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テラーノベル(Teller Novel)

コツコツコツコツ...

焼かれ人から逃げ延びたはいいものの...

金星

(まずい...)

自分が今どの辺にいるのかが分からない。

どうする...

当てもなく...右側の壁を伝って歩いていた。

俺にはそれしか出来なかった。

金星

...ぁあ

何処まで続くのか分からない恐怖。

俺は大迷宮に捨てられた。

金星

...またおかしくなりそうだ

角を右に曲がると...

既視感を覚えた。

金星

これは.....

金星

この絵....

Stick Man、Bug、Mountain、Sun、Sea、Swim Ring、Castle...

雑で、汚くて、線が太い絵が天井、左右の壁全体に描かれていた。

金星

(戻ってきた...!)

金星

(てことは...近くに死体がある!)

金星

(それさえ見つけられれば、あとは逆算で入り口に戻ることが出来る!)

死体

金星

(見つけたぞ...)

金星

(ていうか...)

金星

死体に慣れてんの...俺ヤベーな

始めは酷く死体に怖がっていた男が、今は何とも思わなくなっていた....

人間の''慣れ''という習性に深く感謝するとともに、同時に恐ろしさも感じた

金星

......ハァ

地面に座り込み、少し休憩を取ることにした。

死体

.........

金星

........

俺は血だらけ、穴だらけの死体をじっくり眺めていた。

金星

(.....綺麗だ)

そう思い拭けていると同時に、視線を下にずらす。

金星

ん?

死体の腹の下に...

風...

金星

''風''?

金星

まさか!

死体

ゴソッ!

死体を横に転がした。

金星

やっぱあったか!

メッセージは2つあった。

''風が吹けば桶屋が儲かる''という言葉があるように、全ての行いには、無関心なものにも影響を与える。

ある雨の日に君が道路でただの暇潰し感覚で石ころを蹴り、それが電柱に当たって、その当たった衝撃が電柱の上で一休みしていた鳥まで届き、鳥はその衝撃に驚いてとなりの道路まで飛んで、偶然にも道を走っていたトラックのフロントガラスにぶち当たって、それに運転手は慌ててハンドルを誤ってトラックを横転させてしまい、歩行中の老人を轢いてしまった。

こんな風に、君はその2人のことは全く知らかっただろうし、興味もなかっただろう。でもそれなのに、君が石を蹴ったことによって、その2人に影響を与えてしまい、殺してしまった。こんなことは地球でいつも起こっている。

君が''私''に会ったことで、何処かに影響を与えて、それが表れた筈だ。もう一度自室に戻って再び探索を行うといい。何か変化がある筈だ。

変化...?

俺はこの言葉の通り、自室に戻ることを決意した。

角を左に2回曲がり...

金星

あった!!

ガチャッ

楕円形で混沌色のゲートを潜り抜け...

ギュオオオ!!

金星

ああ''!またこの感覚が!

搾り取られるようなこの感覚を感じながら...

スタッ...

目の前に広がるのは...

金星

やった...戻ってこれた...

酸味男

おお!!戻ってきたのか!

金星

酸味男!

テレビの前で座っている酸味男がいた。

テレビの画面が...ついてる?

金星

あれ?テレビどうしたんだよそれ

金星

映らなかった筈じゃ

酸味男

ああ!これか?

酸味男

何かお前が鉛筆削りの中に入って15分くらい?か経ったらさ!

酸味男

テレビついたんだ!

酸味男

今、面白いニュースやってっから、Youもここ座って一緒に見ようぜ!

金星

.........

金星

(そうか....)

''これ''があのメッセージが言ってた''変化''ってやつか!

だったら、見ないという選択肢は無い!!

金星

OK!

俺は床に座り、異世界のニュースにワクワクと心を走らせながら、テレビを見ることに。

テレビ画面にはニュース映像が映っていた。

金星

(背景が密林って...奇抜だな)

ニュースキャスター

続いての映像をご覧ください。

画面に海辺の風景と、砂埃が舞っている映像が映し出された。

ナレーター

これは昨日、マンマミーヤで撮影されたとされる映像。

ナレーター

砂嵐がどんどん迫り、あっという間に飲み込まれます。

金星

(うわぁ...やべぇ量だな)

ナレーター

視界はほぼゼロとなりました。

映像が切り替わり、道路が映し出される。

ナレーター

こちらもマンマミーヤの映像です。

ナレーター

道路に積もった大量の土砂を税理士が鍬でかきだしています。

ナレーター

今マンマミーヤでは最大規模の黄砂が発生しています。

ナレーター

これが明日にも、邪馬台国にやってくるというのです。

また映像が切り替わり、壮大な町の風景と、黄砂が舞っている映像が映った。

ナレーター

今日のマンマミーヤ。

ナレーター

建物が白く霞んでいました。

ニューススタッフ

こちらはマンマミーヤ支局のスタッフのバイクです。

サッサッ...(拭く音)

ニューススタッフ

ええ~、この通りですね

ニューススタッフ

白いヤスリでバイクの座る部分を拭いて見ますと...

男性がこちらにヤスリの裏面を見せてきた。

ニューススタッフ

黄砂がべっとりと付着してしまいます。

ニュースキャスター

映像は以上となります。

ニュースキャスター

皆さんが外出して、もしも砂を見かけたら、是非この''NEWS''を思い出して見てください。

金星

(NEWSを思い出してみる...か)

これも何かのヒントになりそうだな

ニュースキャスター

続いての

ガッガガガガガ ガガガガギガギガガギガガガガガガガガがががギガギギガギガガガガガッガガガガガ ガガッガガガガガ ガガッガガガガガ ガガッガガガガガ ガ

金星

アアア''アア''!

耳を塞ぎたくなるような豪快な不快音とともに映像が途切れ、砂嵐映像になってしまった。

金星

(へ?...)

俺の頭の中には?しか浮かばなかった。

全く意味が分からない。

金星

何だよこれ...

助けを求める女

助...て

金星

女の声が...テレビから微かに聞こえた。

俺は気になり、耳をすませてみた。

助けを求める女

誰...

助けを求める女

わた...監...れて

金星

(.....んん''?)

途切れ途切れで、全文が上手く聞き取ることができない。

助けを求める女

た......願....

プツン

酸味男

あ、消えた

金星

そんな...!

トンッ!ドンッ!

咄嗟に俺はテレビにチョップを叩きこみ、テレビが再びつくことを願った。

金星

....駄目だ、つかねえ

金星

........

最後のあの声...

''助けて''、''監禁されている''って言ってなかったか?

金星

(...これも何かに関係がありそうだ)

酸味男

テレビ消えちゃったし

酸味男

俺もう寝るわ

金星

お、おう...

酸味男は眠そうな目を手で擦りながら、炬燵の中に入っていった。

金星

(え、寝るの?)

炬燵の中から顔だけを出し、俺の方を向く。

酸味男

お休み~

酸味男

起こさないでよね~

酸味男

zzzzz...

金星

(本当に寝やがったぞコイツ...)

金星

ああ...くっそ、やべえ

金星

情報が多すぎる

大迷宮、モンスター、家、森、足元、牢屋、偉そうな女、懇願、死体、絵、焼かれ人、NEWS、助けてという女の声、自室に変化...

金星

まだ分からないことだらけだけど

金星

まずは目の前のことに集中しなくちゃな

自室の変化...

金星

さっきのテレビには確かに変化があった

金星

最初はつかなかったテレビがついたし...

金星

けど、映像には大迷宮を突破する手掛かりはようなものはなかったぞ...

金星

いや...

金星

(もしかしたら映像に大迷宮を突破するためのヒントがあったけど...)

金星

(俺の頭が悪いだけで、真の意味で理解できていないだけかもしれない...)

金星

...

歯軋りをし、悩みに悩んだ。

金星

くっそ...

そんな思いを胸に抱えたまま、俺はとりあえず自室の探索を始めた。

金星

(変化はテレビ1つだけって訳じゃない可能性だってあるんだし)

金星

(全部探すことに集中だ)

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