カランコロン
午後のカフェ
豪華な身なりで彼女がやって来る
鈴姫
久しぶり!緋奈!
緋奈
久しぶり、鈴姫
鈴姫
咲斗君のことは本当にごめんねぇ
緋奈
…良いの良いの!
緋奈
あんなにすぐ心変わりする奴なんて別れて良かったわ
鈴姫
私と咲斗君の結婚式絶対呼ぶからね!
緋奈
……ありがとう
そう、事の発端は今から7年前、高校3年生の時に起こった
その時、私と咲斗は付き合っていた
先生
よし、今から転校生を紹介する
緋奈
(転校生?)
鈴姫
初めまして!南 鈴姫です!
緋奈
(あ、)
鈴姫
分からない所もあると思いますが、よろしくお願いします!
緋奈
(やばい、この子に取られる)
その時、何故かそう思った
先生
じゃあ席は空いてる咲斗の隣な
鈴姫
はい!
鈴姫
よろしくね!咲斗君!
咲斗
よろしく
鈴姫
不安だから、心配な所相談乗ってもらってもいい?
咲斗
いいよ、いつでも言って
そして下校時刻……
緋奈
咲斗!一緒に帰ろ!
咲斗
ごめん緋奈!今日は帰れないんだ
緋奈
そうなの?言ってたっけ?
咲斗
いや、鈴姫が色々教えて欲しいって言ってて
緋奈
うん
咲斗
一緒に帰れば時間も取れると思って
緋奈
……わかった。また今度ね
それから鈴姫と咲斗はもっと仲良くなって
私と咲斗の距離は開いていった
そしてついに学園祭の日……
咲斗
放課後残ってくれ
緋奈
わかった
緋奈
(なんだろう?)
放課後
緋奈
何?咲斗
咲斗
別れて欲しい
緋奈
…なんで?
咲斗
俺、鈴姫の事好きになったから
緋奈
鈴姫は?
咲斗
付き合って欲しいって言ったらいいって
緋奈
そう……
咲斗
なぁ、もういいだろ?
咲斗
鈴姫と帰る約束してるんだ
緋奈
……いいよ。別れよ
咲斗
おう
タッタッタッ
咲斗はすぐに走っていった
鈴姫
緋奈ちゃん!
緋奈
どうしたの?
それから鈴姫は沢山話しかけて来るようになって
鈴姫
今度一緒に遊ぼうよ!
緋奈
…いいよ
2人で遊ぶ事も多くなった
遊んだ日は
鈴姫
楽しかったねぇ
緋奈
…そうだね
緋奈
「明日の月は綺麗でしょうね」
鈴姫
?…早く見たいね
緋奈
!……ふふっそうだね!
毎回こんな事をやっていた
それから別れる事無く7年が過ぎ、2人は付き合う事になった
鈴姫
それでさぁ
緋奈
あはは、そんな事もあったね
私と鈴姫の思い出話は尽きる事無く辺りは暗くなった
緋奈
もう帰ろうか
鈴姫
そうだね!楽しかったぁ
緋奈
だね
上手くいった
緋奈
こっち近道なんだよ
鈴姫
そうなんだ!でも、ちょっと暗いねぇ
緋奈
大丈夫だよ
あと少しだ
緋奈
ねえ鈴姫、私知ってるの
鈴姫
え?
緋奈
鈴姫が友達皆に私の悪い噂流して私から離れさせたのも
鈴姫
っ!
緋奈
咲斗に私に男が何人もいるって言って別れさせたのも
鈴姫
……なん……で……
緋奈
「明日の月は綺麗でしょうね」
鈴姫
え?
緋奈
どういう意味か知ってる?
鈴姫
知らない……
緋奈
殺す
鈴姫
……え?
ドスッ
鈴姫
……や……だ…たす……け…て……
緋奈
ふふっ全部あんたが悪いのよ?さよなら
その日は綺麗な天満月だった