誰も知らない場所

俺は小学生の時に親を亡くした

交通事故で2人とも。

母親の姉が引き取ることになった

その家の子供がユウだった

でも

本当に弟みたいに思ってた

なにかあったら守るって決めてた

おれらはいつも一緒だった

俺はユウと同じ小学校に転校した

ユウはクラスでも人気者のようで

いつも周りには人だかりができてた

転校してばっかで馴染めてなかったけど

ユウのおかげでクラスにも段々慣れていった

ユウのグループにも仲間入りして

毎日たのしかった

ユウが死んだことは

すぐに学校中に広まった

中学のメンバーはほぼ小学校と変わらなかったので

ユウを知らない人はほとんどいなかった

あちこちでユウの噂がされた

「なんで死んだのか」

「病気だったんじゃないか」

「事故なんじゃないか」

先生たちはもちろん本当のことを言わなかった

自殺だなんて。

俺は親族として唯一知っていた

だからいろいろ聞かれた

でもうんざりだった

ユウの話を

してほしくなかった。

ある日のことだった

クラスメイトが数人

ユウの机の周りで笑っている

ユウと一緒にいたグループのやつらだ

もちろん俺もそいつらとよくいた。

そこには傷だらけになった

ユウの机があった

数人がカッターを持っていて

それでユウの机を傷つけていた

なんだよこいつら。

そのあとの記憶は薄い

ただ、"俺が悪い"と誰もが言ってた

俺は全治数ヶ月の怪我を負わせたとして

停学になった