橙くんが帰りたくないと言ってから、鎖は外した
逃げようとしない君を見て嬉しい反面
少し物足りない
紫
橙くん、お仕事行ってくるね
橙
いってらっしゃい
そう言って微笑む君は可愛いけど
まだ隠しきれない不安と俺に対する恐怖が見え隠れして
すぐにでもぐちゃぐちゃにしたい衝動に駆られる
でも
紫
(今はがまん、だよね♡)
紫さんが家を出て数時間
鎖を外された手足は暴れたせいで傷だらけ
汚い傷に優しく薬を塗ってくれた紫さん
優しくてなんだか恐ろしい
橙
(考えるの、やめよ)
数時間後
橙
ぅ゛ッぐすっ(ポロポロ
橙
う゛〜〜ッッ(ポロポロ
どうしてかとてつもなく悲しい
なんで俺生きてるんやろ
こんな約立たずでゴミみたいな奴に優しくしてくれる紫さんに申し訳ない
死にたい
消えたい
くるしい
ぐるぐると色んな考えが浮かんでいく
橙
ぅ゛ッあぅッ(ポロポロ
でもどんな考えより一番に浮かぶのは
橙
さみしいッ(ポロポロ
紫
ただいま〜
橙
ぅ゛ッえぐッ(ポロポロ
紫
どうしたのぉ、(ギュッ
帰ると泣きじゃくる橙くんが座り込んでいた
橙
紫ッさ、(ポロポロ
紫
紫ーくんでいいよ
橙
紫ぁくッ、(ポロポロ
橙
ごめッ、ぅ゛ッ(ポロポロ
紫
どうしたの、怖くなっちゃった?
橙
うんッ、ごめッなさぁ、(ポロポロ
紫
いいんだよ
紫
大丈夫、大丈夫(ナデナデ
そうだよね
怖いよね
悲しいよね
だってそうなるようにしたんだもん
俺が飲ませたおくすりの副作用
本来はハイになるために飲むものだけど、少量だと気持ちが沈んだり落ち込んだりするだけになる
気づいてないんだね
俺が優しい人だって思ってるんだね
俺のせいでいっぱいぐちゃぐちゃになってね
俺のことだけ好きになってね
俺の事だけ見ててね
愛してるよ
紫
大丈夫だよ(ギュッ
紫
俺がいるからね...♡