ユキ
まさか、ハメられた!?
ソラ
突然のことに動揺して立ち尽くして いると、ソラに引き戻された
ユキ
そしたら、姿を見られるのに……!
ソラ
ユキ
この事態はボクらにとって異例で、 まずこんな風に失敗したことはない
だから、こういう時の対処法を 事前に考えていても、慣れていなくて すぐ行動に移せなかった
ユキ
急いで部屋を出て、 廊下を素早く見渡す
……大丈夫、まだ誰もいない!
ソラ
警備員
ソラの言葉を遮るように、 警備員らしき男の声が響いた
その方向から、大勢の警備員が こちらに向かってきているのが見える
どうしよう、姿を見られた……!!
ソラ
ユキ
もう、姿がどうとか 言ってる場合じゃない
とにかく、ここから逃げないと!!
長い廊下を走って、階段まで来る
ここは二階だから、 一階に降りられれば……!
警備員
って、階段の下にも警備員!?
ソラ
下がダメなら、上っ!!
咄嗟に方向転換して、 上に続く階段を駆け上る
必死になって階段を登って、 気づいたら屋上の階まで来ていた
勿論後ろから追いかけられてるから、 屋上の中に逃げ込むしかない
そのまま進んでいって振り返ると、 後ろにはフェンス、周りにはどこに 隠れていたのか、大量の警備員が
……もう、逃げ場がない
???
???
ふと、警備員の中から声が聞こえた
そして、その人物達が 前に躍り出てくる
この声、まさかとは思うけど……
???
渉
やっぱり、浦田先輩と優だ……!
この二人が探偵をしてるのは、 かなり前からソラが情報を 持っていたから、知ってた
けど、今夜ここに来るなんて、そんな 情報は無かったはずなのに……!
優
頭をフル回転させていると、 優に煽るように言われる
ソラ
……たしかに、ここは 黙っておいた方がいい
毎日会って声を聞いてるのに、 それに気づかないはずがないし
渉
渉
“もう逃げられない”、か
ユキ
ソラ
小さくこくりと頷いてから、余裕の 笑みを浮かべている二人を睨む
けど、すぐにそれをやめて、 一度両目を閉じた
それからまた目を開けて、両手を 上げながら、一歩、二歩と、 二人の方へ近づいていく
……これで、反抗の意思がないことは 伝わったはず
逃げ場は無い……わけではない
ユキ
一度歩いていた足を止め、それから 元いた方向に思いっきり走って、 素早くフェンスをよじ登った
優
ボクらの作戦に気がついたらしい 優が声を上げた
そう、そのまさか
二メートル弱あるフェンスを 軽々と乗り越えて、暗闇の中に紛れる ように、そこから飛び降りた
途中、壁を蹴りながら失速しつつ、 無事地面に着地
ソラ
全速力で走って、屋敷の敷地内を出る
それから、人がいない道を選んで、 必死に走った
ユキ
あの時、ウィズに警報を鳴らされた ことが想定外の事態で、 咄嗟に対応ができなかった
もしあそこで、ボクが素早く動けて いたなら、姿を見られることも、 屋上に追い詰められることもなく、 逃げられたはずなのに
ユキ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
そよよ
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