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コツコツコツコツ(歩く音)
右側の壁を伝って、また歩きだす。
金星
血で書かれたあのダイイングメッセージが何度もちらついた。
ちらつく度に、俺は何度も「酸味男はそんなことしない」と自分に言い聞かせた。
金星
金星
先程は突然の出来事すぎて頭が混乱していたが...
改めて冷静に考えてみると、ある違和感が生じたのだ。
俺はその違和感を解明するべく、モンスター図鑑の全ページを見始めた。
ペラッペラッ
金星
どのページにも、あの女の子と思わしき情報が載っていなかったのだ。
金星
だったら...人間?
金星
そんな考えを抱え込んだまま...大迷宮のゴールを目指すのだった。
金星
壁を見た。
金星
壁には、子供が描いたと思われる汚ならしい絵がたくさん描かれてあった。
上を見上げた。
金星
ゾクゾクゾクゾク(鳥肌が立つ音)
天井にも、左の壁にも描かれていた。
こんな絵があったなんて、まったく気づかなかった...
棒人間、虫、山、太陽、海、浮き輪、城...
どれもクレヨンで描かれていた。
金星
金星
右手を離し、クレヨンの跡が着いてないか確認した。
金星
金星
案の定、右手にはクレヨンの跡がついており、手を擦りあわせて跡を手汗で消した。
金星
''さっさとこんなところ出よう''と足早になった。
純水無垢な小さな子供が描く絵って...どことなく怖く感じるんだよな...
輪郭が太く...顔のパーツの大きさとかバランスがグチャグチャで...
まるで異形の化け物が何体もいるかのように感じられる...
また時間が経過した。
人間?
金星
金星
キチッとしたスーツに革靴...。
姿、形が人間と思わしきものが通路に佇んでいた。
生きている人だ...!
同じ境遇に陥っている仲間に出会えて、心が踊った。
金星
...だが
人間?
俺の声に反応したソイツがヌットォリと振り返るにつれて...。
金星
人外であることがハッキリと分からせられた。
ゾンビ?
目と目が合う♪
金星
ソイツの衣服の前はボロボロに引き裂かれており、肌が露出していた。
さらに肉は深緑色に変色して腐っており、真っ黒の血管が浮き出ていた。
肉は腐ってしまっているせいか、ところどころ欠損しており、骨も見える程だ。
以上のことから、ソイツには人間と呼ぶには相応しくなく...ゾンビという方が納得出来る。
金星
そうは思うものの...。
そこまで恐怖してない様子だ。
前に女の死体を見たことから、グロ耐性がついたからだろう。
心拍数は普通よりかは少し高いくらいだ。
ゾンビ?
金星
16ページ目
No.47
[写真]
名前:焼かれ人 出身地:大迷宮
特徴 ・女は全員死ねばいいと思っている。 ・怒りっぽい性格 ・''前''は腐れ人
装備:無し 年齢:29歳
金星
特徴の欄にあった、''前は腐れ人''というのが気になったんだっけ...
金星
焼かれ人
金星
対話を試みてみることにした....もしかしたら酸味男みたいにそんなに悪い奴じゃない気がするからだ
焼かれ人
歯と歯茎が露出した口をゆっくりと開けて、ソイツは話始めた。
焼かれ人
金星
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
金星
何て言葉を返せばいいんだ...
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
引っ掛かるキーワード、''女''
あの死体の子を言ってるのだろうか
金星
焼かれ人
金星
結構グイグイくるな...
焼かれ人
焼かれ人
先程のネットリ気味の話し方から、スイッチがOFFからONに切り替わったように、シャキッとした話し方になった。
金星
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
硫酸?!
焼かれ人が言うには...
俺がこの大迷宮に来る前に、以下の出来事があったらしい。
女性の名は...
1391915181-1391122
1391915181-1391122
[起]女性と腐れ人が出会った。
タッタッタッタッ!!
1391915181-1391122
腐れ人
1391915181-1391122
キャアアアアアアアアア!!
[承]女性が手に持っているフラスコを腐れ人に投げつけた。
パリンッ!!
フラスコが割れて、中の硫酸が腐れ人にかかった。
腐れ人
1391915181-1391122
[転]女性はその場から逃げた。
腐れ人
腐れ人の体はみるみる内に黒く変色していき、煙がモクモクとでた。
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
[結]酸味男と焼かれ人が女性を殺した。
1391915181-1391122
女性は泣きながら懇願した。
されども、その願いは塵となってしまった。
腐れ人
酸味男
殺っちゃおうかえええ!?!
1391915181-1391122
嫌ああああああああ!!!
大量の刃物が女性を切付けた。
死体
酸味男
腐れ人
焼かれ人
金星
焼かれ人
硫酸はまるで言葉のようだ。使い方を誤れば人を傷つけ、痛みを与えるが、適切に扱えば魂を癒し、世界を美しく変える力を秘めている。私達は硫酸を、善意と思慮深さを持って用いることが求められる。
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
鬱憤、怒気、立腹、忿怒、憤懣、憤怒、忿懣の声...
赭く、噴火のごときその声は、大迷宮全体を轟かせた。
金星
俺はただ黙って、焼かれ人の話を終始聞いていた。
焼かれ人の気持ちはよく理解出来る。
それと同時に、あの女の子の気持ちも...少しは分かる。
突然、こんな異世界に飛ばされて、異形で醜い化け物に出会ったんだからまあ....
''仕方ない''と思う自分がいた....
金星
焼かれ人
金星
焼かれ人
金星
金星
金星
焼かれ人
焼かれ人
ふざけるなあああああ!!
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
金星
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
女というだけで世間の目は軽くなるんだ!!
ハッ!!?
金星
記憶の蓋が開きかけたような...
金星
焼かれ人
焼かれ人は一歩、また一歩と金星に近づいていく。
焼かれ人
焼かれ人
焼かれ人
普通の人間だ
金星
焼かれ人
金星
結果から話すと、俺は焼かれ人から逃げることに成功した。
焼かれ人の足は腐ってたから、足の速さは遅かった。