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主。
主。
主。
主。
Atに指定された夜会の日、夜にやってきたオレを見てAtは笑った
At
Mz
Atの言葉にそう返事をして彼の元へ向かうと、 彼はくるっと近くの椅子を回してオレが座る場所を指し示した
At
Mz
Atはオレが椅子に座ったのを確認すると、 いくつか道具を取り出してオレの髪の毛をいじり始めた
At
Mz
At
オレの言葉ににこりと優しく笑ってそう返した彼は、 オレの髪の毛に軽くワックスを馴染ませていく
At
At
彼に言われた通り鏡を見ていると、 Atが手を加えたところからちょっとずつ輝いているように見え始めて、 最終的にはオレの見た目が不思議と普段よりも大人びて見える
Mz
At
At
彼はちょっとおどけた様子でそう口にしながら、 今度はメイクセットを取り出してオレの顔にメイクをし始めた
まずは肌に軽く保湿を施して、 肌の色をファンデやクリームでAtが慣れた手つきで整えていく
肌のメイクアップを終えた彼は、 今度は淡いチークとほんのり色がつく程度のリップで血色感を出し、 見慣れたはずのオレの顔がどんどん普段より生き生きとし始める
そしてアイシャドウやアイラインで目元に手を加え始めて、 眉毛やまつ毛も整ったオレの顔は軽いメイクをしただけなのに いつもの面影は残したままに綺麗になり、驚いてしまった
Mz
At
At
Mz
Mz
At
Mz
Mz
At
At
At
At
Mz
At
Atは笑いながらオレの手を取ってオレを椅子から立ち上がらせて、 今度は衣装を用意しているという更衣室まで連れて行ってくれた
At
At
Mz
At
そう言った後に彼は着ていた服を脱ぐようオレに指示し、 オレが服を脱いでいる間に奥の方から服を持ってきた
At
At
At
At
At
Atはメイクやヘアセットの時よりも楽しそうに服の説明をすると、 久しぶりにスーツに袖を通すオレの着付けを手伝ってくれた
Mz
At
Mz
Mz
Mz
At
Mz
Mz
Mz
Mz
At
At
Mz
Mz
At
そういって目を伏せたAtの顔は普段の穏やかな笑みではなく、 ちょっとだけ悲しそうな色が滲んでいた
Mz
Mz
そんなことを考えている間にAtはオレの衣装の支度を進め、 鏡の中の自分が普段より何倍もかっこよくて驚いているオレに笑いかけた
At
Mz
At
At
Mz
オレがそう言って振り向くと、 その拍子に棚からどさっと何かが落ちる
Mz
At
落ちた紙束を見て言葉を詰まらせたAtは、 目を見開いてその紙束を凝視していた
Mz
At
オレの言葉を途中で遮ったAtは、慌てた様子でそう叫ぶ
Mz
オレがばっと目を逸らしてその紙束を視界の外へ追いやると、 オレの足元でAtがガサガサと紙束をまとめる音が聞こえる
しばらくその音に耳を澄ましていると、最近聞き慣れ始めたAtの声がした
At
Mz
At
Atのかっこいい声が紡ぐ謝罪の言葉を聞きながら オレが視線をAtに戻すと、彼は先ほどオレにTgのことを聞いた時のような 悲しそうな表情を浮かべていた
Mz
思わずそう尋ねたオレに彼は一瞬瞳を揺らしたが、 すぐに繕っていつも通りニコッと笑う
At
Mz
オレの言葉に頷いたAtは、手に持っていた紙をぐしゃっと握りつぶした
見る価値もない失敗作の絵のように手元の紙を丸めたAtの顔が少しだけ、 夢が叶わなくて絶望する少年のように見えたのは気のせいだろうか
彼はただ頭が痛いだけだと言っているが、オレにはとてもそうは見えない
だけどそこに突っ込めるほど オレとAtの仲は深くないということを思い出して、 オレは口から出かかっていた「話、聞くよ」という言葉を飲み込んだ
Mz
At
At
オレたちがそんなことを話しながら更衣室から出た時、 サロンの入り口の扉についた鈴が鳴って一人の青年が入ってきた
Pr
At
At
Pr
At
Atの落ち着いた反応に不服そうに唇を尖らせた 黒のスーツに黄緑がかった白のシャツ、トパーズのブローチと ゴールドのボウタイをつけた身なりのいい男性がオレの方へ歩いてきた
Pr
At
Mz
Pr
Pr
Pr
At
Pr
Mz
At
Pr
Atにそう言い返したPrはニコッと人のいい明るい笑顔を浮かべ、 オレに話しかけてきた
Pr
Mz
オレが敬語で彼に答えると、彼は笑いながら言った
Pr
Pr
Pr
Mz
Pr
彼はオレの質問に嬉しそうにそう答えると、 「俺に着いてきて」と告げながらサロンの出口に向かって歩き始めた
Pr
At
At
Mz
オレが笑顔で放った感謝の言葉を受けて嬉しそうに笑ったAtは、 軽く手を振ってオレ達のことを見送ってくれた
Pr
なんだかあらぬ誤解が生まれた気がするがとりあえず目を瞑って、 オレはPrの案内に従って夜会の会場へ向かった
連れてこられた子爵家の屋敷は天井でシャンデリラが その美しい輝きを放っており、見覚えのある商人もちょこちょこ見かけた
Pr
Mz
Mz
Pr
彼が明るい笑顔を振り撒きながらそう言った時、 会場の奥の方から綺麗な金髪の背の高い青年が歩いてきた
Ak
太陽のような笑顔を浮かべているその人が視界に入った時、 Prの瞳が嬉しそうに輝いた
Pr
Pr
Ak
そう返事をしながら少し目を細めて笑ったAkという名の青年からは、 なんとなく上品なオーラが放たれているような気がした
Mz
Pr
Pr
Ak
Prの紹介に頷いたAkはにこりと笑って自己紹介をしてくれたが、 オレは彼の名乗った商家の名前に覚えがなかった
Mz
Mz
とはいえそこを問い詰めるなんて不躾なことはできないので オレも久しぶりに口にする自己紹介の文言を彼に伝える
そこで、Prから指導が入った
Pr
Mz
Pr
Pr
Ak
Ak
Mz
オレがAkとPrから教えてもらったことを頭の中のメモに 残しておこうと努めていると、Prが言った
Pr
Pr
Mz
Ak
Ak
Mz
その後もAkとPrの指導のもと話すときに相手の目のあたりに 視線を向ける練習をしていると、 会場の遠くの方で誰かがAkを呼ぶ声がした
Pr
Ak
Ak
Pr
寂しそうに了承の返事を返したPrを見てAkは複雑そうな顔をしたあと、 先ほど彼を呼んでいた使用人らしき人の元へ向かっていく
その使用人らしき人に言葉を返したAkの顔には、 幸せな夢から醒めた少年のような少しの悲しみと、 現実を生きる大人としての穏やかな微笑みが浮かんでいた
その人と共に会場を後にしたAkに向いていたオレの視線を Prの方に移したとき、目の前の彼もまた 幸せな夢から醒めた少年のような悲しみで若葉色の瞳がかすかに揺れていた
Pr
Mz
思わず口をついて出てきてしまった言葉にはっと口元を抑えるが、 外の世界に吐き出してしまった言葉は元には戻せないので、 オレは「ごめん」とだけ謝って質問の答えを返さなくていいと伝える
でもPrは、オレの目をじっと見つめた後、 オレの紡いだ疑問の答えを返してくれた
Pr
Mz
本や戯曲でもよく聞き慣れた、恋愛には欠かせない「好き」と言う2文字と、 Pr独特の口調、そして「好き」を修飾する5文字の言葉
たった9文字の言葉なのに、そこには本や戯曲とは違う現実を生きる彼の 計り知れない思いがこもっているような気がした
きっとオレがその思いを感じることができたのは、 幼い頃によく読書と言うものをしていたからであろう
オレが言葉の裏に隠された深い感情を察したことに気づいたのだろうか、 Prはふっと大人びた笑みを浮かべながら、 恋心をそっと炎にくべるようにこんなふうに続けた
Pr
Pr
Pr
Mz
Mz
Pr
Pr
Pr
Pr
Pr
彼はその綺麗な草原を思わせるような瞳をそっと伏せると、 「なあ、Mz」とオレに呼びかけた
Mz
Pr
Mz
Pr
こちらをじっと見ながら許可を求める綺麗な瞳を見つめ返して、 オレはいつの間にかAtに似た穏やかな笑みを浮かべながら答えた
Mz
Pr
そうちょっとだけおかしそうに笑ったPrは、 会場のどこか遠くに視線を投げながらおとぎ話のような口調で オレにその大切な思い出を共有してくれた
オレが久しぶりに意識を向けたそのおとぎ話は、 まるで絵本のヒーローとヒロインの運命の出会いのような 綺麗で美しくて可愛らしいPrの初恋の記憶だった
コメント
8件
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙遅れちゃってごめんね🥲あとまぜの雰囲気良すぎるでしょぉぉぉぉ!!さらにかっこよくなってるまぜ太くんが見たすぎてあっとくんがメイクしてるところを想像してニヤニヤしてた笑あっとくんなにか訳ありですね…過去に何かあったのかな?気になるぅぅぅ!!!そしてあきぷり登場!ぷりっつくんとあっきぃくんの少し大人っぽい貴族って感じが好きすぎるよぉぉぉぉ!ぷりっつくんの過去の話が気になりすぎる!🥹
たぶん初コメ失礼します! 椿さんの作品大好きすです! 特にこの作品と「俺らが役を 果たすのは」が好きです!! 突然なのですが、私が 作品を書くときに参考に してもよろしいでしょうか?? 登場人物の心情が見えるの 好きなんです! あと、パクリかもですが 童話系でやっても いいでしょうか?? 他の童話でやったらすごく良くなる 気がするので!! 長文失礼しました! あと…お友達になりませんか…?
更新ありがとうございます 🥹💞 続き楽しみに待っております ♡🫰🏻