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彼岸花

第1話 - 彼岸花

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2018年08月30日

#恋愛

#短編

#花言葉

#亡くす

狐火

ゆうき

おはよう

ゆうき

おお！今窓の外みたら雪降ってる！！

ゆうき

お前とスノボ行きたいな

ゆうき

俺言ってなかったけど、スノボは得意なんだぞ？笑他はダメだけどな

ゆうき

じゃ、仕事行って来るわ

ゆうき

またな

夜ひかり

ひかり

ねぇ、にいちゃん…

ゆうき

なんだ？

ひかり

あのさ、偶然みちゃったんだけど

ゆうき

うん

ひかり

まださきさんに連絡してるの？

ひかり

さきさんはもう、

ゆうき

うるさいな

ゆうき

分かってる

ゆうき

送るくらい別にいいだろーが

ひかり

返事なんてこないのに

ひかり

確かに悲しいと思うけどそれじゃあ前に進めないよ

ゆうき

前に向こうが向かまいが俺の勝手だろ

ゆうき

口出しするな

ひかり

さきさんはもう、亡くなってるんだよ…

ゆうき

知ってる。だからなんだよ。いちいち言いに来たのか？

ゆうき

さっさと忘れってさ

ゆうき

俺の気持ちもわからないくせに知ったように話すな

ひかり

でももう三ヶ月も経ってるんだよ

ひかり

私はにいちゃんがこのままだとダメになると思ったから

ひかり

にいちゃん？

ひかり

おーい

ひかり

無視？

数日後りん

りん

お久しぶりです、ゆうきさん

りん

さきの妹のりんです。

ゆうき

久しぶりだね、どうかしたの？

ゆうき

ひかりになんか言われたのか

ゆうき

ひかりのことは気にしなくていいぞ

ゆうき

あいついちいち大げさだからさ

りん

話されたのは確かですけど

りん

私が連絡したいと思って教えてもらったんです

りん

どうしても伝えたいことがあって。

ゆうき

伝えたい事？

りん

お姉ちゃんは事故で亡くなってしまいましたが即死ではありませんでした

ゆうき

うん。俺は間に合わなくて会えなかったけど

りん

私はかろうじて生きているお姉ちゃんに会えました。

りん

お姉ちゃんは亡くなる前に一言残してたんです。

ゆうき

え？

りん

今まで言おうと思ってたんですけど、忙しかったり、都合が合わなかったりで。

ゆうき

何を残してったんだ

りん

お姉ちゃんは小さく、「ゆうきに白い彼岸花を」と苦しいはずなのに笑顔で言ってました

ゆうき

彼岸花？さきは花好きだったもんな…

りん

伝えるのを遅れてごめんなさい。

ゆうき

大丈夫だよ

ゆうき

わざわざありがとう

さき

ゆうき

なぁさき。彼岸花って、死のイメージしかないよ。

ゆうき

お前は俺が引きずる事分かってたのか？それで自分は死んだから前を向けって意味か？

ゆうき

お前までそんなこと言うのかよ…

ゆうき

でもなんだっけ

ゆうき

お前花自体も好きだけど花言葉が好きだって言ってたよな

ゆうき

彼岸花の花言葉ってなんだよ

3分後

ゆうき

さき…

ゆうき

お前自分が死ぬこと分かってたんだな

ゆうき

お前は自分を忘れろって意味で彼岸花を残してたわけじゃなかった。

ゆうき

俺、頑張るよ

ゆうき

もうラインもやめる

ゆうき

お前の残した彼岸花は育てようかな。

ゆうき

じゃあな

ゆうき

また会う日を楽しみに。

皆さんは彼岸花を知っていますか？

知っていたとしたら不吉なイメージでしょう

赤い彼岸花は確かに

「諦め」「悲しい思い出」

ですが、白い彼岸花は

「思うはあなた一人」「また会う日を楽しみに」

という意味なんです。

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