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コメント
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ー大吾sideー
大ちゃんか。そんな風に呼ばれたの、初めてやな。 彼、いや、流星と出会ってから、全く動かなかった表情筋が、 少しだけ動いてることが何となく分かった。 愛情が痛いことされることだって思い込んでるのとか、 ご飯がなぜ用意されるのかとか、名前で呼ばれるのが 初めてだとか......かなりの訳ありなのは分かった。
大吾
包丁を洗って、じっと見てると、やっぱ刺してみたいなぁって、 思ってきた。流星、殺されたがってたし、丁度いいか。
そう、包丁を手に、座ってる流星の元へ近づいて、 刺そうと腕を引いた。
流星
大吾
クソ。だからなんで怯えてくれないんや。 いきなり包丁を突き出しても、逃げもしない。
大吾
流星
大吾
殺したいのに、なぜか平気な顔をしてる流星が目の前に居ると、 調子が狂って体が固まる。刺す手前で、時間が止まったみたいに 殺せなくなる。
今日もまだ殺さなくていいかと、包丁を戻した。
大吾
流星
大吾
流星
大吾
流星
だから愛情が痛いことされること...
大吾
流星
大吾
流星
そうくるか。まぁ別にいい。 顔を知られたところでこいつはすぐ殺す。
大吾
パサッとフードを取って、乱れた髪を少し整えた。
流星
どういう顔してるん？ 長い前髪とフードでほぼ見えなかった流星の顔も、 ハッキリしっかり見えて、目がバッチリ合った。
大吾
流星
何すんねん。いきなり腕掴んで顔近づけて......
流星
大吾
そう言うと、流星は納得したように頷いて離れた。
流星
大吾
流星
そんな道具みたいな言い方。 なんか、なんやろう、この気持ち。胸が痛いという言葉が しっくりくるような、そんな感じ。自分の気持ちが よく分からないまま、流星を抱きしめていた。 この行動にも、意味が分からなかった。
大吾
流星
大吾
流星
俺やって今頭混乱してる。こんなの初めてでよく分からない。 生き物を殺しても、テレビを見ても何も感じないのに、 なんでこいつにだけ、流星にだけこんな...
流星
大吾
流星
大吾
そういえば抱きしめてるんやったって思い出して、ハッとなって、 体を離した。流星は、静かに涙を流してた。
大吾
流星
感情がないわけではない。でも、喜怒哀楽の表情は全くない。 常に真顔な顔してるから、いつか、感情まで無くなりそうやけど、 流星がここに来てから、 ちゃんとした感情が動いてるのは分かった。
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