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世界には、三つの“歪み”があった。
ひとつ。 "正体を隠さなければ生きられない者たち”
ふたつ。 "願いと引き換えに、何かを失う代償”
みっつ。 "取り戻せない喪失"
それは、誰かの願いの先に生まれたものだった。
R.S
赤いフードの少年がつぶやく。
森がざわついてる。
まるで、"何かが欠けている"みたいに。
P.A
帽子の少年が言う。
little red hood
赤ずきん達は、迷わなかった。
V.N
薬屋の青年が眉を顰める。
淡く光る、ガラスの靴。
L.M
王子が腕を組む。
V.N
L.M
目と目が合う。
Cinderella
T.A
白雪が目を伏せる。
"誰かがいなくなる夢"
顔も声も思い出せないのに
喪失だけが、残っている。
兄が静かに言う。
L.M
T.A
L.M
白雪は顔を上げる
snow white
別々の三つの物語。
森の奥。
歪みの中心。
最初に来たのは、赤頭巾達。
P.A
現れたのは二人。薬屋と王子。
V.N
一瞬、空気が張り詰める。
でも。
R.S
赤ずきんが呟く。
P.A
"隠してる側"の匂い。
"代償を知ってる側"の匂い。
言葉にしなくてもわかる。
そこへ、もう二人。
白雪とその兄。
T.A
全員が揃った瞬間、空間が歪む。
現れたのは大きな鏡。
願 い が 、歪 ん で い る 。
声が響く。
隠 し た い 願 い 。救 い た い 願 い 。忘 れ た く な い 願 い 。
そ れ ら が 混 ざ り 、 世 界 を 壊 し て い る
白雪の胸がきゅっと痛む。
T.A
思い出せないのに。
消えかけているのに。
確かに、“大切だった何か”がある。
一 人 で 背 負 う な
鏡が告げる。
分 け 合 え
それぞれの胸にあるものが、浮かび上がる。
莉犬とぷりっつの"孤独"
Lapisとばぁうの"代償"
らいととちぐさの"喪失"
L.M
王子が問う。
赤ずきんが一歩出る。
R.S
帽子の少年が続く。
P.A
薬屋が言う。
V.N
兄が、白雪の肩に手をおく。
L.M
L.M
白雪の目に涙が浮かぶ。
T.A
全員が、手を伸ばす。
6本の光が交わる。
鏡が、静かにひび割れる。
歪みが、解けていく。
その瞬間。奥に六つの影が見えた。
笑顔で、笑い合う6人。
何かを"取り戻した"わけじゃない。
でも。
“これ以上失わない”形に、変わった。
森は静けさを取り戻した。
莉犬とぷりっつはもう一人で隠れない。
Lapisとばぁうは、“消えない願い”を探し続ける。
らいととちぐさは、
時々、胸が苦しくなる。
思い出せない誰かを、探すみたいに。
それでも。
T.A
隣には、兄がいる。
そして。
R.S
莉犬が言う。
L.M
Lapisが頷く。
V.N
ばぁうが笑う。
ちぐさもらいとも、
小さく頷く。
失ったものは戻らない。
でも。
それを抱えたままでも、人は前に進める。
かつて別々だったはずの、三つの物語が繋がった。