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不思議な出来事があった翌日
仕事を終えた私が 例のお店に着くとそこには───
同じく昨日この店で スクラッチ宝くじを購入し
不機嫌な様子で店を出て行った あの男性の姿がありました。
お互いに挨拶を交わし、男性は お店の中へと入っていきました。
再びこの店に来たという事は、 恐らく彼の口座にも当選金が 入金されていたのでしょう。
しかも───
そして私も再び、 お店の中へと入りました。
店主
店主
店のおじさんは黙ったまま、 私と男性の前に一枚ずつ スクラッチ宝くじを出しました。
店主
店主
疑問に思いながらも私は 出されたスクラッチを削りました。
私が驚いているその横で、 男性が小さく呟きました。
店主
店主
店主
方法は分からないけど
確かに昨日この金額が 口座に振り込まれていた事は事実。
私は再び20万円ものお金を 一瞬で手に入れてしまったのだ。
店主
店主
店主
店主
そう言って 店を出ようとする私達に対し突然
店主
店のおじさんが 声を掛けてきました。
店主
店主
言葉の意味は分かりませんでしたが、 とりあえずそう返事をして 私達はそれぞれ帰宅しました。
仕事が終わる時間が同じなのか
次の日も店に向かうと そこには彼がいました。
お互いに考えている事が 一緒ではあるものの
毎日お金を貰いに来ている所を 見られているというのは 少し恥ずかしい気もします···。
店主
店主
店主
店主
店主
5枚のスクラッチを受け取ると 男性は全てのカードを 削り始めました。
そう言って男性は 店を出て行きました。
店主
店主
出された5枚のスクラッチを 削ってみると───
どうやらこのスクラッチは 一度に複数の購入が出来る、 そして──
購入すれば必ず20万円が貰える
この時、一瞬にして楽々と 100万円もの大金を手に入れてしまった 私の中で
何かが壊れてしまった。
店主
それから、 私の生活はガラリと変わった。
服もバッグもアクセサリーも 全てブランド品。
これまで抑え込んできた欲求が 一気に溢れ出し
少しでも気になった物は とにかく何でも買い
食べたい時に食べたいだけ 高級ディナーを堪能した。
どれだけ使っても お金に困る事なんて無かった。
店主
店主
店主
このお店に来れば 欲しいだけお金が貰えるのだから。
店主
そんな日々を過ごすうちに
お金を稼ぐ為に働く事が 段々とバカらしくなってきて
私は仕事を辞めた。