夏祭り

〜夏祭り当日〜

ないくんの提案により、一緒に住んでるにも関わらず 待ち合わせをする事になった。

そんで今先に子供組の2人といるんだけど…

子供組での待ち合わせで遅刻したら意味ないんだよなぁ… なんだろ、呑気なのか向こう見ずなのか……

まぁこれも予想済み。

多分、顔が良過ぎるまろを 直視出来ないとかそんなんかな。

しょうちゃんが隠れるいむの腕を鷲掴んで 集合場所までずんずん進んでいく。

夏祭りをあんなに楽しみにしてたとは思えない程 必死に嫌がるじゃん。

呆れてまた歩き出した時

少し先にいるないくん達に見つかった。

……そしてめちゃくちゃ浴衣が似合っているっ…

はい、見事に惚れ惚れしております、知ってたけど。 りうらもだけど、でも、さぁ、だって

小さく口にする。

地　獄　耳

なんで聴こえてんの、その距離で。

素直に褒められてたじろいでしまう。 何だこの男、心臓に悪い。

……あいつらもいちゃついてたくせに。

なんか見世物にされてる気がしなくもないが、 そんなの気にできる余裕がない。

この空気を割るようにないくんの腕を掴んで歩き出す。 …普通に恥ずかしいし、あんま見られたくなかった。

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

ないくんに言われてゆっくり止まる。

無理、恥ずかしすぎて顔なんて見れたもんじゃない。

無自覚が一番質悪いよほんと。

何かに気づいたような声。

反射的に振り返ってしまった。

大衆の面前で思いっきり抱き締めてくる。 この男には羞恥心というものがないの？？

他の人の目線を気にする以前に自分の心臓がうるさくて もう限界なんだけど、無理たすけて。

あぁもうそんな寂しそうな顔しないでよ。 りうらが悪いみたいじゃん

恐る恐るないくんの顔をみれば、太陽みたいな笑顔で

って。本当にこの人には叶わない。

耐えろ、りうらの心臓。

照れ隠し、こんなのないくんは なんとも思ってないと思うけど。

さっきの一言のないこへのダメージの大きさを りうらは知る由もないのである。