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シングルマン2

3 - シングルマン2 第3話

♥

148

2021年09月20日

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~スミレセレモニー~

バトラー

それではリョウ様、こちらへ

リョウの前にはずらりと女性たちが並んでいる

皆、緊張した面持ちだった

リョウはスミレの鉢を眺めたまま、黙っていた

ミカコ

今回は一番上の段に立っている人全員

ミカコ

それで5人になるから…

リョウ

守屋ミカコさん

リョウ

スミレを受け取ってもらえますか?

ミカコ

はい。嬉しいです

リョウは頭を下げた

リョウ

茨城カホさん

リョウ

スミレを受け取ってもらえますか?

カホ

私にくれるんだ?

リョウ

…………

リョウ

松木エミさん

リョウ

スミレを受け取ってもらえますか?

エミ

リョウさん、だーいすき!!

    ざわざわざわ…

ざわざわざわ…

花嫁たちは

徐々に異様さに気づいたようだった

リョウは下段から、ひとりひとり名前を読み上げていた

無論、そのままではスミレが

最上段にはいきわたらない

シズカ

ねえ…このままじゃ私たち…

サエコ

…死ぬ、よね?

ナオ

私なんてまだ話してない…

カオリ

…私だって、話してない

上段の花嫁たちは真っ青になった

そのときだった

ユウリ

ふざけてるの!?

ユウリ

真面目に花嫁、選ぶ気ないじゃん!!!

最上段の左端に立っていたユウリが啖呵を切った

ユウリ

ちゃんと選ぶ気あるのかよ!!

ユウリ

じゃなきゃ降りろ!!!

ユウリ

お前なんて花婿失格なんだよ!!

バシュン!!!!!

ゆらり、とユウリが揺れたかと思えば

次の瞬間、どうっと後ろに倒れた

カオリ

キャーーーーー!!!!!!!

ユウリの頭部からは真っ赤な液体がどくどくと出ていた

カオリは絶叫し続けた

バシュン!!!

カオリ

ギャア!!!

バトラー

おっと、失礼しました

バトラー

まだリョウ様は最後のスミレを渡す前でしたが

バトラー

番組のスムーズな進行と

バトラー

最初のスミレセレモニーということで

バトラー

見本として、私が手をくださせていただきました

スミレを持ったリョウの手が震える

リョウ

あ…あ…

バトラー

まさか、リョウ様

バトラー

こんな文句ばかりの女性

バトラー

結婚相手になんて選びませんよねぇ?

シン…と会場が静まる

バトラー

やっと静かになりました

バトラー

さあ、最後のスミレをお渡しください

リョウ

あ…あ…

リョウ

町田…リノン…さん

リノン

リョウ

スミレを受け取って、もらえ、ますか

リノンはぶるぶる震える手でスミレを受け取った

リノン

ユウリちゃん、口は悪いけど、悪い子じゃないんです

リノン

あの、ま、マスカラ、つけ、てくれ、て

バトラー

スミレをもらった花嫁候補は早く移動しなさい

リノン

は、はいっ…!

リノンは顔をぐしゃぐしゃにさせながら走っていった

バトラー

さて

バトラー

これですべてのスミレを渡し終えましたね

バトラー

今回脱落は5名

バトラー

もうすでに1名死亡。もう1名は太ももに撃ち込み、虫の息

バトラー

人数が若干多いので、処刑はこちらで執り行います

バトラー

それでは選ばれし女性たちはこちらで

バトラー

リョウ様と一緒にご観覧ください

シズカ

待って!!

そのとき、1人の女性が段から走り出てきた

シズカ

私たちの話を聞いて!!

リョウ

シズカ

この日のためにみんな

シズカ

みんな努力してきたの!

シズカ

死にたくないって気持ちもあるけど

シズカ

私はリョウさんの紹介VTRを見たとき

シズカ

シャイで、でも、どこか放っておけない雰囲気を感じた

シズカ

この人のこと、好きになれるかもって思った

シズカ

私だけじゃないと思う!そう思ったのは!

シズカ

だからね、ちゃんと私たちをもっと

シズカ

もう少しだけ見てほしいの!

シズカ

こんな感じで会いたくなかった

シズカ

でも──

パシュン!!!

リョウ

あっ!!!

バトラー

はあ、つまらないですね

バトラー

敗者の負け惜しみほどつまらないものはない

バトラー

リョウ様は優しいから

バトラー

命乞いをすればなんとかなると

バトラー

思ったんでしょうけれど

バトラー

スミレを渡されなかった時点で

バトラー

死は決定しているのです

ナオ

いやあああああああああ!!!!

パンパンパン!!!

バトラー

ふう

バトラー

今回のシングルマンも面白くなりそうですね♪

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