次の日もいつもと同じように、撮影現場に向かった。
King&Princeの専属になって、勇太と一緒に仕事して…
みんなのかっこいい所や、辛い時も苦しい時も全部見てきたし一緒に乗り越えてきた。
仕事に私情を挟むのはあんまり良くないとわかっていてもやっぱり、あの女優さんと勇太が一緒にいるのが頭から消えてくれない。
でもきっと大丈夫……勇太はちゃんと私のことを見てくれてる。
だから、自分も勇太を信じようと思った。
女の人
〇〇
あの女の人……昨日勇太と一緒にいた人…
〇〇
女の人が入っていった楽屋の張り紙を見ると……
上條様 雑誌撮影
〇〇
まさかだった。
今日の雑誌の撮影は勇太と女優の上條さんが一緒だということが分かった。
昨日の今日でまたツーショットを見るのは正直辛かった。
そんな気持ちを抱いたまま、勇太や他のメンバーがいる楽屋に行った。
楽屋に入ると、相変わらず騒がしい雰囲気だったが勇太の姿だけ見つからない。
〇〇
紫耀
海人
〇〇
勇太の元へ行くと、何故か上半身の服を脱いで筋トレをしていた。
〇〇
勇太
優太
海人
勇太
〇〇
頭の中で少しイラつきを始めた。
〇〇
勇太
〇〇
優太
海人
勇太
〇〇
勇太
廉
勇太
海人
廉
廉くんは反省したかのように静かに椅子に座った。
こんなに困惑してる私の前で悠々と筋トレをしている勇太。
女の人と撮影なんて……私がいるのになんとも思わないのかな?
〇〇
優太
海人
〇〇
勇太
〇〇
勇太
ダメだ……また言い出せなかった。
このまま言い出せなかったら……私は一体どうなるのか。不安でしか無かった。
今すぐに昨日見たことをここで話しても撮影は無くなるとこはない。
私は溢れ出そうな気持ちをグッと堪えて、撮影の準備を始めた。
そして、皮肉なことに上條さんがメイクしているその横で勇太のメイクをすることになった。
上條
勇太
下の名前で呼んだ……しかも今日もって何?
何気ない二人の会話ばかりが耳に入ってしまって全然仕事に集中出来ない。
上條
そういうと、わざと勇太の方に近づき私に見せつけるかのようにして寄り添った。
勇太
もうやめてよ……いい加減にしてよ……!?
そう叫びたくなった。
〇〇
手を滑らせて、化粧品のパレットを床に落としてしまった。
〇〇
勇太
上條
パレットを落とした拍子に勇太の足元部分に粉が飛び散りついてしまっていた。
上條
それぐらい自分でできるのに、上條さんは勇太にぴっとりと引っ付き汚れを取っている。
そして、勇太は少し顔を赤くさせて嬉しそうな表情。
私の胸はズキッと痛んだ。
〇〇
勇太
〇〇
勇太
上條
〇〇
そのとき、私の中で何かが切れる音がした。
視界に入ったテーブルのコップを無意識に掴んでいた。
そして、そのコップを女目掛けてぶちまけた。
バシャャ………
上條
〇〇
見ると、女を庇う勇太の姿があった。勇太はびちょ濡れになっていた。
ようやく私は、自分がしたことに気づいた。
勇太
〇〇
勇太
勇太
〇〇
上條
勇太
〇〇
こうなると大体予想はついていたのに……
〇〇
そう一言だけいい現場から飛び出して逃げた。
〇〇
〇〇
みんながいた控え室に荷物を取りに行った。
部屋に入ると、少しだけ勇太の匂いがした。
続く