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琴葉

…テクテク

椿が死んで数日が経った

あの日から私は変わった

何も手に付かないわけじゃない

だけど、あの日のことがフラッシュバックする

何度も何度も…

永琳

あら琴葉、来ていたのね

琴葉

…はい

今日は永琳さんに呼ばれて永遠亭に来ていた

永琳

今日はありがとうね

琴葉

…なんで、呼んだんですか?

永琳

そうね、少し来てくれるかしら

琴葉

、?

そう言って連れられたのは 一つの病室

琴葉

ここは‥

永琳

椿がいた病室よ

琴葉

…どうして私を?

永琳

…貴方に、これを渡そうかと思ってね

琴葉

…?

永琳さんがそう言って渡してきたのは 一通の手紙

琴葉

これは…

永琳

椿から、貴方へよ

琴葉

……

永琳

それじゃあ、私はやることがあるから

永琳

ゆっくり読んで頂戴

永琳

ガラッ、バタン

琴葉

……

手紙には

『 琴葉 』

その一言だけがあった

私はその手紙を、ゆっくり開く

琴葉

え…?

私は手紙の内容に衝撃を受けた

『 琴葉 』

今これを見ているのが琴葉であることを願って、これを書く

まず、これは琴葉が知らないことだ

琴葉は、母親のことを覚えているか?

琴葉

ママの…こと、?

俺は一度、琴葉の母親に会ったんだ

その時に聞いたことがある

俺の能力

琴葉にはまだいなかったな

俺の能力は 「華を使役する程度の能力」

琴葉

華を…使役‥?

この能力は、琴葉の母親のものだ

その中に一つ、あるスペルがあった

刻華「黒く染まった呪い華」

琴葉

…!

そのスペルは、椿が最後に使ったスペルだった

これは、琴葉の母親に教えられたスペル

琴葉

ママから、?

それは俺にとっては都合がよかった

それは、自分の命を代償にするスペル

琴葉

命を…代償に…

それと、琴葉

俺に隠していたことがあるだろう?

琴葉

ピクッ

私は驚いた

だけど、違うことかもしれない

そう思ったけど

ずっと気付いていない振りをしていた

だが、もう今更だよな

最期なんだから

琴葉、お前の気持ちに見て見ぬ振りをしていてごめんな

でも、もう長くない身だったから

そんなので琴葉に応えてやる自信が なかったんだ

もう遅いことはわかってる、けど

せめてもの罪滅ぼしかもな

琴葉、俺を好きになってくれてありがとう

愛してる

『 椿 』

琴葉

ポタッ…ポタ

気がついたら、最後の文字が 涙で滲んでいた

琴葉

なんでよ…(涙

琴葉

今更気付いても遅いよ…(涙

琴葉

今言われても…いないんだったら

琴葉

そんなの…悲しいだけだよ…(涙

琴葉

返事もできないじゃんか…(涙

琴葉

椿の馬鹿ぁ…(涙

永琳

………テクテク

永琳

…渡してきたわよ

ありがとうね、永琳

永琳

別に私じゃなくても、紫や幽々子

永琳

何ならエレンでもよかったじゃない

エレンは琴葉に会いにくいって言ってたじゃない

永琳

どのみち会うことになるんだから…

まあまあ、あの子なりに思うことがあるのよ

永琳

そうなのかしらねぇ…

命の灯火が消えるまで__。(別)

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