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僕は先輩の話を真剣に聞いた。
話しているときの先輩の顔は、見たこともない悲しそうな顔だった。
咲野藍
咲野藍
先輩の顔は笑っていた。
けど手が震えていて、今にも泣き出しそうな顔だった。
これは、強がりです。
見た瞬間にわかった。
先輩は自分の気持ちを伝えるのが不器用過ぎだ。
咲野藍
成瀬春樹
成瀬春樹
僕は先輩を今までのどんなハグよりも強く抱き締めた。
強く、強く、強く、強く。
成瀬春樹
成瀬春樹
成瀬春樹
咲野藍
ただその一言が言いたかった。
きっと先輩は、「辛い、苦しい」とか家族、友達に言えなかったんだろう。
だから、ずっと1人で抱え込んで苦しかっただろう。
僕は馬鹿だ。
そんな先輩の気持ちも考えないで、先輩の前で親とかの話を沢山してしまった。
なんて馬鹿野郎なんだ。
咲野藍
咲野藍
咲野藍
成瀬春樹
成瀬春樹
咲野藍
そう言う先輩の顔には涙が溢れていた。
先輩は、声を殺して泣いていた。
今までの苦しみを全部吐き出すかのようにように。
成瀬春樹
咲野藍
成瀬春樹
先輩の話を聞いたら、先輩のことが心配で心配でたまらなくなった。
だから、ずっと隣に居たくなった。
咲野藍
成瀬春樹
先輩が目を潤せながらそう言った。
こんなに泣いたのなら、僕は先輩の頭を撫でたくなってしまうが、嫌われたくないのでやめといた。
咲野藍
成瀬春樹
咲野藍
咲野藍
咲野藍
嬉しかった。
先輩に、大好きな人にありがとうと言われることが。
成瀬春樹
成瀬春樹
成瀬春樹
成瀬春樹
成瀬春樹
咲野藍
僕は、「今告白したらいけるんじゃね?」と考えたが
この場の雰囲気的にもやめた。
その後先輩はずっと声を押し殺して泣き続けた。
ねぇ先輩。
僕先輩の過去を聞いても嫌いになりませんでしたよ。
むしろ、もっと守りたいって、もっと先輩のことを知りたいと思ってしまいました。
私は、嫌な過去を思い出して赤裸々に話した。
話している時に、こいつが私の顔を見てくるからキモイなとずっと思っていた。
咲野藍
咲野藍
私は、今の気持ちを押し殺して笑顔で言った。
口が裂けても笑え。
私が得意なことはもう「強がり」しか残っていないんだから。
それすら無くなったら私にはもうなにもないんだから。
でも、手は震えていた。それがいけなかった。
咲野藍
成瀬春樹
成瀬春樹
いきなり抱きついてきた。
だけど今までみたいな嫌なものではなく、ただただ温かかった。
成瀬春樹
成瀬春樹
成瀬春樹
咲野藍
嬉しかった。
今まで誰にも迷惑かけないように「辛い、苦しい」と言えなくて
やっと誰かが悪くないと言ってくれて。
認めてくれて。
誰かにこんなに暖かく抱きしめられたのはいつぶりだろう。
今はそれが安心する。
咲野藍
咲野藍
咲野藍
成瀬春樹
成瀬春樹
咲野藍
私の目からは涙が溢れていた。
人の前で泣くなんて、ましてやこいつの前で泣くなんて大恥だ。
私は声を殺して、殺して、泣いた。
成瀬春樹
咲野藍
成瀬春樹
成瀬春樹
いつもの私だったら即断っていただろう。
でも今は私も人肌に触れていたかった。
咲野藍
成瀬春樹
咲野藍
咲野藍
咲野藍
お礼なんて言うつもり無かった。
だから、恥ずかしくて今頃顔が真っ赤だろう。
成瀬春樹
成瀬春樹
成瀬春樹
成瀬春樹
成瀬春樹
咲野藍
あぁ...ダメだ。
今日は、涙が次々と溢れてくる。
ずっと泣くの我慢してたからかな。
私は分からなかった。
私の過去を聞いてもなお、いやそれ以上にこいつがなぜ優しくしてくれるのか。
私は、こいつの優しさに疑問を抱いていた。
今まで誰にも必要とされなかった私には
その優しさがよくしみる。
私はその後も目が腫れるぐらいの涙が出てきた。
咲野藍
さすがに秋の下旬となると寒さが本格的になってくる。
成瀬春樹
カイロ持ってくればよかった...。
今更こいつがここにいることに疑問を持たない。
桜良、芽衣はこの時間は絶対に受けなきゃいけない授業があると言っていた。
成瀬春樹
咲野藍
成瀬春樹
そう言うと私の片方の手を握り温めてきた。
成瀬春樹
咲野藍
成瀬春樹
藤岡知子
私はこいつのことを全力で使うことにした。
成瀬春樹
咲野藍
先生と2人きりの保健室は、なんだか緊張する。
藤岡知子
咲野藍
藤岡知子
咲野藍
そんな昔のことなんて忘れた。
思い出せない。
咲野藍
藤岡知子
咲野藍
藤岡知子
咲野藍
咲野藍
藤岡知子
私は変えたい。
「努力しても無駄」という考えを。
そして過去から逃げてる今の自分も。