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扉を開けた先にあったのは

立ち尽くすCの姿と

血溜まりに沈む 50代の男女の姿であった

野嶋隆

な。

神崎隼也

は?

中村雨音

あ。

新城綾香

どういう、こと?

中村雨音

い。

中村雨音

いやあああああ!

神崎隼也

D!
いや、中村。待て!!

中村雨音

誰かああああ!

新城綾香

あ、あ。

神崎隼也は 逃げ惑う中村雨音を追った

私はと言うと、新城綾香と同じく ただ死体と、その2人の姿とを目で追うことしかできなかった

???

……ふん。何を、焦って。

そういったCの方に目をやると 明らかに顔面蒼白であった

手も震えている

私は

私はただ、時が過ぎ去るのを待った

神崎隼也

クソっ。中村はどこだ!

俺は足音を頼りに中村を追った

恐らく 階段を登っていったと思われた

神崎隼也

あんまりいい加減に動くんじゃねえっつの。

神崎隼也

"危ない"かもしれない。

神崎隼也

無事で居てくれよ。中村!

俺は階段を駆け上がり すぐ近くの部屋に入った

神崎隼也

中村!無事か!

中村雨音

あ、あ。

神崎隼也

居た!どこにも怪我はないか?

神崎隼也

何か見つけたりしてないだろうな!

神崎隼也

その、他に変な奴が居たとか、俺たちを攫った犯人がいたとか!!

中村雨音

そ、れは大丈夫。

神崎隼也

本当か。ならよかった。

神崎隼也

でも、いきなり走り出して犯人に見つかったらどうするんだ?

神崎隼也

俺達の安全が保証されているわけではないんだぞ……

中村雨音の視線は一点に止まっていた

雑然とした、やはり荒れた部屋

その机上にでかでかと 赤い不安になる汚らしい字で書かれていた

その文言

神崎隼也

何だよ……これ。

オマエラノナカニ

中村雨音

嘘……嫌だ。

アイツラヲコロシタ

中村雨音

いやあああああ!!

ハンニンガ イル

……頭がクラクラする

いま目の前に起きていること

それが意味していること

考えたくはなかった

…………だが、考えるしかない

生きるために

野嶋隆

………これは殺人だな。

ようやくそれだけ言った

返ってきた言葉は一つだけだった

新城綾香

ええ。この出血量に死体に刺さっているナイフ……紛れもない殺人です。

そうだ 二体の屍

男性の背中には ナイフが突き立てられている

これは、殺人事件だ

???

は、はは。

???

現実でこんなことが起こるなんてね。少しばかり僕は動揺してるみたいだけどこんな時にすべきことはひとつだろ。

???

そうさ警察だ警察いつも無能だけどこんな時は働いてもらわないとねそれが公僕の務めだろう?

早口に捲し立てた青年は 自分のポケットをまさぐり あるはずのないものを探し続けた

???

ない。

???

ない!ないないないない!
僕のスマホは?なぜ?こんなときにかぎってなんで。

新城綾香

落ち着いて、C君。

新城綾香

私達は何者かに拉致された可能性があるって話だったわよね。その時に当然、その犯人が連絡なんかさせないために取り上げているに決まっているわ。

???

……はあ?そんなの、そんなのは不当なことだぞそうだろが窃盗だ泥棒だ訴えてやる

新城綾香

窃盗ね。

新城綾香

でも無駄よ。訴えたいのは山々だけど、スマホを取り上げられて連絡する手段は絶たれてる。それに、見てごらんなさい。

既に落ち着いている新城綾香が ある場所を指した

そのしなやかな指先を辿ると 鎖によって何重にも巻かれてしまっている玄関らしき扉があった

窓は全て 頑丈そうな鉄板で封鎖されていた

到底、出る事は叶いそうにない

野嶋隆

これは、焦っていて気づかなかったな。

野嶋隆

「絶対に逃さない」という、犯人からの声が直接聞こえるようだよ。

震える声で私は意見した

Cは情けない顔でひざまずいた

???

ああ。クソ。

???

帰してくれよ……殺されるのなんて勘弁だ。僕が何したって言うんだ。殺人なんか、殺人なんかミステリの中だけでいいんだよ。

野嶋隆

全く同意見だ。しかし、諦めてはいけない。私達は生き残るんだ、絶対に。

???

生き残るって、どうすれば?

野嶋隆

それを今からみんなで考えよう。
……2名欠けているが。

新城綾香

そうですね。あの2人は大丈夫かしら。心配ね。

野嶋隆

よし。まずはあの2人と合流して、それからこれからの方針を私達で……

ふと、目がとまる

皆の顔を見回す際に 橘真衣と目があった

彼女の目は、何か

何かを訴えていた

新城綾香

……野嶋さん?どうかされましたか。

野嶋隆

ああいや、大丈夫です。

橘真衣

……。

野嶋隆

……2人を、探しに

そこに階段を降りる音がした

見ると2人の姿があった

野嶋隆

神崎くんに中村くん!

新城綾香

良かった。2人とも無事で。

神崎隼也

……ええ。無事です。その、中村の方も怪我とかはないみたいで。

野嶋隆

そうかい。それは良かった中村くん。

そこで私は異変に気がついた

中村雨音はまるで 私達を異境に棲む魔物かのように 見ているのだ

野嶋隆

……中村くん?

中村雨音

いえ、すみません。
神崎くんが言ってる通り、別に怪我とかはないので。

……やはり変だ

まるでよそよそしい 彼女は出会った時から人見知りはしないタイプのようだった

なのに今は……

新城綾香

私達を犯人かのように見るのね、雨音ちゃん。

中村雨音

え?い、いや別にそんなんじゃないです。

新城綾香

神崎くんからもやけに距離が空いてるわ。普通、心配して迎えに来てくれた人に対してはもう少し距離が近いと思うの。

中村雨音

いや、そんなことは意識してなかっただけで。

神崎隼也

中村、あんまり無理しないでいいぞ。

中村雨音

別に、無理なんて……

新城綾香

そうは見えないわよ?それにね、無意識こそ人の心理がよく現れるのよ。正に"警戒"という二文字が目に浮かんでるわ。

新城の言う通りであった

今の中村は 確実に私達を避けたがっている

???

な、なんだお前。
この死体は僕たちが作ったって言いたいのかよ!!

新城綾香

外部犯ではなく、私達の誰か、もしくは私達を怪しむって事は…

新城綾香

何かを見たのね?神崎くん。

神崎隼也

あ、ああ。

野嶋隆

神崎くん。それは何だったんだい?
是非とも教えてくれないか。

神崎隼也

百聞は一見にしかず。

神崎隼也

……とは、よく言ったものですね。
付いてきてください。

そうして私達は階段を上り 上がってすぐの部屋へと案内された

神崎は机上に目配せをした

素直に私はそこへと目をやった……

野嶋隆

何だ、これは。

新城綾香

「オマエラノナカニ アイツラヲコロシタ ハンニンガ イル」ですって。

橘真衣

……。

???

そ、そんな、そんなわけないだろ。

神崎隼也

そう思いたいけどな。

???

そ、そうだ!これはただの悪戯だろ。

神崎隼也

どういうことだ?

???

だ、だからな。
僕たちの中に犯人がいると思わせて、僕たちが慌てふためく姿を見て楽しんでるイカれたやつの仕業に違いないんだ!

新城綾香

だとすると、監視カメラなんかが無いとおかしくないかしら。まさか、今この場に潜んでるっていうの?

???

そ、そうかもしれないだろ。

そうとは思えなかった

雑然としているが とても人が隠れられそうにはないほど丸見えだ

確率は、ほぼ0%だ

野嶋隆

それはないだろうな。この場を見れば。

野嶋隆

ただし、私達以外に犯人がいる可能性はある。慌てる姿を楽しむ頭のおかしいやつなんかじゃなく、別の目的を持った犯人が何かワケがあってこんなことを……

神崎隼也

野嶋さんに"ある程度"賛成です。これだけ騒いでも犯人は一向に現れません。俺たちを拘束してないことからも確かですが、どうやら犯人はただ俺たちを殺そうとしているわけじゃないらしい。

???

じゃあ、その目的って何だよ。
人を殺す時点で、頭のおかしい奴に違いないんだよ!!

新城綾香

Cくん、そうとは限らないわ。殺人なんて、誰しもが起こし得ることよ。

???

……は?

新城綾香

情動なんて、いつどんな時に爆発するか分からない。それが激しくあろうと、静かであろうと、止められないものってあるのよ。

???

けっ。そんなのは猿だ。理性の欠片もないじゃないか。猿のやることなんだよ。

新城綾香

いいえ、理性に基づいた行動よ。貴方の大好きな知性という言葉……この知性があっての殺人なんて、幾らでもあるしむしろそれがほとんどよ。

野嶋隆

新城さん?

新城綾香

あら、すみません。私、心理学が好きで、専門じゃないんですけど少し知ってるんです。お喋りが過ぎたわね。

野嶋隆

そう……ですか。

そういう彼女の様子に 私は少し不信感を覚えた

………楽しんではいないか

まさか、彼女は愉快犯なのか?

神崎隼也

皆さん、とりあえずは中村が怪しむ理由にも納得していただけましたか?
俺も、悪いけど完全に皆さんを信用できたわけじゃないんです。

神崎隼也

むしろ……。

野嶋隆

神崎くん、どうしたんだい。

神崎隼也

むしろ、俺たちの中に犯人は確実にいると思うんです。

いとも簡単に出たその言葉は

とても難解に響き 上手く言葉を呑み込めなかった

???

な、な、な、何を言い出すんだ。

新城綾香

やっぱりまだ何かあるのね?
そうだと思ったわ。

新城綾香

さて、その理由……話してくれるかな?雨音ちゃん?

中村雨音

え……。

新城綾香

ね?

中村雨音

は、はい。ちゃんと、話します。

中村雨音

今から、ほんの10分前くらいのことです。

そして 中村の口から語られた事実

それは予感していた通り

不吉なものであった

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