お母さん
沙彩!
沙彩
何?お母さん
お母さん
…気をつけてね…
沙彩
うん!着いたら、電話するね!
お母さん
うん!行ってらっしゃい!
沙彩
行ってきます!
私はこれから、東京へ上京しに行く。
私の住んでいた場所は田舎の中の田舎って感じの場所だ。
東京に行く前に家の周りを見て回ろうと思ったけど、そんな時間は無く見ることができなかった。
私は今、新幹線の中
キャリーバックを上の荷物置きに置き、一息つこうと外の風景を見た。
私は見えた山を見ながら、こう思った
13年前
沙彩
わーい!悠く〜ん!
悠
待て待て〜!追いついちゃうぞ〜!
舞衣
舞衣は足早いから、悠からもすぐに逃げ切れるよ!
悠
もーう!舞衣を先に捕まえるー!
舞衣
やれるもんならやってみなよ〜!
よく、幼馴染の舞衣と悠くんと鬼ごっこやかくれんぼをして遊んだな
舞衣
舞衣が鬼だから、ちゃんと隠れないと、舞衣がすぐに見つけちゃうよ!
悠
オレは絶対見つかんないもんねー!
沙彩
私も!見つかんないもん!
舞衣
どうだろうね〜?
夏の日
お母さん
沙彩!
お母さん
全く、どうしてお家の壁を壊しちゃうの!
沙彩
お母さん!私、わざとじゃないの!
お母さん
お父さん、凄い怒るわよ?
沙彩
え…嫌だよ〜!
お母さん
じゃあ、どうするのよ〜謝っても許してくれないと思うよ〜
沙彩
え!やだもん!
沙彩
もう知らない!
お母さん
あ、沙彩!
バダッ!
沙彩
グ、グスン…
沙彩
うわ〜ん!
悠
どうしたの〜?沙彩ちゃん
舞衣
沙彩?どうしたの〜?
沙彩
私、お家の壁壊しちゃったの…
沙彩
自転車に乗ってたら、ぶつかっちゃって…
舞衣
それは、沙彩が悪いんじゃないの?
沙彩
私、わざとじゃない!悪くないもん!
悠
沙彩ちゃん、一回、お母さん達に謝ったらいいんじゃないかな。
沙彩
え?
沙彩
沙彩が謝るの?
悠
うん。お家の壁を壊したのは沙彩ちゃんなんだし、やっぱりわざとじゃなくても謝ったらお母さん達も許してくれると思うよ。
沙彩
うん…やってみる…
沙彩
お母さん…ごめんなさい…
お母さん
沙彩…
お母さん
謝れる子に育って良かったわ。
お母さん
もういいわよ。
沙彩
お母さん!ありがとう!
舞衣ちゃんや悠くんが教えてくれたおかげで、私はちゃんとお母さんに謝ることができた。
そして、毎日のように、ダルマさんが転んだ、鬼ごっこ、かくれんぼやおままごと…
たくさんたくさん、幼稚園が終わってから、毎日のように遊んだ。
そして、毎日のように遊んだ場所、それは、
私にとって思い出だらけの、家の前にある小さな公園だった