加藤
看護師
プラスチックエプロンに透明なフィルムのついたフェイスガードを身に纏った看護師は、ジッパー付きのビニール袋を俺に渡した。
俺も感染防止用の衣服を身に纏い、ゴム手袋をつけた手でそのビニール袋を受け取った。
密閉された袋の中にはB5サイズよりやや小さめの、シワだらけの紙が入っていた。
加藤
加藤
看護師
看護師
看護師
加藤
加藤
加藤
看護師
看護師
加藤
看護師
看護師
加藤
加藤
看護師
俺はじっくりとその紙を見た。
シワだらけの紙に遺された皆川の最期のメッセージ。
加藤
皆川は入院してから11日後に亡くなったが、それはこのメッセージにも表れている。
たとえ今は元気でも、いつ自分が感染者になるかなんて誰にもわからない。
感染した後も、いつ容体が急変するかなんて誰にもわからない。
加藤
看護師
加藤
加藤
加藤
加藤
加藤
加藤
看護師
皆川との大学時代の思い出が頭の中で流れた。最後に飲みに行ったのは半年前だったな。
もう一度皆川の最期のメッセージを見ると、俺の目には涙が浮かび、溢れた。
フェイスガードを伝った涙は、皆川のメッセージの上に落ちたが、ビニール袋が涙を弾き、涙が床の上で潰れた。
加藤
俺の涙を弾いたそのメッセージは、どこか寂しげで、そして草臥れていた。
コメント
5件
ありがとうございます! 同感です。テレワークと言われてる中、人と接する仕事の方はそれができないこの現状で、やらなければいけないことはやっぱり外出を極力減らすことですよね。
参加ありがとう!!まさかストーリーまで作成しちゃうなんて…すごすぎる!!
いい話! 医療従事者、スーパー、☆☆☆ストア、配送業者、交通期間の方に敬意を! 自分が今出来ることは、身近な人を死に追いやらないためにも、三密を避けて、マスクと外出を制限するしかないですよね。 薬、ワクチンが出来るまでこれしかないと思いました。