カン
カン
カン
カン
カン
カン
カン
カン
カン
カン
足を進めるにつれ
頭に響くその音は 段々と大きくなっていく
春希
春希
春希
カン
カン
カン
カン
抜け殻のようになった僕は
その音に引っ張られるように
線路へと導かれていく
カン
カン
近づくその音に 合わせるように
僕の鼓動も支配されていく
春希
遠くに電車が見え
僕は遮断機に手をかけた
ーその時
ぐいっ
春希
急に後ろから 強い力で腕を引かれ
僕は後ろへ倒れ込む
…と同時に
と大きな音を立て
電車が僕の前を通過する
強い風と
眩しい車内の光
春希
思わず呼吸を忘れる
カタタン カタタン
電車が遠くなり 再び暗闇に戻ると
僕はようやく我に返った
春希
漠然とした恐怖が支配し
僕は立ち上がれずに 線路を見つめていた
ーその時
?
耳元に低い声が囁く
春希
弾かれたように声のする方を向くと
黒い霧の塊
…の中に 血濡れの骸骨が覗いていた
春希
あぁ、
人って恐怖を目の前にすると 悲鳴すら出ないんだな…と
なのに僕は「それ」から 目をはなせずに
座り込んだまま凝視する
?
?
?
?
「それ」は ケタケタと笑いながら続ける
その見た目とテンションの矛盾が
かえって僕の中の 恐怖を膨らませる
?
?
?
?
?
?
春希
ここでようやく声が出たが
しまった
「気付かないふりが 正解だったかもしれない」と
「それ」に問いかけて しまったことを後悔する
いやでも
「それ」を見てしまった時点で 手遅れだったのかも
?
?
?
死神?
死神って確か 人の命を奪っていくんじゃ なかったかだろうか
春希
春希
?
?
?
そういうと 死神は こほん、と咳払いをする
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
春希
春希
グドラ
グドラ
グドラ
春希
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
春希
春希
グドラ
グドラ
春希
グドラ
グドラ
春希
グドラ
グドラ
グドラ
グドラは少し声のトーンを落とした
…と思いきや
急に地べたに寝転がり
子供のように駄々を捏ね出す
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
春希
グドラ
グドラ
グドラ
春希
グドラ
春希
グドラ
春希
断言はできない
何故かそう思ってしまい言葉につまる
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
春希
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
春希
春希
グドラ
春希
思わず話を聞いてしまったものの
あまりにも現実味のない内容に 僕は黙り込む
その「非現実」が 今目の前で起こっている訳だが
夢だよな…
そう思っても
服の隙間から入り込む 風の冷たさや
踏切の光
そして、グドラとかいう死神の 低い声が
僕の僅かな期待を裏切ってくる
グドラ
グドラ
春希
グドラ
春希
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
グドラの言う通り
このまま帰ったって
僕には帰りを待つ家族も
僕が死んで 悲しんでくれるような友人も
なーんも ない
春希
どうにでもなれ
と思った
春希
春希
グドラ
グドラは僕の即答に 流石に驚いた声を出す
春希
春希
春希
グドラ
グドラ
グドラ
提案したグドラがオドオドしている
…変なの
グドラ
グドラ
グドラ
春希
春希
春希
春希
春希
グドラ
グドラは返事をすると 僕のすぐ近くまで接近する
春希
春希
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
グドラ
春希
グドラ
グドラ
グドラ
春希
グドラが不気味な呪文を 唱え出すと同時に
僕の頭に激痛が走った
春希
そこからの記憶はない
「ようやく死ねる」
…そう思った
つづく! 次回もおたのしみに!
コメント
13件
次はいつられんになるでしょうか?
グドラこの時いつもよりめっちゃホラーですね!
と、と、とても、良かったです……!!知らない春希君の表情が見れて、倒れてしまいました…。続き楽しみにしてます……