こんにちは、主です。
見てくださり、ありがとうございます。
先に言っておきます、
本作は
バットエンド
となっております。
ご了承いただいた後、
本作品をお楽しみください。
そして、本作品に登場する人物の自己紹介をさせていただきます。
ミノリ
-ミノリ- 5歳、保育園通い(現時点) 母親が好きか嫌いか分からない、 治したいところは自分の部屋にふせんで貼っていくタイプ。
ナナカ
-ナナカ- 34歳。ミノリの母親。 ナンテンという植物が好き。 治して欲しい所は相手に厳しく伝えるタイプ。
それでは、
どうぞ。
──1日目
保育園帰り
ミノリ
おかあさん、ただいま!
ナナカ
お帰り、ミノリ
ミノリ
おかあさん、今日のご飯はなーに?
ナナカ
今日は、ミノリの好きなビーフシチューよ。
ミノリ
わーいっ!やったー!
ナナカ
ミノリ、ご飯を運ぶのを手伝ってくれるかしら?
ミノリ
わかった!
ミノリ
どれを運べばいいの?
ナナカ
これを運んでくれるかしら?
ナナカが指を指したのは、子供では持てない大きさの鍋だった。
ミノリ
え、これを運ぶの、?
ミノリ
まだ、私にはむずかしいとおもうな、?
ナナカ
でも、ミノリなら運べると思うなー?
ナナカ
リビングまですぐだし!
ナナカ
ミノリ、任せたわよ。
ミノリ
が、がんばるね!
できないと思うけど、
期待に応えなきゃ!
ミノリ
……んしょっ
ミノリ
お、重いな……っ
ミノリ
おいしょ、
ミノリ
……んしょっ
ミノリ
ふぅ、
あとちょっと、がんばろう!
おかあさんの期待に応えなきゃ、
がんばらなきゃ!
ミノリ
……あっ、!
どてんっ!
おかあさんの走ってくる音がする、
私ってだめな子だな、
ナナカ
わっ、
ナナカ
こらっ、ミノリ!
ナナカ
何やってるのよ!
ナナカ
可愛くしたお洋服も、
ナナカ
綺麗な絨毯も、
ナナカ
全て台無しじゃないの!
ミノリ
ご、ごめんなさい……。
ナナカ
もう、
ナナカ
ミノリってば本当に
ダメな子
ナナカ
ね!
ミノリ
ごめんなさい……っ!
ナナカ
ミノリ、お母さんはね、
ナナカ
怒ってる訳じゃないの!
ナナカ
これは全部、ミノリのために言っているのよ!
ナナカ
泣きたいのはお母さんの方よ!
ナナカ
ミノリが将来いいお嫁さんになれるように、
ナナカ
お母さんはね、頑張ってきたの!
ナナカ
これはぜーんぶ、ミノリの為なの!
ミノリ
……はいっ
ナナカ
はぁ、雑巾を持ってきてちょうだい。
ミノリ
……はい、っ
完全に絨毯や服にはビーフシチューの汚れが染み付いている。
ナナカ
はぁ、
ミノリ
……もっと、「いい子」にならないと、
ミノリ
おかあさんの期待に応えないと、
ミノリ
「ダメな子」じゃなくならないと、
ミノリ
ううっ、
ミノリ
ちゃんとしなくちゃ、!
深いため息を着くナナカ、
涙を拭い、自分の不甲斐なさに苦しめられているミノリ。
「おかあさんを怒らせてはいけない」
そのふせんには、おかあさんを怒らせてしまった罪悪感と
その日ご飯を抜きにされた空腹感が込められていた。
-1枚目-
ミノリ
……っ、
ミノリ
わたしはだめな子、なんだね