ねぇねぇ
誰なの?
私の心を
半分しかくれない。
私の大切ななにかを
いつも奪ってゆく。
先生
友達
両親
あの日から
私を見る目が変わった。
どこまでもどこまでも
氷のように冷たい瞳。
思い出すだけで
吐き気がする。
黒色の椅子に腰掛ける。
震える手で
淡い水色のノートを手に取り
今日の日記を綴る。
日記と言うよりは
憎いキミとの
交換ノートとでもいえばいい?
5月25日
私から
これ以上奪わないで
私を私にして
お願いだから
私から出てって
なぁなぁ
誰なんだよ
俺は俺なのに
もう1人陰に隠れた
俺じゃない俺がいる
朝目覚めて
窓から差し込む
暖かい光を感じる権利を与えられるのは
俺じゃない時もある
遠いようで
ずっと近く
近いようで
ずっと遠く
決して
出逢うことはない。
ぱっと目に付いたのは
淡い水色のノート。
後ろの方のページを開くと
明らかに俺の字ではない
"あいつ"の文字
またか………。
俺への悪口しか
見たことがない
全く。気がめいる
不満を抑えきれず
結局は俺もあいつの悪口を書く
P.S. お前へ
俺だって嫌だよ
お前なんか
いなくなれば
良かったのに
俺は
俺の人生を
俺として生きたかったよ
ペンを置く
後から後から
なんとも言えない
真っ黒な罪悪感と
嫌悪感が
俺を襲う
俺の時間が
一生続けばいいのにな
そう思った時には
もう俺は
あいつになっていた
ℯꫛᎴ
コメント
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初の物語投稿になります。真白さやです。 今回は二重人格をテーマとしたお話を書きました! 主人格の女の子と裏人格の男の子。 両方の思いを交換ノートを通して表すことができたかなと思います。 🎨🍀