竜胆
蘭
蘭
竜胆
蘭
そう言って兄貴はニヤニヤ笑った。
竜胆
蘭
竜胆
竜胆
蘭
竜胆
蘭
竜胆
蘭
竜胆
そうやって俺が兄貴の背中を追いかけようとした時___
ブーーッ!!!
竜胆
俺に向かって居眠り運転をしているトラックが突っ込もうとしてきた。
前ではトラックに気づいた兄貴が珍しく焦った顔でこっち走ってきていた。
俺は動こうとしたが"死"を目の前にして体が思うように動かなかった。
でも何故かその時は時間がゆっくり流れているように思えた_。
俺が目を開けたら、目の前にはこちらにスマホを向ける人や悲鳴を上げてる人が居た。
兄ちゃん…兄ちゃんはどこ、…?
兄ちゃんを探そうとしても体が動かない。力が入らないの方が正しいかもしれないけど。ふと視線を地面に移すと血がべっとり着いていた。
でもなぜか全く痛くない。
竜胆
自分の体を無理やり動かせて体を起こす。
蘭
竜胆
蘭
そこにはトラックに積んであった明らかに重そうな荷物に腹ぐらいまで下敷きにされて血塗れの兄貴が居た。
その隣には俺の足が荷物と地面の間に挟まっていて
その瞬間、全てを理解して。絶望した。
竜胆
恐らく兄ちゃんは俺が轢かれる直前、俺を突き飛ばして守ってくれた…だから俺は兄ちゃんみたいにならなくて済んだけど俺は片足だけ巻き込まれてしまったんだろう。
兄ちゃんを助けようと動こうとすると、急に今まで感じなかった激痛が俺を襲った。
竜胆
蘭
そう言って兄ちゃんは俺の手を握った。
どうして、 兄ちゃんの方が痛いはずなのに 苦しいはずなのに 俺ばっか心配すんだよ。
そう考えているとだんだん俺も意識が薄れてきて…最後の力を振り絞って兄ちゃんを抱きしめた。
その瞬間救急車のサイレンの音が聞こえ、俺も兄ちゃんも目を閉じた__。
小さい頃の夢を見た。
懐かしくて暖かい……そんな夢。
竜胆 5歳
俺がブランコから滑り落ちて大泣きしてる時、兄貴が前から歩いてきて
蘭 6歳
蘭 6歳
そう言って手を握って頭を撫でてくれた。
竜胆 5歳
蘭 6歳
竜胆 5歳
蘭 6歳
竜胆 5歳
そう言って俺は兄ちゃんの背中に乗った。
俺より大きい背中
すごくあったかくて、安心して
蘭 6歳
竜胆 5歳
蘭 6歳
何時も俺には優しかった兄ちゃん。
竜胆 8歳
竜胆 8歳
俺が8歳の頃道の途中で不良に絡まれてボコされそうになった時だって
不良
不良
不良が拳を振り上げる
竜胆 8歳
蘭 9歳
不良
不良
蘭 9歳
蘭 9歳
そう言う兄ちゃんの目には光がなくて、本気で怒ってるように見えた。
不良
不良の言葉を遮るように兄ちゃんが不良のみぞおちを殴った。
不良
竜胆 8歳
蘭 9歳
蘭 9歳
そう言って兄ちゃんは俺にニッコリ笑った
その後の事はハッキリとは覚えてない。 ただ返り血まみれの 兄ちゃんが俺の手当をしてくれたのはうっすらと覚えている。
俺はずっと兄ちゃんに助けられて生きてきた。
竜胆
気が付くとそこは知らない天井で、そこが病院のベッドだと理解するのに時間がかかった。
竜胆
起き上がると頭が痛くて、不意に横に置いてあった鏡を見た。
竜胆
そこには頭と足を包帯で巻かれた自分の姿が映っていた。
竜胆
竜胆
竜胆
今までぼーっとしていた為、ようやく状況を理解し始めた俺の頭は一緒に轢かれて俺より重症なはずの兄ちゃんの事でいっぱいだった。
痛む体に鞭を打って、俺がベッドから出ようとすると奥から足音が聞こえた。
看護師
看護師
看護師
竜胆
看護師
医者
医者
竜胆
医者
竜胆
俺は思い切って兄ちゃんの事を聞いた。
竜胆
医者
竜胆
医者
竜胆
看護師
竜胆
俺は必死に頼んだ。どうしても兄ちゃんに会いたい。 また兄ちゃんの顔がみたい。
医者
医者
看護師
医者
看護師
看護師
そう言って看護師は走っていった。
竜胆
医者
医者
竜胆
でも兄ちゃんは生きている。それだけで嬉しかった。
しばらくすると車椅子を持ってきた看護師が病室に入ってきた。
看護師
医者
医者
竜胆
医者
竜胆
そうして俺は車椅子に乗った。
医者
竜胆
兄ちゃんの病室へと先生が俺の乗っている車椅子を押してくれている時の事
医者
竜胆
図星だった。 俺は今まで兄貴の真似をして敬語を使った事が無い。小学校の時だって先生にはタメ口だった。その為敬語を使うのは初めてだし、苦手だった。
竜胆
医者
医者
医者
医者
竜胆
医者
竜胆
先生は俺を見て優しく笑った
竜胆
蘭
ベッドで寝ている兄ちゃんは凄く痛々しかった。下半身には包帯で巻かれていて、呼吸器も付けていた。顔だって傷だらけで
竜胆
視界がぼやける
竜胆
医者
先生は凄く申し訳なさそうな顔をしていた。
竜胆
遂に俺の頬に涙が流れ落ちた。
蘭
それでもやっぱり兄ちゃんが目を覚ますはずなくて
医者
竜胆
医者
医者
医者
竜胆
兄ちゃんとの思い出が俺の頭を埋め尽くす。
竜胆
竜胆
竜胆
兄ちゃんに語りかけ始めてから20分程経った頃
医者
竜胆
涙でぐちゃぐちゃの顔。
そんな俺の顔を見た先生が
医者
竜胆
医者
そう言って先生はニコッと笑った。
竜胆
医者
竜胆
そう言いながら俺達は病室を去った。
ゆず
ゆず
ゆず
ゆず
コメント
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んはぁぁぁぁぁ…好きだ……ほんとにガチで好き