『神田サン、オレのことすきなの？』

脳裏でリピートする声

そのとき

<ピンポンパンポーン> 神田麻友さーん 1年の神田麻友さーん 放送室きてーくださいー

散々話して和解したあと

文化祭は終わりで教室に戻るようにと麻友ちゃんが放送する

柚希は１つ大人になった

きっと柚希もあたしと同じことを思ってる

多分柚希はもう一度、最後に友達に戻ろうと言おうとしていた

だけど言っちゃいけないと思った

あたしたちは似た者同士だ

でもだからこそ一緒に居ちゃいけない

相手を自分にみて許してしまい、お互い成長しないから

ありがとう、柚希

初々しいなおい

てか弥緒って呼んでるし！

やっばい緊張する…

こんなの初めてだから…

桜庭くんはモテるからこんなの慣れっこなんだろうな

どうせ星亜先輩がすきなんでしょ？

ああまたネガティブ思考に…。

桜庭くん

初恋を、ありがとう。

ガラッと教室のドアを閉める音をききながらぼーっとする

オレが興味本位で神田サンに近づかなかったら

神田サンはもっといい奴に会ってたろうに

と、今更悪いなと思う

星亜センパイがすきなのに

何か苦手意識されるととことん近づきたくなる

まあ多分理由は、固定観念で見られてんのがやだから

だって思わん？

オレのことキライとかニガテって対して関わったこともないのにひどくね？って

だって

桜庭桜庭ってよりたかってくる女子たちと

同じように見えてしまったから。

こーやって独り言を呟いたことは、誰にも言うつもりはない。