ピーンポーン
雨宮 育斗
あ、圭人かな?やっと来たか
放課後遊ぶ約束をしていた俺は圭人が来るのを待っていた
俺が玄関のドアを開けると、そこにはニコニコ顔の圭人が立っていた
森田 圭人
ちっす!
森田 圭人
上がっていいか?
雨宮 育斗
どうぞ
森田 圭人
んじゃあ遠慮なく上がらせてもらうわなー
そう言って圭人は俺の部屋に入って行った
森田 圭人
おー!ここがいくさんの部屋かー
森田 圭人
なんて言うか、家具が少ないっていうか、生活感ないんとちゃう?
俺は人間界に今日送り込まれたばっかりだ。家具は必要最低限しか用意されていない。大体悪魔というのはそんなに物は必要としない。火は指1本あれば指先から簡単に出すことができるし、トイレなんて行ったこともないししなくても大丈夫だ。
食事も本当はしなくてもなんともないが、人間達には食事とは大切なことらしい。
雨宮 育斗
そうか?
そう言いながら俺はある気配に気づいた
森田 圭人
親は?おらんのか?
雨宮 育斗
俺は一人暮らししてるからな。
悪魔の親は悪魔界にいる そう心の中で思いながら俺は圭人に問いかけた
雨宮 育斗
お前さ、
雨宮 育斗
悪魔だろ。
森田 圭人
は?唐突やなー
森田 圭人
なんでそう思ったん?
雨宮 育斗
気配だよ、
森田 圭人
気配?
雨宮 育斗
そう。学校では人間が多すぎて気づかなかったが、2人きりになって気がついた。
森田 圭人
やっぱわかるもんやなぁ、
そうや、俺は悪魔や
そうや、俺は悪魔や
森田 圭人
俺ももしかしたらって思ってん
森田 圭人
やからこんな生活感なかったんか、納得やわ
雨宮 育斗
お前はなんで人間界に来たんだ
森田 圭人
んー、恋してみたかったから...かな?
雨宮 育斗
はぁ?
雨宮 育斗
なんだ、その恋って
森田 圭人
俺も詳しくは知らんよ。
森田 圭人
でも地獄に来た人間の魂があの女許さないとか何とか言っとったんや。
雨宮 育斗
森田 圭人
何言っとるんやろーって思ってな。
森田 圭人
そいつに聞いてみたんや
森田 圭人
そしたらそいつ、あいつを好きにならなければあの男と喧嘩してお互い死ぬなんてことはなかったって言っとった
森田 圭人
そんなことになるほど恋って凄い力なんやなーって思ってな、
雨宮 育斗
へー、それで恋しようと思って悪魔界から脱走したと?
森田 圭人
正解〜!
森田 圭人
よー分かったなぁ
雨宮 育斗
お前悪魔界戻ったらぜってー怒られるぞ
森田 圭人
お前は?
雨宮 育斗
あ?
森田 圭人
なんでここに来たん?
雨宮 育斗
悪魔界でやらかした
森田 圭人
はぁ?
雨宮 育斗
3年間人間界で生活だってさ
雨宮 育斗
早く戻っていじめたい
森田 圭人
ハハハハッ笑
雨宮 育斗
なんだよ
森田 圭人
ダサすぎて笑
雨宮 育斗
うっさい黙れ
森田 圭人
あーこわ。
森田 圭人
まー、人間界思ったより楽しいから
雨宮 育斗
それはない
森田 圭人
なんで?
雨宮 育斗
あいつらの考えてる事が分からなすぎて疲れる
森田 圭人
そこがおもろいのになー
雨宮 育斗
明日朝からうるせーだろどうせ
森田 圭人
いくさんイケメンだからねー
森田 圭人
羨ましいけどなー
雨宮 育斗
それお前が言うか笑
森田 圭人
あ、笑ったー
雨宮 育斗
まあ、そんなこんなで一日が終わり、次の日になった。
今日も学校か、そう思いながら学校へ向かう。
恋には興味が無い俺は圭人の気持ちが理解できない。