テラーノベル
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かきあげ
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夢愛
48
ruruha
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季節はあっという間に秋を迎えた
教室の中の空気は 一変して重く張り詰めていた
周りは今まで以上に血相を変え
一生懸命勉強している
もちろん
あの子も例外ではなかった
あの子が勉強する時間が 長くなっていく度
僕たちが視線を交わす機会は 自然と短くなっていった
そして
僕にもまた
旅立ちの時がやってきた
出発の日の夕方
僕はいつも通り 最後に学校に立ち寄った
どの教室も電気が消え
生徒たちもみんな帰っていった
教室には誰もいない
__あの子を除いては
いつもの教室
あの子は1人で残り
必死にペンを動かしていた
ノートが黒くなっていく
その必死な姿が なぜかとても美しく見えた
なにかのために一生懸命な姿は
僕たちの旅路と似ている気がした
僕がその様子を眺めていると
あの子はふと顔を上げ
こちらに気づいて窓を開けた
久しぶりに目が合った
あの子は少し疲れた顔で微笑み
僕を見つめた
あの子
あの子が口を開いた
あの子
あの子
少し寂しげで
力強い声
僕はあの子の言葉を受け止め
小さく応えてみせた
あの子も嬉しそうに何度も頷いた
じゃあ、またね
2人でそう言った
僕が学校を後にする時
あの子が手を振った
その姿を目に焼き付けて
僕はまた旅に出た
コメント
4件
次回 最終話!
行っちゃうのですか… また会えますかね…?会えるでしょう…!きっと!
ああ、もう秋が来たんですね…。第1話から追っていると、この静かな別れの空気が沁みます。受験に集中するあの子と、主人公の旅立ちが重なるタイミングの取り方が絶妙でした。「ノートが黒くなっていく」という一節が、彼女の必死さをストレートに伝えてきて、読んでいて胸が締め付けられました。 「久しぶり」という台詞、たった一言なのに、二人の間に確かにあった時間の隔たりを感じさせて切なかったです。でも「またね」と言い合えたことが救いですね。次の旅立ちがどんな季節なのか、続きが気になります。