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アヴァロンから元の世界へ帰還したのは、それから間もなくだった

ライトに頼み、ゲートを自室に繋げてもらった

時間を確認してミカはとても驚いた

ミカ

あれ!?授業始まる前と時間変わってない!?ライト、これってどういうこと!?

ライト

アヴァロンは常世の楽園。こちらの世界の時間の流れとは異なります

ライト

それより…まさかマーリン様まで行方しれずとは

ミカ

そっか、ママと一緒にアヴァロンを離れていたから知らなかったんだ

ライト

その通りでございます

ミカ

おかしくない?ママはマーリンの弟子だったんだよね。関係の深い二人がどちらも、行方不明になっちゃうなんて

ライト

まことに。何か関連があると考えてもおかしくはないです

うーん、とミカとライトは腕組みをした

姉ちゃん!ご飯!

部屋の外から涼の大声が響いた

ミカ

はーい、今行く。ライトも食べる?

ライト

魔法を知らぬ方の前で実体化すれば驚かせてしまいます。行ってらっしゃいませ

ミカ

じゃあ、待っててね

机の上にスマホをおいてミカは、階下へおりる

みんな

ハッピーバースデーミカちゃん!

ダイニングに行くと、クラッカーとたくさんのお祝いの言葉で迎えられた

テーブルに座っているのは奈美ちゃんだけではなく、小説家の奈美ちゃんを手伝うアシスタントさんたちもいた

ミカ

あ、えっと、あ、ありがとう

ミカ

うわあ、お料理すごい

テーブルには、チキンの丸焼き、唐揚げ、ハンバーグ、海老フライ、魚介のちらし寿司や巻きずし、クリームパスタやトマトパスタ、グラタン、サラダ…いっぱいのごちそう

ど真ん中には、ろうそくをたてた大きな大きないちごのケーキ!

ミカ

ねえ、これ全部なみちゃんがつくったの?

奈美

もちろんっ!って言いたいところだけど…

奈美

アシスタントさんたちに手伝ってもらっちゃった!

アシスタント1

手伝う〜?

アシスタント2

先生、パスタ茹でただけじゃないですか

アシスタント3

唐揚げの味見ばっかりするし

アシスタント1

海老フライもです!

奈美

ま、まあまあいいじゃん!みんなのおかげってことで!

俺も部屋の飾り付けしたぜ!

アシスタント2

涼くんえらい!

アシスタント3

先生と一緒になってつまみ食いしてたけど

そ、それはいうなよ〜。ああ、腹減った!

ミカは思わず噴きだす

ミカ

(ママも食べ切れないほどごちそうをならべてくれたっけ…)

ミカはママがつくる黄金オムライスを思い出す

普通のオムライスは、中身がチキンライスで、デミグラスソースをかける。だけどママのは少しちがった

エビピラフを金色のオムレツで包み、チーズを入れたホワイトソースをかける。とろとろふわふわ、濃厚クリームでとっても美味しい

ママはリクエストに答えてオムライスを作り、こういってミカの前に出してくれた

「ミカ。私の宝物。誕生日おめでとう!」

ママのオムライスを懐かしく思いつつ、ミカはみんなにいった

ミカ

みなさん。本当にありがとう!今日はいっぱい食べますっ!

ぺこりとミカが頭をさげると拍手が起こった

ケーキのろうそくに火をつけたぞー

大きな苺のケーキには、13本の可愛いろうそく

奈美

はーい、電気消して。ミカちゃん思いっきり吹きけしてね

ふとその時、鼻先に生臭さかただよった

ミカ

(何この臭い…なんだか、嫌な、獣みたいな…)

______ごう!!

奈美

きゃあ!!

ミカ

わわっ!

アシスタント3

な、なにっ?

家を揺らすほどの強い風が、ダイニングの窓の外を駆け抜けていった

アシスタント2

すごい風だったね。春一番かな?

あれっ…ろうそく消えちゃったぞ

奈美

もう一回つけるよ、ミカちゃん

無事に再点火して、みんなは歌い出す

みんな

ハッピーバースデートゥーユー・・・ハッピーバースデーディアミカちゃ〜ん!ハッピーバースデートゥーユー!

見事にろうそくの火は消えて大きな拍手が起こる

奈美

じゃあごちそうの前にプレゼントね!まずはーこれ!

ミカが手に取ると、ずっしり重い

上にはカードがのっている。差出人は、原達也

ミカ

パパっ!

カードを開くと、パパの角ばった字でメッセージが書かれていた

「仕事で行けないけれど、なみにプレゼントを預けておく。ミカ、誕生日おめでとう。ミカと涼が生まれてきたことが、パパやママにとって一番のプレゼントだよ。来年はきっと、家族全員で祝おうな」

そのメッセージに、ミカは引っ込んだはずの涙がにじんできた

ミカ

(そうだね、来年はママも一緒にケーキを食べるんだ!オムライスも!)

奈美

ミカちゃん、開けてみなよ

なみの言葉に、ミカはパパからのプレゼントを開けた

ミカ

わあ、色々な本がいっぱい。お菓子も…ほしかったゲームも!

奈美

それと、これは私達から、じゃっじゃーん!

奈美ちゃんやアシスタントさんたちが、可愛いワンピースを広げてみせた

ブルーのストライプ柄で、ウエストでリボンを結ぶタイプ

アシスタント1

どう?どう?ミカちゃんのイメージで選んだんだよ!

アシスタント3

当ててみて

ミカ

えー、ちょっと可愛すぎない?

奈美

そんなことないよ!

アシスタント2

似合う、似合う!

アシスタント3

かーわいい!

奈美ちゃんやアシスタントさんたちに褒められて、ミカは照れて顔を赤くする

さっき一瞬だけふいた嫌な風のことなど、もう忘れてしまっていた

その風が、「ジャパウォック」出現の前兆だったなんて、もちろん、このときのミカにわかるはずもなかった。

ミカと魔法と不思議な世界

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