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フォローしときましたーやっぱりおもしろい
続きも楽しみにしてます😆
やっぱりいくら読んでも井之上さんの作品はいいですね〜 説明テキストはわかりやすいし、「ドォンッ!!」のところはとても迫力があります!登場人物の性格も独特で面白いし、毒を混ぜてやろうかと思った…なんて言葉の裏に面白さが隠れていてわくわくしてきます(◍︎´꒳`◍︎)
ゾーマ
ゾーマ
キョウ
キョウ
キョウ
キョウ
キョウ
キョウ
キョウ
ゾーマ
キョウ
激昂した様子のゾーマは、文字通り蛇行して迫ってくる。
すべての口を大きく開き、そこからまるでビームのように
猛毒を吐き出しながら、大蛇はオレの後を追ってきた。
蛇というより、まるで犬だ。
第一、毒がオレには効かないことは初撃で理解できたはずだ。
それでもしつこく毒をしかけてくる辺り
コイツにこれ以外の芸がないことが見て取れる。
キョウ
効きはしないが、視界が濁るのは不快だ。
パチンッ
指を鳴らし、結界の内側に同型結界をもう1つ。
それを急激に圧縮すると、毒霧だったものは圧縮され
少量の毒液に変わった。
ゾーマ
ゾーマ
ゾーマ
キョウ
キョウ
笑ってみせるとますます怒って咆吼する。
よくこんな単純さで領主なんてやってたもんだ。
もういいや、なんか飽きてきた。
浮遊魔術で空中に浮き上がり、暴れ回るゾーマを見下ろす。
脳の残念さはともかく、デカさだけは一流だな。
頭蓋骨との境はあの部分、胴体はあとでいい、か。
重いと動きが制限されるからか、首の装備は薄い。
これならさほど魔力は必要なさそうだ。
ゾーマ
キョウ
キョウ
キョウ
ゾーマ
キョウ
キョウ
キョウ
ドォンッ!!
ゾーマ
ゾーマのメイン頭部のすぐ脇で、派手な爆発を起こしてやる。
キョウ
キョウ
キョウ
ゾーマ
キョウ
キョウ
ゾーマ
キョウ
キョウ
キョウ
キョウ
くるりと指先で円を描くと、周辺の風が音を上げて回転を始める。
圧縮されきったそれはやがてカマイタチになるが
その形状から言って、まるで電動の円形ノコギリだ。
キョウ
キョウ
キョウ
キョウ
キョウ
キョウ
真空と風で目に見えないはずの刃が風景すら歪めているのを見て
ゾーマは瞳孔の細い目を見開き、ようやくオレに怯えた顔を見せた。
自分が最後にどんな役に立てるのか理解したらしい。
いい顔だ。
キョウ
キョウ
とびきりの笑顔でカマイタチを投げつける。
次の瞬間、広場に赤い花が広がった。
転がった9本の首を、歩兵たちが次々に運んでいく。
毒が漏れないように、毒腺の切り口だけは軽く焼いてある。
毒を垂れ流しながら運んだんじゃ元の木阿弥だ。
血清を作って民に摂取させるまで、一滴もムダにしたくない。
キョウ
キョウ
キョウ
アンセルム
アンセルム
キョウ
アンセルム
アンセルム
アンセルム
キョウ
アンセルム
アンセルム
アンセルム
アンセルム
アンセルム
キョウ
アンセルム
アンセルム
アンセルム
キョウ
アンセルム
アンセルム
苦い顔をするアンセルムを無視し、
炊き出しを食べている民
治療を受けている民
仮設住宅の建設に勤しむ兵を見る。
うん、至って順調。
ただ、パッと見はただの慈善事業なのが惜しい感じだ。
キョウ
キョウ
アンセルム
アンセルム
キョウ
キョウ
キョウ
これも全部、地方領主どもに丸投げしていた中央が悪いと
遠回しに嫌味を言って、その場に座り込んでやる。
兵たちが慌てて簡易玉座を持ってくるのが心地いい。
なのにアンセルムだけは、いやにニヤニヤしてオレを見ていた。
キョウ
アンセルム
アンセルム
アンセルム
キョウ
アンセルム
アンセルム
キョウ
アンセルム
キョウ
アンセルム
アンセルム
アンセルム
アンセルム
アンセルム
キョウ
まさかの!
まさかの褒美がきた!?
いや、部下からもらう褒美ってのはちょっと微妙だけど
それでも嫌味のひとつも言って見るもんだ!
当然、今回の対価に要求するのはただひとつ!
キョウ
アンセルム
キョウ
好きなことを実行するって言ったくせに!!
思わず簡易玉座の肘掛けを叩きつけて
思いっ切り悔しがってしまった。
……笑ってやがる。
絶対こうなるって分かって言いやがったな、コイツ。
やっぱりコイツも魔族の一員だ、性格が悪い。
……でも、だったら別にやりたいこととか……。
キョウ
アンセルム
キョウ
またひとつ嫌味を言ってやれば困ったような顔をする。
困ってないクセに。
キョウ
キョウ
キョウ
キョウ
キョウ
キョウ
キョウ
アンセルム
アンセルム
キョウ
アンセルムの顔が、途端に引きつる。
さすがにこの返事は想定してなかったか。
キョウ
キョウ
キョウ
アンセルム
アンセルム
アンセルム
キョウ
キョウ
ニヤニヤと笑った俺の顔は、兵たちにどう映っただろう。
周囲の兵たちは揃って背筋を伸ばし、
冷や汗を浮かべた顔で並んでいた。
キョウ
キョウ
キョウ
アンセルム
アンセルムは頭を垂れ、満足そうに敬愛と服従の姿勢を見せる。
オレはコイツの想定の範囲内で動いているのかもしれない。
それでも、オレを傀儡にするつもりがないならそれでいい。
お互いに有益な存在であることが良い部下と上司の条件だ。
――そんなオレ達を、近くの丘から見ている連中がいた。
???
???
???
???
マサル
マサル
マサル
にんまりと笑った気配に、オレが見返ったときには
そこに人影はなかった。
……おおかた、自分たちの後始末に走り回るオレ達を
高みの見物していた連中がいたんだろう。
あのアニキの仲間なら、癖は強そうだ。
オレはちょっと、ちょっとだけ
さっきの毒を宴の料理に混ぜてやろうかと思った。