そら
はぁ…はぁ……
そら
くそっ…!なんでまた…!!
その日 私は改めて心に誓った。
そら
転生なんて…!
そら
金輪際しない!!!!!
パッと雲一つない空が目に入る。 ついさっきまでの記憶は夢のようで、まだ朦朧としている。
でも私は知っている。 その記憶は夢なんかではなく、確かな現実だということを。
そら
おえぇっ…
そら
気持ち悪い…
この世界で、私はやらなくちゃいけないことがある。
そら
またかよ…!
そら
くそ!
そら
また、救えなかった…
「世界を救う」
それが私に任された大きな使命だ。
???
もー!またそんなところで寝て!
そら
っ…!
???
屋上で授業サボるのは不良だよ〜!!
そら
カナ……!
そしてもう一つ。
カナ
んふふっ!
私の親友 カナを救う事。
これこそ、私が1番成し遂げなきゃいけない事。
世界を救い、カナも救う。 出来なけりゃ転生する。 その繰り返しだ。
カナ
教室戻ろっ!
そら
カナ…
カナ
…?
カナ
そら、どーしたの?
そら
カナぁ~!
とめどなく涙が溢れてくる。
どこに転生したって、そっと笑いかけてくれて、その笑顔に何度も救われて、 その度に失ってきた。
カナ
…!
カナは少し戸惑って、そっと前髪に触れる。
びっくりしたら前髪に触れる。これはカナの癖だ。
そら
ぅぅ…
そら
く…
カナ
大丈夫だよ。
そう言ってカナは優しく笑う。
カナ
そら、さては私が学校休んでたのが相当寂しかったんだなぁ〜!
カナ
かわいいやつめ!うりうり〜
カナは泣き腫らした私の顔を手でくしゃしゃにした。
そら
やめっ…ふふ
こう落ち着けるのは随分と久しぶりだ。
そら
ところでカナ、どうして私が屋上にいるってわかったの?
そら
(私もなんで屋上だったのかわからないけど…)
カナ
あー…それはねー…
カナ
ほんとは…用があってたまたま来ただけなんだよね〜……
カナ
まあ!最後にそらに会えたなら良かったかな!
そら
そら
……!
そら
ちょっとまって、最後って
私は忘れていた。 いや、忘れたかったんだ。
カナ
今までありがとう。バイバイ
そら
カナッ!!!!
フェンスの鈍い音が頭に響く
そら
また…かよぉぉ!!
カナを救う。 それはこの世界の絶対条件。
そしてその世界で
カナは絶対に
その生涯を
自殺で終わらせる