コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
墓石にお水を掛けながら
彼の墓前でそう話しかけながらヒマワリを供えた。
彼とは高校2年から付き合い始め、
交際5年目の7月7日に
彼からプロポーズをしてくれた。
でもその数日後、
彼は交通事故で突然この世を去ってしまった。
彼が亡くなった今でも
7月7日は大切な日。
だからこうして毎年7月7日になると
彼が好きだったヒマワリを持って
お墓参りに来ている。
手を合わせ目をつむる。
彼と過ごした日々が
次から次へと思い出され
涙がボロボロとこぼれた。
すると
「泣かないで」
と彼の声が聞こえた気がした。
私はびっくりして顔を上げると、
そこには彼がいた。
いや、彼の雰囲気に似ている
見知らぬ男性がいた。
急いでバックからハンカチを取り出し、
涙を拭った。
ヒマワリの花束を眺めながらそう男性は言った。
私が思わず
とボソっと言うと、
と、男性はなんだか照れくさそうに言った。
その照れくさそうにする仕草が、
一瞬彼に見えてドキッとした。
そういえば昔、
彼から臓器提供意思表示カードを見せて貰った事があったっけ。
もしかして…?