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10月32日…

32日なんて存在しない。

「後悔」

君は後悔しないでね?

この扉を開けるからには…

小鳥遊 菜緒

…もうハロウィンの時期かぁ

小鳥遊 菜緒

まっ、私には関係ないけど笑

もうすっかり夜だ…。

街灯や店の灯りが私を照らす。

ザッ…、ザッ…

小鳥遊 菜緒

…。

ザッ…、ザッ…

小鳥遊 菜緒

(…またあのストーカー??)

小鳥遊 菜緒

(…もう私を連れ回すのやめてよ。)

振り返らずに

前も見ずに思いっきり走った。

さすがに家はバレたくない…!!

小鳥遊 菜緒

…はぁ、はぁ。

私は荒い息を少しずつ整えていった。

小鳥遊 菜緒

…ふぅ。

恐る恐る後ろを振り返った

小鳥遊 菜緒

…、

そこには真っ黒な景色が広がっているだけだった。

小鳥遊 菜緒

…良かったぁ。

小鳥遊 菜緒

さて、帰ろうかな…

…あれ、ここ何処だ…

小鳥遊 菜緒

…、迷った?

キョロキョロと辺りを見回した

小鳥遊 菜緒

…!

真っ暗なはずなのに、少し先にひとつの光が見えた。

小鳥遊 菜緒

何だろう…

私は一歩ずつ光の方へ歩いていった。

光の先には

ひとつの看板と

ひとつの大きな扉。

看板にはこう書いてあった。

あなたの願いは何ですか? あなたは今、困ってるのでしょう?

小鳥遊 菜緒

(…そう、困ってるの。)

小鳥遊 菜緒

ストーカーに付きまとわれてるの。

すると看板の文字が変わった。

小鳥遊 菜緒

え…

これが見えるのは困っている方のみ。

あなたの願いを叶えましょう。

小鳥遊 菜緒

え、本当!?

しかし、条件があります。

小鳥遊 菜緒

な、何!?

あなたは2度とこの世界に帰ってくることは出来ません。

小鳥遊 菜緒

10月32日の世界へようこそ。

あ、2度とではありませんよ?

この扉の向こうの世界で

青い華を見つけてくれれば

あなたを元の世界に戻り、

ストーカーに追われることもないでしょう。

小鳥遊 菜緒

ねぇ、もしこの扉の向こうへ行かなかったら?

あなたはこの先

そのストーカーにずっと付きまとわれます。

小鳥遊 菜緒

…なっ!!

小鳥遊 菜緒

分かった、行くわ!

小鳥遊 菜緒

例え、帰れないとしても!!

かしこまりました。

では、その扉を開けてください。

小鳥遊 菜緒

分かった。

私は重い扉を開けた。

小鳥遊 菜緒

…穴?

ドンッ!!

小鳥遊 菜緒

…きゃ!!!

何者かに背中を押され、扉の穴に落ちていった。

 

…!!!

 

なぁ、

 

なぁ、おい!!!

 

おーーい!!!

小鳥遊 菜緒

…ん、

小鳥遊 菜緒

…わぁ!!!

目を開けると顔の近くに1人の男がいた。

小鳥遊 菜緒

ここどこ…?

小鳥遊 菜緒

っていうか、私、無傷!!!

小鳥遊 菜緒

すご!!

 

…。

小鳥遊 菜緒

…綺麗だなー、この場所。

そこは綺麗な花畑だった。

小鳥遊 菜緒

あれ、これ以外とすぐに見つかるんじゃ…

 

…ないよ。

男は険しい顔をした。

小鳥遊 菜緒

…そ、だよね。

 

あんた、名前は?

小鳥遊 菜緒

小鳥遊 菜緒〈たかなし なお〉

 

小鳥遊…?

 

すっげぇ、名前~笑笑

小鳥遊 菜緒

はぁ?笑

小鳥遊 菜緒

あんたの名前は?

 

下水流 優澄〈しもずる ゆうと〉

小鳥遊 菜緒

…下水流???笑笑

小鳥遊 菜緒

あんたの方が珍しいじゃん笑笑

下水流 優澄

ははっ、確かに…笑

下水流 優澄

それより、菜緒

下水流 優澄

なんでここに来たんだよ

小鳥遊 菜緒

…え、ストーカーに付きまとわれてるから

下水流 優澄

…ふーん。

下水流 優澄

確かにお前、可愛いもんな

小鳥遊 菜緒

…えっ//

下水流 優澄

…ははっ、可愛い

小鳥遊 菜緒

それより、早く青い華探さないと

下水流 優澄

…ここら辺にはなかった。

下水流 優澄

もう今が何年何月何日すら、分かんねぇ

小鳥遊 菜緒

(そんなに、見つけるのが難しいのか…)

下水流 優澄

必死になって探してるの俺だけだよ

下水流 優澄

もう、他の奴らは諦めてここで楽しく過ごしてる。

小鳥遊 菜緒

…私は帰りたい!!

小鳥遊 菜緒

だから、私と一緒に探そう…!?

下水流 優澄

あぁ、そういう人を待ってた。

下水流 優澄

なぁ、今って何年何月何日?

私たちは青い華を探しながら色々話す。

小鳥遊 菜緒

私が落ちる前は確か2019年10月31日。

下水流 優澄

20…19年!!?

下水流 優澄

10月31日に俺も落ちた。

下水流 優澄

でも、俺が落ちた年は2015年。

小鳥遊 菜緒

2015年…

下水流 優澄

ていうことは、4年も時が流れたっていうのか…

下水流 優澄

じゃあ、俺、20歳だ…

小鳥遊 菜緒

私も20歳だよ

小鳥遊 菜緒

というか、なんで優澄はここに落ちたの?

下水流 優澄

…俺には助けたい奴がいるからだよ

小鳥遊 菜緒

助けたい人…?

下水流 優澄

高校1年の時、俺の親友が事故にあったんだ。

下水流 優澄

大きな事故でさー、

下水流 優澄

俺たちずっとサッカーしてたんだよ

下水流 優澄

でも、親友が医者に告げられた言葉は

「もう、サッカーは出来ないでしょう。」

下水流 優澄

…そう言われてからさ

下水流 優澄

親友が家に引きこもっちゃってさ、

下水流 優澄

俺じゃ、なにもしてやれなくて

下水流 優澄

困ってたらあの扉があった。

下水流 優澄

このままだと君の親友は自殺するってさ笑

下水流 優澄

そう言ってたから、思わず穴に飛び込んだ。

下水流 優澄

…早く帰りてぇ

下水流 優澄

親友が元気になってほしい。

下水流 優澄

青い華が見つかったら、あの看板の奴がさ、君の親友はもう一度サッカー出来るって言ってくれてさ

下水流 優澄

こりゃ、見つけるしかないって思ったんだよね

小鳥遊 菜緒

…優澄は親友さんにとって良い人なんだろうね。

小鳥遊 菜緒

私なら嬉しいよ

小鳥遊 菜緒

心強い親友がいて

下水流 優澄

…そう、かな。

小鳥遊 菜緒

うん!!

小鳥遊 菜緒

だから、早く見つけよう!!

私はニコッと笑った。

下水流 優澄

…//

下水流 優澄

あぁ。

小鳥遊 菜緒

…ね、ねぇ!!

小鳥遊 菜緒

あれ!!!

下水流 優澄

…!!

少し先に青の光が放っていた。

小鳥遊 菜緒

…もしかして…、

私たちはあの光の元へ走った。

あぁ、何年たっただろう。

君と何回会話しただろう。

君と私は意外と近くに住んでいるってこと。

君は青色が好きなんだってこと

君はー…

小鳥遊 菜緒

…やっぱり

小鳥遊 菜緒

青い華だ…

青い華がたくさん並んでいた。

小鳥遊 菜緒

…良かったぁ、これで帰れる

下水流 優澄

あぁ、そうだな。

小鳥遊 菜緒

…綺麗。

「おめでとうございます。」

「小鳥遊さん、下水流さん。」

「あなたたちの願いを叶えましょう。」

小鳥遊 菜緒

…やったぁ。

下水流 優澄

あぁ。

下水流 優澄

本当に良かった…、

優澄は俺に笑顔を見せながら泣いた

小鳥遊 菜緒

…//

小鳥遊 菜緒

(帰ったらもう、君とは…)

もう会えない。

「さぁ、その青い華をひとつ、」

「摘み取ってください。」

「そしたら、あなたたちは家に帰ってます。」

小鳥遊 菜緒

…。

ひとつの青い華に手をかけた。

下水流 優澄

菜緒…

小鳥遊 菜緒

…?

下水流 優澄

これ、渡しとく。

私は1枚の紙を受け取った。

下水流 優澄

…またな、菜緒。

優澄は笑顔を私に見せた。

小鳥遊 菜緒

うんっ!!!

小鳥遊 菜緒

…!

目か覚めると自分のベッドにいた。

小鳥遊 菜緒

…帰ってこれた…?

小鳥遊 菜緒

…あぁ、良かったぁ。

小鳥遊 菜緒

そうだ!!

小鳥遊 菜緒

今、何年?

スマホの画面を見た。

小鳥遊 菜緒

…え

時がたっていなかった。

小鳥遊 菜緒

2019年10月31日…午後7時。

小鳥遊 菜緒

…それじゃあ、

小鳥遊 菜緒

優澄が帰った世界は2015年10月31日…?

小鳥遊 菜緒

それなら、優澄は今、私と同じ20歳なの?

小鳥遊 菜緒

あの扉であったときは高校生らしい姿だった…

元気だろうか…、

優澄は元気なのだろうか?

小鳥遊 菜緒

…そうだ、手紙。

私はポケットの中をあさって1枚の紙を取り出す。

小鳥遊 菜緒

…!!

2019年10月31日の深夜12時 君を◯◯公園で待ってる。 お前なら分かるだろ? 俺が大人になってても…

小鳥遊 菜緒

…。

深夜12時…、私は君のもとへ歩いていく。

そこに、人影があった。

小鳥遊 菜緒

…優澄?

下水流 優澄

…、

私より背が大きくなった君。

私をじーっと見つめる。

下水流 優澄

菜緒…。

小鳥遊 菜緒

…久しぶり。

下水流 優澄

…。

下水流 優澄

やっとあんたがこっちを振り向いてくれた。

下水流 優澄

俺、いつ菜緒に話しかけようか迷ってた。

小鳥遊 菜緒

…え?

下水流 優澄

2015年、菜緒にあの扉で助けてもらって、俺は君を探し続けた

下水流 優澄

2019年の時、やっと君を見つけた

下水流 優澄

でも、なんて言えばいいか分かんなくてさ、

下水流 優澄

俺、ストーカーみたいになっちゃってさ笑

小鳥遊 菜緒

…ちょっと待って。

小鳥遊 菜緒

(もしかして、優澄が私のストーカーって事…)

小鳥遊 菜緒

(ずっと、付きまとわれてたのは、私にお礼を言いたかったため…なの?)

優澄と私の時間が

ずれてたって事…!?

10月32日って本当にあったんだ…

そこで、私たちの時間が止まった。

小鳥遊 菜緒

(待って、!?
じゃあ、もしかして!!)

「あなたの願いを叶えましょう。」

小鳥遊 菜緒

…待って、優澄…!!

小鳥遊 菜緒

…!!

小鳥遊 菜緒

あれ、

そこに君はいなかった。

小鳥遊 菜緒

…嘘、でしょ?

小鳥遊 菜緒

待って、待ってよぉ…!!!

小鳥遊 菜緒

もう一度時間を戻して…!!!!

小鳥遊 菜緒

…うっ、ぁあ、あぁぁあ!!!!

戻ってくるはずもなかった。

私が叶えたことなんだから。

あなたは何に困っていますか?

あの子のように帰ってから

後悔をする事もあります。

さぁ、優澄はどこへ消えたのでしょう。

この後、菜緒はどうしたのでしょう?

え?

あなたも叶えたい夢があるって?

ふふっ、良いでしょう。

でも、後悔はしないようにね?

さぁ、

扉が開きます。

ーENDー

この作品はいかがでしたか?

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コメント

18

ユーザー

なんか想像してたのと全然違う終わり方やった、

ユーザー

これは後悔しますね...

ユーザー

ゆうとぉぉぉぉぉ! ばかぁぁぁぁぁぁぁぁ! ストーカーすんなy((殴

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