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翔太
翔太
翔太
今から10年前、大切な幼なじみが消えた
翔太
俺は今“桃太郎”として鬼の棲む鬼ヶ島に降り立った
遥か昔から俺の村では渡辺一族の中の見目麗しい男子が桃太郎に選ばれ、鬼ヶ島に鬼退治に行く習わしがあった
そして今回、選ばれたのが俺
俺は子供の頃から将来桃太郎として鬼と戦うと教えられ、剣や体術を身につけられた
だからって、怖くないわけない
今まで、鬼ヶ島に向かい戻ってきた桃太郎は1人もいない
桃太郎になると意気込んでいた幼い俺はもう現実を知って、人生の終わりを迎えるためにこの島に降り立ったのだ
翔太
乗ってきた舟は、もう沖へ出て村人の姿がなんとなく見えるくらい
もうひとつため息を吐き、目の前の山へ歩みを進めた
翔太
しばらく険しい山を登っていると、開けた場所に出た
そこには数人の大柄な鬼が
想像より大きなその身体に剣を握る手が震えるのが分かる
ここに来た以上、逃げるわけにはいかない……
どうせ……もうこの島から戻ることなんてできないんだ
ギュッと震える両手で剣を握り直す
??
翔太
前ばかり気にしていた俺は後ろに静かに近付いてきた存在に気付かなかった
突然の声に驚いた瞬間、首に痛みが走り俺は意識を失ったーーーー
翔太
鬼1
翔太
身体に痛みを感じ、意識が浮上するとまず目に飛び込んで来たのは目の前の硬い石の床
そこに聞こえてきた声に身体を起こそうとしたが手が後ろに縛られているのか全く動かなかった
鬼1
翔太
鬼2
鬼1
顔が見えなくても笑ってるのが分かる
前回の桃太郎もコイツらに捕まったのか……
翔太
鬼1
翔太
鬼2
翔太
鬼1
終わった……
身動きも取れないし、何もできないまま俺はここでコイツらに喰われて死ぬのか……
生きて帰れるなんて思ってなかったけど、やっぱり死にたくないと思う
翔太
と、グイッと身体を引かれ、身体が浮くと鬼の顔が目の前に
鬼1
翔太
目の前の鬼は牙を覗かせながらニヤリと笑う
その顔が近付くと頬を生暖かい感触
翔太
頬を舐められて気持ち悪くて拭いたくても手は全く使い物にならない
せめて……と、目の前の鬼を睨んだ
鬼1
翔太
鬼2
鬼1
翔太
鬼2
鬼1
翔太
なんて言った?
まさか……そんなわけ………
鬼1
鬼2
翔太
鬼1
翔太
鬼は俺の肩を掴んでいる手と反対の手で首元の服を掴むと一気に下に引っ張った
ビリッと音が反響する
翔太
鬼2
鬼1
翔太
冷たい空気に晒された胸元にヌルリと舌が這う
鬼1
翔太
生贄……?
どういう事……?
鬼1
翔太
鬼1
じゃあ……最初から……俺は……
翔太
鬼1
………優しかった村の人たち……みんな、分かってたのか………
初めて知った事実に涙が勝手に溢れてきた
その時……
何故だろう
脳裏に懐かしいアイツの声が聴こえた気がした
翔太
??
??
翔太
目が覚めると、ふかふかの布団に寝かされて周りにはでかい男たち
それぞれ角が生えていたり、厳つい格好をしている
周りを見渡すと先程までの冷たい洞窟のような場所ではなく、木でできた建物の中だった
??
??
翔太
長身の男たちの中、1人小柄なピンク色の頭に一本の角がある鬼が俺の頭を撫でてきた
さっくん
翔太
鬼が、自己紹介??
訳が分からず他の鬼たちに目を向けると、みんなニコニコと笑っていた
翔太
??
??
俺の言葉に今度は長髪の……あれ?角がない……鬼?と、頭に2本の角に身体が青くバキバキの筋肉………じゃない、筋肉の模様の付いた服を着ている鬼が笑った
照
翔太
ふっか
??
ふっか
コージ
今度はなんか訛りのある言葉に陽気な雰囲気の一本角の鬼が勢いよく近付いてきて手を握りブンブンと降ってきた
翔太
だって……さっきまで俺は大きな鬼たちの巣窟で、今から犯される寸前だった……はず
なのにこの場所はなんだ?鬼なのに……全然違う……
コージ
??
翔太
??
翔太
ラウ
細く背の高い中性的な顔をした二本角の鬼が怒ると、この中で1番大きなキレイな顔した角のない鬼?がニコニコしながら抱きついてくる
翔太
あべ
翔太
照
翔太
あべ
さっくん
コージ
翔太
ふっか
ラウ
翔太
あべ
コージ
翔太
元人間……?じゃあ角が無いのは……
照
ラウ
ラウはニコニコと話すが、捨てられたって……
ラウ
ふっか
ラウ
??
??
ラウとふっかが楽しそうに笑っているのを呆然と眺めていると後ろから声が
そこには2人……
1人は頭に2本角があるが、イケメンが服を着ているような雰囲気の鬼
もう1人は角がなく、大きなサングラスを頭に付けているけどどこかロイヤルな雰囲気が漂う………
その男は俺を見て目を見開いて固まった
あれ……?
どこかで見たことがあるような………
??
翔太
まさかの呟かれたのは俺の本名
まだ、俺は名乗ってないのに……
でも、なんだろう……前にも呼ばれたことがあるような……
??
翔太
そのまま優しく抱きしめられる
どこか懐かしい匂いが鼻を掠めた
??
翔太
どことなく見たことある顔……キリッとした大きな目にぷっくりした唇……
『翔太、大好きだよ』
脳内に聴こえるこの声は………
翔太
涼太
翔太
10年前に突然姿を消した幼なじみの姿に思わず大きな声が出てしまった
コージ
翔太
コージ
ラウ
翔太
涼太
翔太
??
涼太
翔太
それまで涼太の後ろに立っていたイケメンな鬼がゆっくりと喋った
涼太
めめ
イケメンなのに、どこか話すペースはスローでなんか面白い
8人みんなニコニコしていて、やっと肩の力が抜ける感じがした
翔太
ふっか
翔太
涼太
翔太
涼太
翔太
あべ
ラウ
あべ
さっくん
照
めめ
あべ
涼太
あべ
涼太
あべ
翔太
桃太郎って……俺を守りたいって………
涼太を見ると、あべちゃんをジトっと睨んだ後大きくため息を吐いた
涼太
翔太
涼太
涼太
翔太
涼太
翔太
涼太は知ってたんだ……桃太郎が本当は鬼退治のためじゃなくて生贄のために存在するんだって
涼太
翔太
涼太
翔太
涼太
ふっか
さっくん
涼太
あべ
翔太
涼太
めめ
コージ
涼太
翔太
涼太
翔太
涼太
翔太
照
ラウ
涼太
そう言って、涼太が手を掲げるとそこから真っ赤な花が
翔太
照
今度は照が手から炎を出した
翔太
ラウ
あべ
翔太
ラウ
コージ
ふっか
さっくん
涼太
翔太
涼太
翔太
涼太
ラウ
ふっか
さっくん
めめ
あべ
コージ
照
翔太
涼太
翔太
涼太
翔太
涼太
翔太
そのまま涼太に力一杯抱きしめられた
懐かしい温もりに涙が出そうになったけど、みんなが優しい目で見守ってて思わず顔を涼太の肩に埋めて顔を隠した
後日
涼太に連れられて例の鬼の長に会いに行った俺は、能力を授かったんだけど……
あべ
何故か能力が入れ替わり、涼太から氷、俺から赤い花が出てきたのを見た時、阿部ちゃんの奇声が鬼ヶ島に響いたのだった
おしまい
主
主
主
主
主
主
主
コメント
11件

好みにグサッと突き刺さって悶絶中です…。
基本モブレなのほんまにwww