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1月4日、木曜日

すうあ達が温泉へ女子会旅行を楽しんでいる頃

幼稚園には、彼女らの子供達と旦那達が続々と集まってきていた

Ep.35 男子会水を添えて

四宮 祐希

あー!!

四宮 祐希

こうくんっすー!!

玄関から入ってきた絋を、祐希が満面の笑みで指差す

四宮 抱羅來

こら、祐希

四宮 抱羅來

人に指を差しちゃダメだよ

四宮 祐希

わかったっすー!

松澤 絋

ゆうきくん!おはようー!!

四宮 祐希

おはようっすー!!

2人はブンブンと手を振り合う

松澤 彰杜

四宮さん!おはようっす!

絋の背後からは父親である彰杜が入ってくる

四宮 抱羅來

おはようございます、松澤さん

ガラガラ、と教室の扉を開けると、そこには先客がいた

吹雨希 悠穂

あ、四宮さんに松澤さん〜

吹雨希 悠穂

おはようございます〜

悠穂と、その子供の秘咲、ゆうだ

吹雨希 ゆう

ぶぅぅぅ〜ん

ゆうは車を前後に転がして遊んでいた

対照的に秘咲は、机に向かい、静かに宿題をしている

四宮 抱羅來

おはようございます、吹雨希さん…

四宮 抱羅來

お早いですね

吹雨希 悠穂

ま、カギ持ってるの俺だけなんでね

松澤 彰杜

それもそっしたね!

吹雨希 悠穂

それより、今日も寒いですよね〜

吹雨希 悠穂

何か暖かいもの飲みます?

吹雨希 悠穂

コーヒーとかココアとか…あ、紅茶もあるかも

悠穂が声をかけると、抱羅來と彰杜は少し考えて言う

四宮 抱羅來

では、僕はコーヒーでお願いします

四宮 抱羅來

……あ、ブラックで

松澤 彰杜

俺は紅茶でお願いするっす!

松澤 彰杜

砂糖多めで!

吹雨希 悠穂

了解です!

悠穂は給湯室へと向かい、抱羅來と彰杜は子供達に荷物を仕舞うよう指示する

四宮 抱羅來

さあ、祐希、桜、荷物を仕舞おうか

四宮 祐希

はーいっすー!

四宮 桜

う、うん…

松澤 彰杜

絋と友紀も仕舞おうね

松澤 絋

わかったー!

松澤 友紀

うん…

ガラガラ

再び扉が開くと、赤ちゃんを抱えた男性が入ってくる

祥氷 蒼

おはようございます…

松澤 彰杜

お、祥氷さん!

松澤 彰杜

おはようっす!

四宮 抱羅來

おはようございます

祥氷 蒼

どうも…あれ?悠穂は?

蒼は部屋を見渡した

松澤 彰杜

吹雨希さんなら、飲み物作ってるっす!

祥氷 蒼

なるほど

3人が話していると、悠穂が教室に戻ってくる

吹雨希 悠穂

あ、蒼だ

吹雨希 悠穂

飲み物4人分作っといて正解だった〜

吹雨希 悠穂

ココアでいいよね?

祥氷 蒼

あ、うん、大丈夫

悠穂は大人達を机まで誘導し、席に着かせると、作ったばかりの飲み物を置いていく

四宮 抱羅來

ありがとうございます

松澤 彰杜

ありがとっす!

祥氷 蒼

ありがとう

4人が各々飲み物を飲んでいると、再び扉が開く

ガラガラ

目慈悲 律

すみません!!遅れました!!

目慈悲 柑夏

かんなとうちゃくだねぇ〜

目慈悲 柑夏

そうだねぇ〜

目慈悲 律

こら柑夏、ごめんなさいが先だろ

息を切らしながら入ってきた律と、その娘の柑夏に、悠穂が近付く

吹雨希 悠穂

律くん達はわざわざ遠くから来てもらってるんだし…

吹雨希 悠穂

そんなに気にしなくてもいいよ

吹雨希 悠穂

それより寒かったでしょ?

吹雨希 悠穂

何か飲みたいのある?

目慈悲 律

んじゃあ…紅茶で

吹雨希 悠穂

おっけーい

悠穂が給湯室へ向かうと、蒼が柑夏に近付く

祥氷 蒼

柑夏ちゃん、お荷物仕舞って、みんなと遊ぼうか

目慈悲 柑夏

みんなとあそびたいねぇ〜そうだねぇ〜

柑夏は荷物をロッカーへ仕舞うと、既に遊んでいた子供達の元へ向かう

子供達は集まって積み木で遊んでいる

床いっぱいに広げられている積み木は様々な形を作っていく

四宮 祐希

おれ、これでドーナツつくるっすー!

松澤 絋

おれはおしろー!

吹雨希 ゆう

おれはくるまつくりゅ!!

カチャカチャと木のぶつかる音が響く

教室に男の子達の賑やかな笑い声が満ちていく

目慈悲 柑夏

かんなはおえかきするねぇ〜

目慈悲 柑夏

さくらちゃんも、ゆきちゃんも、いっしょにおえかきしようねぇ〜

目慈悲 柑夏

そうだねぇ〜

四宮 桜

う、うん…おえかき…する…

松澤 友紀

わたしも…する…

女の子達はお絵描きをして楽しんでいた

一方、1人だけ小学生の秘咲は変わらず宿題を進めていた

吹雨希 秘咲

……ようちえんの子たちは元気そうですね

そして1時間ほどが経過して

1人がぽつりとつぶやく

吹雨希 ゆう

つみきあきた……

そんな声を聞き、同様に積み木で遊んでいた2人も飽きを感じる

四宮 祐希

おれもあきてきたっす…

松澤 絋

おれも…

松澤 彰杜

え、飽きたって……

松澤 彰杜

帰るまであと5時間もあるのに、どうするの?

彰杜が子供達に問うと、子供達は少し考えて口を揃えて言う

四宮 祐希

こうえんいきたいっすー!

松澤 絋

こうえんいきたーい!

吹雨希 ゆう

こうえーん!!

松澤 彰杜

……

松澤 彰杜

公園…か……

松澤 彰杜

こんなに雪が積もっている日に…

彰杜は呆れつつ、子供達の怪我を心配してか顔が引つる

そこで、悠穂が手をパンっと叩きながら言う

吹雨希 悠穂

いいじゃん、公園

吹雨希 悠穂

雨月広場に行ってさ、ソリとかしようよ

そこに蒼も便乗する

祥氷 蒼

確かに、雨月広場なら、花森公園より広いし、存分に遊べるかもね

大人達のその会話を聞いて、子供達は目を輝かせる

四宮 祐希

うづきひろばいくっすかー?!

松澤 絋

わーい!

松澤 絋

おれ、うづきひろば、たのしいからすきー!!

吹雨希 ゆう

ぼくもー!!!

子供達は雨月広場に行きたいと口々に叫びだす

四宮 抱羅來

桜と柑夏ちゃんと友紀ちゃんも公園行く?

抱羅來は絵を描いている3人に声をかける

目慈悲 柑夏

こうえんねぇ〜たのしそうだねぇ〜

目慈悲 柑夏

いきたいねぇ〜そうだねぇ〜

四宮 桜

か、かんなちゃんがいくなら…いく…

松澤 友紀

わ、わたしも…いく…

吹雨希 悠穂

秘咲はどうする?

吹雨希 秘咲

ぼくも行きます

吹雨希 秘咲

ちょうど宿題もキリがついたので

吹雨希 悠穂

うん、わかった

四宮 抱羅來

それじゃ、準備しようか

四宮 抱羅來

外は寒いから、上着や手袋も忘れないでね

四宮 祐希

はーいっすー!

松澤 絋

わかったー!

大人も子供も、厚く着込んで雨月広場へと出発する

吹雨希 悠穂

はーいみんなー、乗って乗って〜

悠穂はバスの運転席から案内する

松澤 彰杜

うお…

松澤 彰杜

吹雨希さんバス運転できるんすか?!

吹雨希 悠穂

まあ、幼稚園の行事に付き合ってバス出すこともあるから、免許取ったんだよ

四宮 抱羅來

すごいですね…

祥氷 蒼

だって悠穂、すうあの幼稚園でやることを手伝えるように在宅の仕事にしてるもんね

吹雨希 悠穂

んー、まあそうだけど…

松澤 彰杜

うわぁー!

松澤 彰杜

ラブラブっすね!

四宮 抱羅來

羨ましいですね…

四宮 抱羅來

うちなんてアスカが自由気まますぎて猛獣を飼ってる気分で…

祥氷 蒼

あぁ…

祥氷 蒼

目に浮かびますね…

4人が話しているうちに、子供達はバスへ乗り込み、シートベルトを装着していく

吹雨希 ゆう

ぼくばすぶんぶんする!!

ゆうは運転席へ行こうとしており、律が引き止めていた

目慈悲 律

ゆうくんにはまだ早いかなー?!

目慈悲 律

お兄ちゃんの隣で座ろうねー!!

吹雨希 秘咲

ほら、ゆう、こっちに座ってください

吹雨希 ゆう

やだ!ぼくぶんぶんするのー!!

目慈悲 律

ゆうくんはぶんぶん早いからねー!!

目慈悲 律

お兄ちゃんの隣で座ってねー!!!

ちょっとしたトラブルもありつつ、雨月広場に到着する

広場には、まるで白い絨毯かのように雪が積もっている

踏みしめるたび、ギュッギュッと小気味いい音がしている

四宮 祐希

あっちもこっちもゆきいっぱいっすー!!!

松澤 絋

なにするかまよっちゃうー!!

建物や電柱などで邪魔されることのない広場の雪に興奮する子供達

その横では大人達がソリを準備している

悠穂、律、彰杜の3人は坂道を登り、大声で子供達を呼ぶ

松澤 彰杜

おーい!

目慈悲 律

ソリ滑りたい子はおいでー!

吹雨希 悠穂

早い者順だよ〜!

松澤 絋

そりすべり?!

四宮 祐希

やりたいっすー!

吹雨希 ゆう

ぼくもー!!

目慈悲 柑夏

かんなもやりたいねぇ〜

目慈悲 柑夏

そうだねぇ〜

ソリ滑りを目的に坂道を登っていく子供達の傍ら

四宮 桜

そ、そりはのりたいけど…さかみちはこわい…

松澤 友紀

わ、わたしも…

四宮 抱羅來

二人はゆっくり滑ろうか

四宮 桜

うん…!

松澤 友紀

うん…

松澤 彰杜

行くぞー!

彰杜はソリに座っている祐希の後ろに座り、祐希が投げ出されないよう腕を回す

二人を乗せたソリは重みで勢いよく雪原を滑っていく

四宮 祐希

わー!!

四宮 祐希

はやいっすー!!!

祐希の歓声と共に雪煙が舞い上がる

松澤 絋

うわー!!たのしそー!!

見ていた子供達も歓声を上げた

吹雨希 悠穂

よし、次絋くん滑ろうか

松澤 絋

わーい!!

吹雨希 ゆう

ぼくはー?!

目慈悲 律

ゆうくんは次な

順番にソリを滑っていき、坂の下では桜や友紀が抱羅來達とのんびりソリを引いて遊んでいる

一通り雪遊びを楽しんだ後、親子たちは幼稚園へと戻る

松澤 彰杜

材料買ってきたっす!

四宮 抱羅來

こんな感じで大丈夫そうかな?

彰杜と抱羅來は、夕食の材料の買い出しを終え、幼稚園に戻ってくる

それを受け取った蒼と律は中身を確認する

祥氷 蒼

うん、いいと思う

目慈悲 律

これなら結構な量作れそうだな

二人は調理場へと向かい、他の人たちは引き続き遊びを続ける

四宮 祐希

あのひとたちなにつくるっすかー?

祐希は蒼達を指差しながら問う

四宮 抱羅來

こら祐希、指差しちゃダメだよ

四宮 抱羅來

あの人たちは夕飯を作ってるんだよ

松澤 絋

おゆうはん?!

松澤 絋

きょうのおゆうはんなあに?!

松澤 彰杜

それは出来てからのお楽しみ!

松澤 絋

えー!

待つこと数時間後

教室で遊んでいた子供達と親達のもとへ夕飯が届けられる

祥氷 蒼

おまたせ

祥氷 蒼

夕飯できたよ

目慈悲 律

今日の夕飯はおでんでーす

教室中にだしの匂いが香る

目慈悲 柑夏

いいにおいだねぇ〜

目慈悲 柑夏

そうだねぇ〜

松澤 友紀

お、おいしそう…

子供達も大人達も、おでんを食べ、体を温めて冬の1日を過ごすのだった

目慈悲 律

……想像以上に…余ったな

祥氷 蒼

これは、持って帰るしかないね…

次の日、各家庭での昼食がおでんだったことは……

また別の話である

恋を、感情を、教えてください〜第4幕 幼少期〜

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