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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

⚠︎ ここから先のお話は宗教が大いに絡んでおります。 苦手な方は早急にご覧をお控えください。

アツシ・ドストエフスキー

へ、変な夢を見たなあ……

アツシは頭をぽりぽりかきながら、

ベッドから足を出した。

そこでふとあることに気がついた。

アツシ・ドストエフスキー

あれ、僕、こんなに長い服なんて着てたっけ?

足首まであるワンピースのようなものを着ていた。

しっかりとした黒色の生地に

金色の刺繍が施された

まるで神父のような……

アツシ・ドストエフスキー

……シグマさんが着ていたものに、似ている……

シグマの服は白色で

もっと刺繍が施されていて、

赤い縁のマフラーのようなものを肩にかけていて……

コンコン

ふと、扉を叩く無機質な音がした。

はい! と扉を開けると、

そこには神父の格好をしたシグマと

アツシの着ている服と同じ服をきたゴーゴリの姿があった。

シグマ

いきなり来てごめんね

アツシ・ドストエフスキー

あ、いえ、構いません……

シグマ

少し、言いたいことがあるんだ

アツシ・ドストエフスキー

言いたいこと?

ニコライ・ゴーゴリ

さすがに騙し続けるのはきついよ〜!

ニコライ・ゴーゴリ

私は道化師だけど、一端の信者にすぎないしぃ

アツシ・ドストエフスキー

信者……?

シグマ

余計に話がごちゃごちゃになるだろ

シグマがゴーゴリの腹を突く。

ニコライ・ゴーゴリ

あいて

シグマ

きっと、アイツはいつも通り一週間近くは帰ってこない

シグマ

考える時間はたくさんある

シグマの言葉にアツシは目を丸くして驚いた。

アツシ・ドストエフスキー

一週間……?

今までドストエフスキーは出かけた日の夜には帰ってきていたのに。

アツシ・ドストエフスキー

あの人は、いつも通り、今日帰ってくるんじゃ……?

ニコライ・ゴーゴリ

ちがうよ

落ち着いた声でゴーゴリがなだめる。

アツシの頭の中はもう、ごちゃごちゃだって。

思い出してみよう。

ドストエフスキーとの出会いはなんだった?

近所のカフェで出会った。

付き合ったきっかけは?

ドストエフスキーの一目惚れによる告白からだった。

婚姻を結んだのは?

つい、最近……

のはず、なのに……

アツシ・ドストエフスキー

カレンダー……

壁にかけられたカレンダーにはあと一週間後で

結婚記念日とアツシの字でデカデカと書いてあった。

ニコライ・ゴーゴリ

やっぱり、君には真相を知ってもらわなくちゃ。

ニコライ・ゴーゴリ

ドスくんが救われるためにはね。

ニコライ・ゴーゴリ

いいや、ドスくんじゃなくて、私たちの先生のために、ね。

谷崎潤一郎

結局、何一つ、得られませんでしたねえ……

谷崎潤一郎

振り出しに戻るとは夢に思わなかったよ……

谷崎ナオミ

本当。敦さんは何処にいるんでしょう?

谷崎兄妹がへろへろと疲れ果てた様子で車の一番後ろの座椅子にもたれかかる。

その谷崎兄妹の右側に鏡花が座っている。

そしてその前の席に中原と芥川、太宰が座っており、

そして運転をつとめる国木田の助手席に江戸川が座っている。

時刻は夕方六時。

一年ものの時が流れているのにも関わらず、

手がかりは一向に掴めない。

いや、掴もうとするが消えてしまう。

掴んでも、嘘となってしまう。

まるで、小栗虫太郎の完全犯罪のように。

中原中也

こんな巧妙に隠しやがって……

中原が舌打ちをする。

芥川龍之介

……しかし、おかしな話ではありませぬか。

ふと、芥川が口を開けた。

泉鏡花

……どういうこと?

芥川龍之介

こんなにも巧妙に隠しているというのに、

芥川龍之介

魔人がチラつかせる手がかりは、

芥川龍之介

どれも信憑性のあるものばかり。

芥川龍之介

だが、その信憑性を確かめる術がないが故に、行き止まっている。

芥川龍之介

まるで見つけてくれと懇願しているようだ。……

芥川龍之介

……そうでしょう? 太宰さん

みなが一斉に芥川から太宰へと視線を向ける。

太宰治

……まったく。芥川くんの言う通りだよ。

太宰治

……変な、話だ。

太宰治

得ようとするたびに消えるというのに、

太宰治

得ようとしかけた手がかりは、なぜかどれもが……

私の記憶の中に存在する“兄”の姿がチラつくのだから。

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コメント

8

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頭こんがらがってきているが唯一これが神だと言う事だけは分かる()最高

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