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砦跡地

ハンスヴルスト

おぉ!

ハンスヴルスト

よく来てくれましたカミツル族の皆さん

フォス

……本当にクロカゲ族は

プルクラ

『そのようですね』

ハンスヴルスト

ここに来たということは自身が何者かを知りたいから

ハンスヴルスト

もしくは進行を止めるために来たのですか?

フォス

ちげぇよ

フォス

お前らカナリナ族をぶっ飛ばしに来た

ハンスヴルスト

それはそれは怖いなぁ

ハンスヴルスト

まるで僕達が悪者みたいじゃないですか?

ミツルギ

そうだと思ってるから言ったまでだよ

ハンスヴルスト

僕らは悪者じゃないですよ?

ハンスヴルスト

それに、僕目線だと皆さんも悪者になります

ハンスヴルスト

ほら、僕やクロカゲ族の忠告を無視してるわけですし?

ハンスヴルスト

わがまま言って武力で突破したそっちの方が悪だよ?

フォス

ちっ…

ハンスヴルスト

ぐぅのねも出ない、か

リド

私達はただ果てを目指す

リド

それにカナリナ族が迷惑被ることがあるのか?

リド

仮にルート上に君らの拠点があれば迂回する

リド

争いが目的では無い私達はそのくらいの判断も出来ないと?

ハンスヴルスト

前提が違うんだよ

ハンスヴルスト

襲う襲わないじゃない

ハンスヴルスト

『外にカミツル族が出た』という事実が恐怖なんだよ

ハンスヴルスト

檻に入れられた獣を見て可愛いと思うか?

ハンスヴルスト

一つ壁を挟んだとはいえすぐそこに自分を殺せる生き物がいる

ハンスヴルスト

そう考えたら完全に安全と言われても信用ない

ハンスヴルスト

それと同じさ

ハンスヴルスト

圧倒的な戦闘センスを持つ部族が旅してるなんて

ハンスヴルスト

彼らの気まぐれで殺されるかもしれないという恐怖で夢も見れん

ハンスヴルスト

強者は弱者の考えを理解できない

ハンスヴルスト

だから対立し争いに変わる

ハンスヴルスト

それをむかーしの人達は痛感し君達を森の中に閉じ込めた

ハンスヴルスト

まぁ、無理やりと言うよりは話し合いでそうなったがな

ハンスヴルスト

その後反旗を翻すことも危惧してクロカゲ族という監視も付けた

ハンスヴルスト

先程の例で言えば飼育員みたいなものさ

ハンスヴルスト

檻の獣は君達、飼育員はクロカゲ族、その檻の獣に恐怖するのが他の種族

ハンスヴルスト

これで均衡は保たれてた

ハンスヴルスト

が、檻の獣が突如暴れ出して飼育員を抹殺した

ハンスヴルスト

となると、外の恐怖していた人間はパニックさ

ハンスヴルスト

それがこうして外を歩いてるんだから怖くなるのは当たり前

ミツルギ

だからといってクロカゲ族を殺る理由は…

ハンスヴルスト

彼らはどちらにせよ死ぬことは決まってる

ハンスヴルスト

君らに殺されるか外の種族に殺されるか

ハンスヴルスト

それを踏まえた上であの立場に着いたんだ

ハンスヴルスト

そして僕は残虐な君達に殺されるよりも手早く命を取れる僕が殺った

ハンスヴルスト

それが最善だと判断したからね

フォス

俺らが残虐かなんて…

ハンスヴルスト

あぁ分かんないよ?

ハンスヴルスト

でも、得体の知れない存在って怖いじゃん?

ハンスヴルスト

『昔のカミツル族』と『現代のカミツル族』が同一なんて限らない

ハンスヴルスト

向かう先の種族は皆殺し、なんて言われるかもしれない

ハンスヴルスト

てわけで僕が手を汚したに過ぎないのよ

ハンスヴルスト

…さて、挨拶が長くなったね

ハンスヴルスト

まぁ、本題の一つ『忌み嫌われる理由』に答えたとも言えるかな?

ハンスヴルスト

それじゃあ、別の話題に移ろっか

ハンスヴルスト

ここに来たということは知らないことを知りに来た

ハンスヴルスト

または、尚のこと果てを目指しに来たってところかな?

ハンスヴルスト

なんにせよ、僕で答えられる範囲のものは今答えてあげよう

プルクラ

『……あなたは何者ですか?』

ハンスヴルスト

それは、僕の事?

ハンスヴルスト

それともカナリナ族っていう全体のこと?

プルクラ

『そのどちらもです』

ハンスヴルスト

じゃあ、まずは僕の自己紹介からいこう

ハンスヴルスト

僕の名前は『ハンスヴルスト』

ハンスヴルスト

カナリナ族の全体の指揮を任されてる者だよ

リド

任されている?

ハンスヴルスト

そう、私はあくまで代理人に過ぎない

ハンスヴルスト

元を辿れば『女王』に行き着き、私はその言葉を代わりに伝える拡声器さ

ハンスヴルスト

君たちふうに言うなら神の言葉を伝える巫女様、かな?

ハンスヴルスト

で、次は『カナリナ族』についてだけど

ハンスヴルスト

これは君達の神様が詳しいかな?

ドゥクス

……残念ながらワシもお主らの事は知らぬ

ドゥクス

悪魔崇拝をしてるにも関わらず、な

ハンスヴルスト

……あぁ、その件引っかかってるんですね

ハンスヴルスト

誤解があるためそちらを先に解消しましょう

ハンスヴルスト

悪魔崇拝、あれは嘘です

ハンスヴルスト

私らも文献でそれを知って脅しなりブラフなりで使えると思い口にした程度です

ハンスヴルスト

確かに実際悪魔と契約を交わしていれば名は通ってるが

ハンスヴルスト

そんな名声が欲しい訳では無かったので

ドゥクス

…では、潜伏した理由は?

ハンスヴルスト

表立って君達とはぶつかりたくなかった

ハンスヴルスト

これが本音ですかね

ハンスヴルスト

女王も恐らく同じ考えかと

ハンスヴルスト

だから長い間頭角を現すことはしなかった

ハンスヴルスト

ならばなぜ今更顔を出したか?

ハンスヴルスト

それは君達がこの先も外に出ることは無いと判断したからだ

ハンスヴルスト

そう判断して10数年前から幅をきかせた

ハンスヴルスト

が、結果はこの有様だ

ハンスヴルスト

まさか進軍するとは思わなかったよ

ハンスヴルスト

でも、僕達も安堵して適当に過ごしてた訳じゃない

ハンスヴルスト

万が一、億が一…その可能性を考え僕達の種族は蓄えてきた

ハンスヴルスト

経験と物資量、その質に数を…

ハンスヴルスト

先に話しておこう

ハンスヴルスト

この先を進むのならカナリナ族…いや

ハンスヴルスト

カナリナ軍が数多く控えてる

ハンスヴルスト

そして彼らはマジックウェポン所有者ばかりだ

ハンスヴルスト

戦闘員がせいぜい50人いるか程度の部族に

ハンスヴルスト

僕達カナリナ軍が負けることはない!

ハンスヴルスト

故に最後の忠告をする

ハンスヴルスト

直ちに引き返せ

プルクラ

『…お断りします』

リド

あなたの話すこと全てはきっと事実でしょう

リド

視点違えば私達が厄災なのも理解しました

リド

しかし、それでも我を通すことを許して貰います

ミツルギ

僕らとしても争いは避けたい

ミツルギ

でも、果ては見たい

ミツルギ

わがままなのは分かってる

ミツルギ

恐怖の対象なのも理解した

ミツルギ

それでも、カミツル族に生まれたのなら

ミツルギ

ご先祖さまがなし得たことを僕らも継いで

ミツルギ

後世に伝えるのが種族としての目的なら

ミツルギ

そこに出る犠牲はやむ無しと腹を括ってる!

ハンスヴルスト

そうか…

ハンスヴルスト

まぁ、砂漠で会った時から決意は変わってないね

ハンスヴルスト

それじゃあ僕から最後に特別なプレゼントだ

そういい彼が手を挙げると後ろから一人の人物が顔を出す

ミツルギ

あ、あんたは…

ハンスヴルスト

おや?

ハンスヴルスト

彼を知ってるのか?

ハンスヴルスト

良かったなぁ

ハンスヴルスト

お友達に会えたじゃん

フェアラ

………お前は

フェアラ

あの時…

フェアラ

私の部下の命を奪った…

プルクラ

『ミツルギ!彼は!?』

ミツルギ

クロカゲ族の生き残り…

ミツルギ

コグレの森第1防衛拠点で剣を交えた一人です…

フェアラ

前にいるお前は…

フェアラ

シャドウ様を手にかけた…

フォス

俺が手にかけ……た?

フォス

フォス

違う!俺は確かにシャドウと剣を交えた!

フォス

それは双方が互いの信念のため、合意の元での決闘!

フォス

けども、途中参戦した…

フォス

隣の男……

フォス

ハンスヴルストがお前の上司を!…

フェアラ

黙れぇぇ!!

フェアラ

お前が進軍しなければ

フェアラ

シャドウ様は…

フェアラ

シャドウ様はァァァ!!

プルクラ

『激情している彼に言葉は通じない、ですね』

ミツルギ

くっ!?

ハンスヴルスト

さぁ、まずは第一段階のテストです

ハンスヴルスト

殺れ…フェアラ

フェアラ

うぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

フォス

ハンスヴルストォォォォ!!

フォス

誇りを持った戦士に何をしたァ!

ハンスヴルスト

何も特別なことはしてないですよ

ハンスヴルスト

ただ少し…お話を、ね?

フォス

貴様ァァァァ!

フォス

やはりお前は悪だ!

フォス

他の種族の信念誇りを踏みにじり

フォス

監視という呪いで縛り付け

フォス

その上まだ彼を利用するつもりかァァ!!?

ハンスヴルスト

カナリナ族やクロカゲ族を除く他の種族が

ハンスヴルスト

あなた方に怯え眠れぬ日をどれほど過したか

ハンスヴルスト

知らないから言えるんだ!

ハンスヴルスト

奪われる悲しみ絶望

ハンスヴルスト

その代弁者にはちょうどいい人材だよ彼はァ!?

ハンスヴルスト

しかし、彼を殺させるのは惜しい

ハンスヴルスト

頃合いを見て引くことにしよう

ハンスヴルスト

タイムリミットはそうだなぁ…

ハンスヴルスト

君達の本拠点に向かわせた四天王の一人

ハンスヴルスト

『怒れる大地』バウギアが本拠点を潰すか

ハンスヴルスト

もしくは、撃退されるか

ハンスヴルスト

これをタイムリミットとしよう

ハンスヴルスト

勝利条件は簡単

ハンスヴルスト

バウギアの撃退かフェアラ君の撃退どちらかだ

ハンスヴルスト

さぁ!

ハンスヴルスト

見せてくださいよォ!?

ハンスヴルスト

かつてバサラ率いるカミツル族が厄災と恐れられたその真髄をぉ!!

プルクラ

『!!』

プルクラ

『すいません!私はこの後響石に答えられません!』

プルクラ

『次答える時は事が終わってからです!』

フォス

プルクラ!

フォス

フォス

ハンスヴルストォォォ!

フォス

果てを目指す前にお前を斬る!!
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