八月三十一日 晴天 私は夏がとても好きです。 今日は、私の従兄弟、夏に会いました。 向日葵を持って、笑う姿が綺麗でした。
夏(ナツ)
おーい!
夏(ナツ)
美夏おねぇ!
夏(ナツ)
どう?僕の姿!
美夏(ミナツ)
おー!
美夏(ミナツ)
やっぱり夏は可愛いよ!
夏(ナツ)
えへへ……
夏(ナツ)
そうだ!僕とっておきの場所見つけたの!
夏(ナツ)
秘密の場所なんだけど……
美夏(ミナツ)
……お
美夏(ミナツ)
ほほう……
美夏(ミナツ)
今の夏にピッタリな場所だねぇ!
夏(ナツ)
でね!
夏(ナツ)
1度は美夏おねぇにも行って欲しいなって……
美夏(ミナツ)
……でも
美夏(ミナツ)
どうやって見つけた?
美夏(ミナツ)
彼処さ結構森の奥深くだけど……
夏(ナツ)
こっそり見てきたから……
美夏(ミナツ)
おっかあに内緒で?
夏(ナツ)
そそ!
美夏(ミナツ)
私今日地元さ帰るけど
美夏(ミナツ)
今日行ってみない?
夏(ナツ)
おー!
夏(ナツ)
行くいく!
美夏(ミナツ)
ならその場所に集まろっか!
秘密の場所を教えて貰いました。 そこに集合する約束をしました。
約束の時間になっても、その秘密の向日葵畑には夏は来ませんでした。 私はずっと待ってました。
夜中になったら、頭にラヂオの音声が聞こえました。
小学生男児が自動車に撥ねられ、即死だった事件から10年経ったという内容でした。
私は、思い出しました。
お母さん
……ねぇ
お母さん
あの子まだ帰ってこないの……
お母さん
まだ
お母さん
夏がいるだなんて思ってるんだわ……
夏が、10年前に死んだこと。
美夏(ミナツ)
……夏?
美夏(ミナツ)
夏…なの…?
美夏(ミナツ)
いや……
美夏(ミナツ)
夏は……そこに……
すると、夏は来ました。 これが最期の夏でした。
夏(ナツ)
美夏おねぇ
夏(ナツ)
どう?綺麗でしょ?向日葵畑。
夏(ナツ)
夏って、楽しいね!
美夏(ミナツ)
……
美夏(ミナツ)
うん
美夏(ミナツ)
綺麗だねぇ……
夏色に囲まれて、私は、幸せです。