和也
耳元で囁かれてなんだかくすぐったい
ニノの心臓の音が響いてくる。
…すっごく、早い
咲羅
和也
咲羅
和也
って耳元で呟くニノの声は悲しそうで
告白をなかったことにしようとしてた自分が最低だって
さっきの行動を後悔する。
和也
私を抱きしめた状態でニノは続ける。
和也
咲羅
和也
私の肩に回された腕の締め付ける力が強くなる。
なんて答えたらいいかわからない
私はニノのことをそんな風に見たことないからわからない
ただただそうやって固まっていた。
ニノもなにも答えずじっと私を抱きしめていた。
そしたら
雅紀
今1番会いたくない
1番聞きたくない声が聞こえた。
咲羅
雅紀は暖かそうなアウターにマフラーを巻いて不思議そうにこちらを見ていた。
咲羅
雅紀
少し怒っているような雅紀。
ズンズンこちらに近づいてくる。
雅紀
和也
ニノもなんだか口調がきつくなる。
ピリピリとした空気が漂っていて居心地が悪い。
雅紀
和也
さらに雰囲気が悪くなった。
雅紀は何か言いたげな表情のまま近づいてきて
雅紀
私の手を取って歩き出す。
ニノはなにも言わずにこちらを見つめていて
それを無視するように雅紀は歩き続ける。
和也
雅紀が自転車にまたがったくらいの時に急に話し始める。
雅紀はそれにも反応せずに私に後ろに乗るよう急かした。
和也
咲羅
和也
ペダルに足をかけて踏み出そうとしていた足が止まる。
少し考えてから雅紀はニノの方を向いて
雅紀
それだけ言い残して自転車をこいだ。
ぐんぐんスピードが上がっていく。
…大切な人
うれしいはずなのに
本当なら飛び跳ねるくらいうれしいはずなのに
彼女がいる雅紀にとっての私は
大切な人じゃなくて大切な幼馴染。
雅紀の家に着くまで雅紀は一言も話さなかった。
自転車に降りて部屋に着くまでもなにもしゃべらなくて。
だけどずっと手だけは握られていた。
部屋に入ってもそれは離されなかった。
そのまま寝室へ行って
勢いのまま2人でベッドに飛び込んだ。
咲羅
ベッドに飛び込むなり抱きしめられる。
抜けようとしても抜けられない。
ぎゅうってこれでもかってほどに締め付けられる。
咲羅
こんなことするのが不思議で
相手を間違っているんじゃないかって
雅紀
咲羅
急に話し始めた雅紀に驚く。
雅紀
…なにそれ
わけわかんない
なんで?
なんで好きじゃないのにそんなことするの?
私の気も知らないで
私は好きだからそんなことされるとうれしいし
されたいなって思う
だけど雅紀は?
そうじゃないはずなのになんで?
疑問はどんどんつのっていくし
胸だってすごく苦しくなる。
だけどなんだか聞いちゃいけないようなそんな気がした。
雅紀
しばらく経ってから私の頭をなでながら不安そうに聞く雅紀。
咲羅
雅紀
少し安心そうに息を吐く雅紀。
咲羅
雅紀
咲羅
雅紀
こんなの雅紀が私のこと好きだって言ってるようなものだよ。
付き合ってるの?っ不安そうに聞いて
付き合ってないって言ったら安心して。
告白されたって言ったらなんて答えたのって。
…雅紀がわかんないよ
咲羅
雅紀がどんな反応するのか試してみたくて
答えなんて出てるくせに迷ってるなんて嘘をついてみた。
雅紀
やっぱり不安そうに言う雅紀は
明らかにため息が多いい。
咲羅
雅紀
咲羅
雅紀
またこんなことを言う。
なんで?
どうしてなの?
なんでそんな思わせぶりなことばかり言うの?
咲羅
雅紀
咲羅
私の頭を優しく撫でていた手が一瞬止まる。
雅紀
でた
幼馴染
またこの言葉に苦しめられるなんて嫌だよ
咲羅
…やばい
今までの疑問が爆発しちゃいそう
咲羅
口調がきつくなる。
雅紀は黙ったまま。
咲羅
雅紀
咲羅
興奮しちゃった私は思ってもないことを口走ってしまった。
咲羅
そのまま雅紀はなにもしゃべらないまま
私もそれ以上はなにも言わないまま
お互いいつのまにか眠りについてしまった。
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おおちゃんℓσνєさん治りましたか?
治りましたか?
おおちゃんℓσνєさんわかりました!