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狼少年にはなりたくないけど

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狼少年にはなりたくないけど

26 - 康祐目線番外編 ~1番近くで~&星亜の過去

♥

140

2020年03月17日

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はじまりは____

まだオレらが小学生の時

ピーンポーン

星亜

はーい!

康祐

星亜ーっ!

康祐

あーそーぼっ

星亜

うんっ

いつものようにニコニコ出てきた星亜の目は腫れていて

いくら小4のオレでもわかった

康祐

星亜…どーしたの?

星亜

なっ、なんにもないよっ?

星亜

こここ康ちゃんこそ急にどぉしたの?

康祐

目が腫れてるよ

康祐

泣いてたの?

星亜

…んー

星亜

ほんとに康ちゃんは何でもわかっちゃうね

それからいつもの公園で話を聞いた

星亜には優しいお兄ちゃんと可愛い妹がいた。

その頃妹は小学1年生

兄は小学5年生

その頃は星亜は嘘をつくのが苦手で

誰だって丸分かりだった

星亜

あのね…星亜の家のママとパパがお別れしたの

康祐

お別れ?

星亜

「りこん」だって

康祐

りこん??

幸せだったオレらには

全く縁のない言葉だった

星亜

パパが星亜たちをおいて家を出ていっちゃった

星亜

…パパは……星亜たちがキライだったのかなぁ…

この頃からだった

星亜の家族関係が壊れ始めたのは。

康祐

お邪魔しまぁーす

あら康祐くんいらっしゃい

じゃあお仕事行ってくるわね、3人とも

星亜

マ___

やだ!!オレまだママと喋る!

ママも忙しいのよ、俊太郎

お兄ちゃんでしょ、分かって。

星亜

ママ…

星亜だってもうお姉ちゃんなんだから。

星亜

…はい

星亜

(家庭科のやつ縫ってほしかったんだけどな)

わーいランドセルだぁー

それからお兄ちゃんが反抗期を迎える。

お母さん!

仕事終わってからでもいい?

オレ去年から家庭科で縫って来ないといけないやつやってなくて先生に怒られたんだよ!

お母さんが縫ってくれないからオレが怒られんだよ!

ごめんね…お母さんも仕事で忙しいのよ

お母さん1人で3人も育てるから…

ガチャン

星亜

星亜

俊兄、なーに?

お前さ

どっか行けよ

星亜

俊兄…?

お前と茉子がいるからオレがキツくされんだよ

長男でしょお兄ちゃんでしょって!!

康祐

俊太郎…くん……?

お兄、ねぇねをいじめちゃだめだよ

だから茉子お前もだろ!!!

せめてどっちか産まれてこなかったら!!

えーーーん!!

ねぇね、お兄怖い!

星亜

大丈夫…だよ

それから星亜は兄からの危害がせめて妹に及ばないように

妹を甘やかした

星亜

茉子、ねぇねが居るからね

ねぇね大好き!

結果ワガママになった

ねぇねアイス買ってきて

おい星亜!

中学生になってもオレはそんな話を今日も聞くだけ

星亜

ねー康ちゃん

康祐

…ん?

星亜

あたしさ、中学卒業したら桃桜高校に行く

康祐

…は?

星亜は今日も目が腫れていた

康祐

…兄ちゃん…たちか?

星亜

んーん!

星亜

違うよ、ああやって育てられたら仕方ないことでしょ

星亜

少しでもお母さんの負担を減らしたいし!

もし

…もし星亜の目が腫れていなかったら

オレはこの"ウソ"に騙されていたと思う。

康祐

星亜

康祐

オレは何でもいいから

康祐

気にすんな?

星亜

…え?

康祐

お前が傷つくくらいなら

康祐

…助ける、なんて…出来なかったけど

康祐

オレこんなカッコ悪い奴だけど

康祐

お前のことは本気で心配してるから…さ

康祐

オレの前でくらい…本音言えよ

星亜

康ちゃん……

そのとき

もう中3だったけど

一番近くにいたけど

星亜はお父さんが死んでから1度も泣いてなかったらしい

久しぶりに星亜が泣いてるところを見た

康祐

…星亜

康祐

オレも…桃桜に行く

星亜

康ちゃん…?

康祐

今度は何があっても…オレが助けるから

約束通り星亜をいじめる奴がいたらぶっ潰した

星亜は人に"イイコ"でいるから

…仮面でいるから

だから本音を言ってない

だからオレにだけ本音言ってくれんの嬉しかった

高校になったら星亜の性格はもっとキツくなって少しオレにはキツく当たった

それでも星亜がオレにだけ本音で居てくれて嬉しかったのに…

桜庭ー

うい

1年のアイツが入学してきてから

星亜はアイツに本音を言うようになって

とうとう皆に言うようになった

カッコつけたけど

結局星亜を救ったのはアイツだったから…

オレが…振られることなんてわかってる

星亜

お待たせ

星亜

どーしたの?

康祐

星亜

星亜

ん?

康祐

すきだ

少し震えた声が出る

だって何と言っても星亜を変えたのは桜庭なんだ

その事実は変わらない。

だからオレに勝ち目がないことなんてわかってる

星亜

ごめん

星亜

あたしは____

『桜庭がすき』

星亜からその言葉は聞きたくなかった

康祐

…桜庭?

星亜

ちっ違うし

ウソをつくのがうまい狼少女、だったのに

何でそんなバレバレな顔すんだよ

康祐

でも付き合ってねんならまだ諦めねぇから

それだけ言って店を出た

康祐

何やってんだオレ…

康祐

ばーか

そういいながら頬には涙がつたう

康祐

…はぁ

諦めないなんて

オレにとってのただの自己満で

星亜にとってそんなんただの重荷だ

そもそも告白自体アイツには迷惑かもしれない

…でも

康祐

伝えないまま…終わりたくなかった…

康祐

だって…小学校ん頃からずーっとすきだったんだぞ?

無かったことには出来なかった

この日はひたすら泣いた

康祐

さ、オレのつまんない失恋話はここまでにしよーぜ

せめて星亜が幸せになってくれるなら

オレはもう充分な役だよ。

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コメント

37

ユーザー

しゅがへ 関係ないけど卒業おめでとう〜🎊 中学言っても頑張れ!✨

ユーザー

康祐くん、優しすぎるーーーーー!!!それと、星亜ちゃんもやっぱり優しすぎるーーーーー!!!…これは、星亜ちゃんだけでなく康祐くんにも幸せになってもらいたい…。

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