まらない。

ララ

どうしよう

トト

行くしかねえだろ

双子は見えなくなった日菜の後を、 追いかけていくのだった。

ララ

本当にこっちで合ってるの?

トト

手がかりがねえんだから、とりあえず進むしかねえだろ

日菜を探し始めて一時間、 全くといって見つかる気がしない双子。

ララ

何か悪いことに巻き込まれてないといいけど

トト

この状況だからな、怪物がうろついてるかもしれない

国やその周辺は崩壊寸前だったが、 森などはまだ被害を受けていないようだった。

ララ

これから、どうなっちゃうんだろう

トト

今考えても仕方ねえ、日菜ちゃんを見つけるのが最優先だ

しばらく歩き続け、 ララがあるものを見つける。

ララ

これ、なんだろう

地面に付いた少量の何か。

トトはこれが何なのかすぐに気がついた。

トト

血だ……。もうすでに巻き込まれたみたいだな

ララ

じゃあ急がなきゃ!

トト

待て、大体見当はついてる。二人だけじゃ無理だ、誰か呼んでこよう

トトは一人だけ目星をつけていた。

トト

そういえばこの近くだよな?

ララ

え、何が?

トト

もう一つの入り口だよ、人間界への

ララ

もしかして、コノハを呼ぶの?

二人は急いで入り口を探す。

ララ

あった!

トト

行くぞ

人間界に着くと、 目の前には心乃葉がいた。

心乃葉

あれ、二人ともどうしたの?

トト

今妖精界が大変なことになってるんだ。巻き込みたくはなかったんだが、ちょっと、日菜ちゃんがいなくなってしまって

ララ

僕たちだけじゃ手に負えなくて、お母様も見つからないし、どうしよう

心乃葉

わかった。私も協力する。妖精界のみんなにはお世話になってるから

トト

ありがとな。本当に助かる

人間界の時刻は夕方五時。

心乃葉は夜七時には家にいないといけないため、 妖精界に居られる時間は約四日。

心乃葉

四日あれば充分!

トト

ああ、後は俺たちが引き継ぐから安心しろ

心乃葉

別に私は……

心乃葉は何かを言いかけ、 言葉を飲み込んだ。

その様子にトトは察して言った。

トト

人間界も、悪いことばかりじゃないぞ

トトはそれだけ言って入り口に飛び込んだ。

ララ

ん? どういう意味?

心乃葉

気にしなくて大丈夫だよ

ララ

そっか

トトに続いて、 ララと心乃葉も妖精界へと向かうのであった。

少女の妖精物語 ~魔女が生み出した魔物~(チャット)

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