美春
どいて
千尋
今ここで作業してるんで……
美春
どけっつってんの!
ドンッ
千尋
いたっ!
体育祭の時から美春の当たりが
今までよりもっとキツくなった。
千尋
ふぅ……
クラスの人達
今日転校生来るらしいよー
クラスの人達
最近転校生多いねー
クラスの人達
どういうことなんだろw
梨沙
やはりやるんですね?
美春
もちろんよ。
麻里奈
そう言ってくれると思ってましたよ!
美春
ふふふ……
先生
静かにしろー
さっと教室が静まる。
先生
新しくこのクラスの仲間になる人を
先生
紹介する。
先生
どうぞ。
花音
こ、こんにちはっ!
バッと頭を下げた。
花音
柳 花音(やなぎかのん)です!
花音
よ、よろしくおねがいしましゅ!
花音
あ、あぁ噛んじゃった……
だいぶオロオロしている。
クラスがざわつきはじめた。
千尋
(あーあ。泣きそうになってんじゃん。)
美春
花音さん。
美春
これからよろしくね
すっとたって、ニコリとする。
千尋
(ひぇえ、笑顔が怖いよ……)
だが、花音さんは気づかないようだ。
花音
ありがとうございます!
花音
美春さま。
花音
パンを買ってきました。
美春
あら。ありがとう。
美春
さすが私の友達、花音ね。
花音
ありがとうございます!
千尋
健気だなー
千尋
見てるこっちが辛くなる……
いつかは『友達』ではなく『奴隷』
になる未来しかないのに。
それを考えると悲しくなってくる。
千尋
……よし。
放課後
千尋
花音さん。
千尋
話があるからちょっといい?
花音
?……はい。
学校の中庭
花音
それで、話というのは?
千尋
んーと、どこから話そうかな。
花音
すみません。
花音
美春さまとの約束があるので、
花音
なるべく早く終わらせてくれると嬉しいです。
千尋
じゃあ、もう言うね。
千尋
花音さん。美春ともう付き合わない方がいいよ。
花音
え?
千尋
だから、付き合わない方がいい。
花音
どういう事ですか?
千尋
美春は、美春は、性格がちょっと……
千尋
はっきり言うと、いじめっ子。
花音
そんな。
千尋
あなたの事だから嘘だと思うかもしれないけど、
千尋
ほんとのこと。
花音
美晴さまはそんな性格じゃないです!
千尋
それはあなたを騙すための偽の仮面。
千尋
もうこれ以上被害者を増やしたくない。
花音
……分かった!
花音
あなた美春さまが羨ましいんですよね?
花音
それで妬んで……
千尋
違う。
千尋
私はあなたのために言ってるんだよ?
花音
私は美春さまを信じる。
千尋
あなた……
千尋
前にいじめられてたでしょ。
千尋
で、転校してきた。
花音
……
千尋
違う?
花音
そうですよ。
千尋
だったらなおさら。
千尋
もういじめられたくないんだったら、
千尋
やめなよ?
花音
……嫌。
千尋
あなたは、心の中で
千尋
『いじめられたとしても助けてくれる』
千尋
とか思ってる。
千尋
でもそんなに現実は甘くないよ?
花音
……もう時間なので行きます。
花音さんは背を向けて立ち去ろうとした。
千尋
これは最後の忠告。
千尋
「付き合わないで」
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