TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

後ろの席の金髪王子 satoshi

一覧ページ

「後ろの席の金髪王子 satoshi」のメインビジュアル

後ろの席の金髪王子 satoshi

10 - 後ろの席の金髪王子 satoshi 10

♥

251

2019年09月08日

シェアするシェアする
報告する

優…、ちょっとの間我慢してね

そう言われた瞬間

翔くんにお姫様だっこをされた。

ちょ!//お、降ろして!//

足をバタバタして降ろしてもらおうと必死に抵抗したが

ムキムキな翔くんに敵うはずもなく

されるがままに

向かった先は

保健室だった。

よいしょっと

優しく私をベッドに降ろした翔くん。

重かったでしょ?//

うん(笑)

ちょ!//

嘘だって(笑)むしろ軽すぎ

もー…//

翔くんにお姫様だっこしてもらってたときは

ドキドキしてて忘れてたけど

今頃になって

あのシーンを思い出す。

今頃になって…

涙が出てくる。

大丈夫大丈夫。優が落ち着くまで、俺…そばにいるから

翔くんに頭ポンポンされながらそんなセリフを言われると

もっと涙がでてきた。

しょおくん…

思わず翔くんのシャツを掴むと

目の前がいきなり

真っ暗になった。

いきなり目の前が真っ暗になったと思ったら

…私

翔くんに抱きしめられているんだと思った。

翔くんに抱きしめられるのは、これで二回目。

そんなこと思っていると、だんだん強く抱きしめる翔くん。

しょおくん…

って呼んでも、翔くんは返事をしてくれない。

そんな状態で、5分くらいが経ったとき

ようやく放してくれた翔くん。

大野のこと?

え?

大野のことで、泣いてんの?

ちがっ…

違くないだろ。目を見れば、分かる

カップルコンテスト…、俺と一緒に出よ

…ぇ

出よ?

あのシーンがまたフラッシュバックしてきて

うん。って

頷いた。

やった!ちょー嬉しい!

うんって頷いた瞬間、翔くんが大袈裟に喜んでいた。

ふふ(笑)そんなに?

そんなにだよ!

翔くんに似合う女の子じゃないけど、頑張るね

俺のが優に、似合う男になんなきゃ!まぁ、お互いに頑張ろ

ふふ、うん。(笑)

そのあと

少し複雑なキモチになったけど、さっきより元気になった。

…気がした。

教室に戻ると

みんなは最終チェックに入っていた。

雅紀

あ!かいちょー!これ、衣装ね!

あ、うん、ありがとう

まぁ、それはそれは

前に見た短いスカートの衣装。

短いな

え!?

驚きすぎ(笑)

だ、だって、い、いきなり話かけるか…ら

さっきのシーンがまたフラッシュバックしてきて

日本語がカタコトになってしまった。

ふはは!(笑)なんだよ、その日本語(笑)

大野くんは今まで見たことないくらいに

ヒーヒー言いながら笑っている。

そ、そんな笑わなくても!//

雅紀

二人いいところ悪いけど、かいちょーに用があるから借りるね~!

そんな和やかな雰囲気のとき

相葉くんがやってきた。

ちょ、相葉くん…!

無理矢理腕を引っ張る相葉くんに

名前を呼ぶけど、相葉くんはずんずんと前へ歩くだけ。

そして

やっとたどり着いた場所が屋上だった。

あ、相葉くん、急になに?

相葉くんにとっては、普通に歩いていても

私はずっと小走りしていたから、少し息切れ。

そんなとき

雅紀

かいちょーさ…、大ちゃんのこと、スキだよね?

って

相葉くんがニコッて笑った。

相葉くんから出た

意外な言葉に

まさしく私は図星で。

雅紀

あ!やっぱり!

な、何で?//

雅紀

大ちゃんと喋ってるとき、恋する乙女の顔してたし(笑)

わ、私、そんなに顔に出てた!?//

雅紀

まぁ、かいちょーは俺が見てもわかりやすいタイプだね(笑)

そ、そんな…

最悪…。//

そんなに顔に出てたなんて、気付きもしなかった自分に恥ずかしい。

雅紀

でもかいちょーさ、翔ちゃんと付き合ってるんじゃないの?

付き合ってなんかないよ。…なんでそんな噂が広まったのか謎だけど。

雅紀

付き合ってないの!?なんだ…

なんで付き合ってることになってるの(笑)

雅紀

いや、周りがお似合いだね~ってなって、なんか、放課後廊下で抱きしめあってるのを誰かが見たってなって、やっぱり付き合ってると周りは確信してた。

ちょ、ちょっと待って!話がついていけてないんだけど…

抱きしめあってる?

ってもしかして、あのときの放課後?

それを誰かが見てたなんて、気付きもしなかった…

雅紀

まっ、かいちょーは要するに翔ちゃんとは付き合ってなく、大ちゃんがスキってことだね!

ま、まぁ…//

雅紀

でも俺、そのかいちょーの恋…あんま応援できないかも。

Masaki_side

応援できないかも。

かいちょーに言ってはイケナイ言葉を言ってしまった。

でも、本音だった。

翔ちゃんとは、中学からずっと一緒で

一番の友達。

って、俺が勝手に翔ちゃんを一番の友達って思ってんだけど(笑)

だけど

それくらい翔ちゃんにはかいちょーと結ばれてほしい。

だって

1年からずっと、かいちょーに片想いをしてる翔ちゃんをずっと近くで

見てきたから、尚更。

かいちょーと少しでも一緒にいたいからって

生徒会にも自分から立候補したり

苦手な運動も

俺にスーポツ万能な男にして!って無茶なお願いしてきたり。(笑)

サッカーも、かいちょーに少しでもカッコいいとか、俺を見てほしいからって

頑張って、エースになった。

そんなに頑張ってるのに。

約三年間かいちょーだけを想ってきたのに

翔ちゃんのがかいちょーを想うキモチは誰よりも負けてないのに。

今さらフラッと出てきた人に、かいちょーとは結ばれてほしくない。

それに相手は

金髪だし、不良だし。

女の子の噂だって、今もなお、絶えない。

なぁ…

かいちょー。

そんな悲しそうに

笑うなよ。

翔ちゃんのが

幸せにしてくれる。

って思ってるよ。

今までの翔ちゃんのキモチを教えたら

かいちょーは

どうする?

それでも大ちゃんを

スキでいる?

かいちょー。

相葉くん…

かいちょーの悲しそうな笑顔で、ぎこちない感じで話かけてくる。

私…、大野くんがスキなの。女の子がたくさんいようが、私は…スキなの

雅紀

かいちょー…

ガチャン

かいちょーはそう言って、屋上から出ていった。

かいちょーは

本気で大ちゃんに恋をしているんだね。

ガチャッ

相葉くん

雅紀

翔ちゃん…!

どうしたの?(笑)

雅紀

いや…、かいちょーと少し話してただけ!

そっ!(笑)どこにいるかと思ったわ。そういや、莉子ちゃんが呼んでたよ?

莉子ちゃん。

あぁ

カップルコンテストのことか。

カップルコンテスト、相葉くんたちに負けないかんな?(笑)

雅紀

な、何言ってんの!俺らが優勝だし

はいはい(笑)早く、行きな?

雅紀

言われなくても行くし!(笑)

早く行ってラブラブしてこいって

翔ちゃんが笑った。

翔ちゃん…

何もできなくて、ごめん。

何も…

出来なかった。

後ろの席の金髪王子 satoshi

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

251

コメント

2

ユーザー

翔くんがめちゃかっこいい。 続きが気になります。

ユーザー

とても良かったです

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚