『_____ちゃん!!』
…声が聞こえる。
これは夢だろうか___。
これは、俺が小2の時の話。
家に帰ると、知らない女の子が家にいた。
瑠斗
母
母
明音と言われた女の子は…すごく汚れていた。
瑠斗
母
母
この時の俺は、まだ何も知らなかった。
明音が、どれだけ辛い思いをしてきたのか___。
明音はすごく元気で、走り回るのが大好きで、笑顔が可愛くて、そしてとっても優しい子だった。
弱ってる虫を病院に連れて行ってあげたのには、すごく驚いたw
俺が中3、明音が小5の時だった。
お母さんに、明音の小さい頃について話された。
明音は小さい時、本当の母親から虐待を受けていた。
だから、あんなに汚れていたのだ…
それに気づいた旦那さんは、明音を俺のお母さんに預けたらしい。
その話を聞いた時、俺は何があっても絶対にこの子を守ってやると誓った。
そう、決めたはずなのに____。
俺が高2、明音が中1の時だった。
俺は…事故に遭ったんだ。
信号無視の車に跳ねられ、意識不明となった。
そして、目が覚めた時には…俺の右手がなくなっていた。
俺は絶望した。
ああ、これじゃ明音のことが守れないじゃないか。
そんな自分が情けなくて悔しかった。
それからの生活は、大変だった。
俺は右利きだから、余計に不便だった。
勿論、1人で全部はできなかった。
家族に支えられながら、生活していた。
ある日俺は、明音に
瑠斗
と言った。すると明音は
明音
その言葉を聞いた時、俺は泣いてしまった。
こんなに可愛くて良い妹がいるだろうか?
そして月日は流れ…
今日は、明音の結婚式だ。
俺は号泣してしまった。
明音に引かれるほど…
それほど俺は、嬉しかったんだ。
でも、それと同時に寂しくもなった。
相手は俺の自慢の親友『光汰』だ。
クールな性格だけど、とても優しいから明音も幸せになれるだろう。
今までたくさん辛い思いをしてきたから、これからは幸せな人生を送ってほしいと思う。
いつまで経っても、明音は俺にとって大切な妹だから___。
俺は『サンドラ』と結婚することになった。
大人しい性格だけど、とても心優しくて可愛い女の子だ。
妹と2人暮らしだけど、誰よりも強い心を持っている。
そんな彼女に惹かれ、プロポーズしたのだ。
そして今は、娘の『杏菜』と3人で幸せに暮らしている___。
❦ℯꫛᎴ❧