教師
菊池 この問題を答えてみろ
菊池 美羽《きくち みう》
眠くてぼーっとしていたら突然指名された
菊池 美羽《きくち みう》
芹田 海《せりた うみ》
菊池 美羽《きくち みう》
教師
だが …話は聞いとけ
菊池 美羽《きくち みう》
軽く謝って 、席に座り直す 。
菊池 美羽《きくち みう》
海の方に視線をちらっと向けては 、 感謝をするように手を静かに目の前で合わせた 。
教師
今日はここまでだ 。
数学科の先生が時計を見ては 少し早めに授業を終了した 。
クラスメイト
ありがとーございました
号令がかかった途端 、一斉に立ち上がった
菊池 美羽《きくち みう》
芹田 海《せりた うみ》
今日の帰りスタバ奢りね ?
高野 夏芽《たかの なつめ》
菊池 美羽《きくち みう》
高野 夏芽《たかの なつめ》
その分何でもするから!
菊池 美羽《きくち みう》
苦笑しつつ 、2人にスタバを奢ることにした
高野 夏芽《たかの なつめ》
芹田 海《せりた うみ》
まさか本当に奢られるとは
へらへら 、と笑う海に 『大丈夫だよ、お金返してくれれば』と平然なフリをした
芹田 海《せりた うみ》
美羽は
菊池 美羽《きくち みう》
3人で行かない ?
高野 夏芽《たかの なつめ》
ごめーん!私 、決まってて
芹田 海《せりた うみ》
菊池 美羽《きくち みう》
芹田 海《せりた うみ》
私変な嘘つかないし
菊池 美羽《きくち みう》
でも なっちゃんは先約が_
高野 夏芽《たかの なつめ》
再び 、パチン と音を鳴らして両手を合わせられた
菊池 美羽《きくち みう》
海と楽しんでくるよ
芹田 海《せりた うみ》
菊池 美羽《きくち みう》
高野 夏芽《たかの なつめ》
菊池 美羽《きくち みう》
そこで2人と別れて 1人で黙々と帰り道を歩いた 。
飲みかけのカフェモカを片手に ひたすら帰り道を歩き続けた
菊池 美羽《きくち みう》
やっぱり 、凛と行く他の相手さんは 夏芽ちゃんなのかな 。
菊池 美羽《きくち みう》
そういうことになるよね 。
2人が話してる姿は何回か偶然見かけたことがある
私の前ではあまり出さない 大切な人の、凛の 、楽しそうな表情 。
菊池 美羽《きくち みう》
母親
菊池 美羽《きくち みう》
母親
夕ご飯出来たら呼ぶわね
菊池 美羽《きくち みう》
通学カバンは床に直置きして 制服のままベッドに横たわった 。
菊池 美羽《きくち みう》
凛には 。
いまだに夏芽と話してる凛の楽しそうな表情が脳から離れない
菊池 美羽《きくち みう》
あんなに楽しそうな表情
1人で天井を見つめて独り言を呟いてると スマホに着信が鳴った 。
菊池 美羽《きくち みう》
芹田 海《せりた うみ》
菊池 美羽《きくち みう》
芹田 海《せりた うみ》
夏芽の時だけ辛そうだった
菊池 美羽《きくち みう》
鼻を軽くすすり 、微笑んだ 電話で海の声を聞くのが今は幸せに思える
芹田 海《せりた うみ》
菊池 美羽《きくち みう》
凛、なっちゃんと行くから
芹田 海《せりた うみ》
菊池 美羽《きくち みう》
彼女にならなきゃ良かった
芹田 海《せりた うみ》
菊池 美羽《きくち みう》
芹田 海《せりた うみ》
今度のお祭りで何食べる?
菊池 美羽《きくち みう》
やっぱりフルーツ飴でしょ
芹田 海《せりた うみ》
楽しみだなあ、お祭り
菊池 美羽《きくち みう》
芹田 海《せりた うみ》
菊池 美羽《きくち みう》
心配かけて 。
芹田 海《せりた うみ》
じゃあ、また明日学校でね
菊池 美羽《きくち みう》
ほんの一瞬だけだったが 海と話すのが楽しいと思えた 。
菊池 美羽《きくち みう》
再び小さく独り言を呟いた
母親
菊池 美羽《きくち みう》
このまま 、楽しい時間が続けばいいのに
菊池 美羽《きくち みう》
母親
菊池 美羽《きくち みう》
大好きなハンバーグを食べていると 辛いことなんて全部吹っ飛んだ
菊池 美羽《きくち みう》
やっぱりお母さんのハンバーグは格別 !
母親
母は微笑みながら 私を見つめた
母親
凛くんとの話聞かせてよ
その発言が母の口から出た途端 食べる手は自然と止まった
菊池 美羽《きくち みう》
けど 、楽しかったことだけ話して 辛かったことは話さなかった
母親
菊池 美羽《きくち みう》
凛と一緒にいたら全部楽しいもん
意地でも笑顔を作った 。
菊池 美羽《きくち みう》
母親
流しに出しておいて
菊池 美羽《きくち みう》
あんなことを言ったら、 きっと母は追及してくるだろう。
なんとか誤魔化さないと…







